お色直しとは、新郎新婦が挙式と披露宴の間、または披露宴の途中に衣装を着替えることです。最近でも多くの新婦が1回はお色直しをしているようですが、その一方でお色直しはしないで小物やヘアスタイルだけ替えるという人も増えているようです。お色直しをしない分の費用を会場費や一着のドレスにかけたり、お料理をグレードアップしたり・・・また「おもてなし婚」が重視されるようになって、新郎新婦がお色直しのために中座することを避けるという理由もあります。お色直しをするのか、前撮りや別撮りなどを利用して別の衣裳で写真だけ撮影するのか、一生に一度の貴重な機会なのでスケジュールや予算も考えながら賢く衣裳選びをしたいですね。
お色直しの最新事情、パターンとポイント解説、演出のコツ
1. お色直しのパターン
結婚式で着る代表的な衣裳は、和装は白無垢、色打掛、黒引き振袖、洋装はウェディングドレスとカラードレスになります。和装と洋装両方着たいという新婦に人気があるのは、「白無垢→ウェディングドレス」または「ウェディングドレス→色打掛」という組み合わせです。着替えやヘアメイクを含めたお色直しの時間は、洋装へのチェンジで約15分から20分、和装へのチェンジは約20から30分かかります。着替える時間以外にお手洗いに行ったり、会場との行き来の時間もかかります。洋装→和装は着替えに時間がかかるので、プログラム進行上難しい場合もあります。挙式と披露宴の間か、あるいは披露宴の途中に一度退場して再入場するのか、お色直しの衣裳によっても変わってくるので着たい衣裳とプログラム進行を合わせてよく相談しましょう。
1-1. 洋装へのお色直し
人気のパターンは
「ウェディングドレス→カラードレス」
「白無垢→ウェディングドレス」
の2つのパターンです。
洋装へのお色直しは、中座の時間が短くゲストを待たせなくて済む、洋装のお色直しは和装ほど衣裳レンタル料や着付け料がかからない(相場は約20万円~25万円)というメリットがあります。カラードレスはピンク、赤、ブルーが主流ですが、黒やネイビー、パープル、イエロー、グリーンなども。会場の色のトーンや、冬なら赤、夏ならイエローやオレンジ、ブルーなど季節に合わせても○。
1-2. 和装へのお色直し
こちらの人気のパターンは
「白無垢→色打掛・黒引振袖・大振袖・新和装」
「ウェディングドレス→色打掛・黒引き振袖・大振袖・新和装」
の2つです。
お色直しの和装には、
- 色打掛(赤や金、緑など華やかな色)
- 黒引き振袖(黒地の裾の長い振袖)
- 大振袖(袖丈が長く振袖のなかではもっとも格式が高い)
- 新和装(ドレス感覚で楽しめる和装)
- 白無垢(綿帽子は外す)
があります。実際には「ウェディングドレス→白無垢」、というケースはあまりとられないようです。白無垢は非常に厳かな雰囲気になる半面、披露宴で着る場合はすこし華やかさにかけるという点が考慮されているよう。
一番の人気は、おめでたい柄の吉祥文様、鶴亀、鳳凰、松竹梅などが刺繍で描かれた色打掛で披露宴のお色直しでよく着用されています。また、かつらを着用せず洋風のヘアスタイル(洋髪)と合わせた黒引き振袖や新和装も華やかで会場の雰囲気も盛り上がります。ただし「打掛」は振袖の上にもう一枚来ている状態なので、重く動きにくいためテーブルラウンドなど動きのある演出を考えている場合には、試着の際にしっかりと確認しましょう。
1-3. お色直しをしない、衣裳を替えずにイメージチェンジ
ドレスのタイプや小物などのアレンジでイメージチェンジをしてお色直しをしない人も多くなっています。披露宴の途中で中座して再入場となるとゲストは衣装チェンジを期待してしまうので、この場合は、挙式と披露宴の間にチェンジするといいでしょう。お色直しなしで、結婚式とは別の日に当日は着ない衣裳でゆっくりと写真のみを撮る「前撮り」「別撮り」という選択もあります。
2wayドレスを選んで袖を取り外してミニ丈のドレスにしたり、裾を取り外してビスチェタイプのドレスに、トレーンの長さを変えるなどさまざまなタイプのドレスがあります。ドレス以外のヘアスタイル、ベール、ヘッドドレス、ブーケ、アクセサリー、グローブなどを替える方法もあります。
2. お色直しのチェックポイント
- 和装にチェンジする場合は時間がかかってしまうことが多いので、どのタイミングでお色直しをするのか、プログラムをしっかり考えた上で計画しましょう。
- 最近は着付けにかかる時間を短く、ヘアスタイルは洋髪にするなど、和装へのお色直しに時間がかからないよう対応してくれる会場も増えています。
- お色直しを2回する場合は、1回目は挙式と披露宴の間、2回目は披露宴の途中にします。
- 衣裳を替えないで小物などでイメージチェンジする場合は、披露宴で中座するのではなく挙式と披露宴の間に替えましょう。
- 当日は着ない衣裳で別の日にゆっくり写真だけを撮る「前撮り」「別撮り」という選択も。
- 新郎も新婦に合わせてお色直しを。新婦が和装に着替えるのと同時に新郎も和装にしたり、カラータキシードに着替えるケースも。シャツやネクタイ、ベスト、ハンカチーフなど小物だけカラーのものに替えてもOK。
3. お色直しの演出
3-1. お色直しの退場時
- ゲストによる新郎新婦のエスコート
母親、祖父母、兄弟姉妹など家族の中から一人新郎新婦をそれぞれエスコートしてもらって、披露宴会場から退場します。バージンロードを父親にエスコートしてもらった新婦は母親にエスコートしてもらうことが多いようです。誰にお願いするかは事前に伝えておくケースと、サプライズでその場で指名するケースがあります。
3-2. お色直しで中座している間
- プロフィールビデオやメッセージビデオ
- シェフの実演
- 生演奏
- 特別な演出はせずに歓談
お色直しで新郎新婦が席を離れている間、ゲストは二人のプロフィールビデオや写真、当日出席できなかった方からのメッセージビデオを見るのが定番です。その他に、シェフの料理の実演、音楽の生演奏、特別な演出はしないでゲスト同士歓談しながら食事を楽しんでもらう、といった演出があります。
3-3. お色直しの再入場時
お色直しが終わると新郎新婦は揃って再入場します。入口からそのままテーブルを周って、キャンドルサービスやキャンドルリレー、テーブルラウンド(プチギフトや花を配るなど)、テーブルフォトなどの演出が多いようです。中には新郎新婦が意外なところから登場したり、踊りながら現れたり、新郎がバク転しながら入場したりといったサプライズも。