日本で結婚式を挙げるからには着てみたいのが和装。神社での挙式時の白無垢をはじめ、ウェディングドレスの後にお色直しとして色打掛や引振袖を着たり、ウェディングフォトや前撮りで和装を着たりと、時代が変わっても常に人気があります。若い花嫁が着る和装も日本人形のようでかわいらしいものですが、40代の大人の花嫁が和装を着こなすとより格式の高さを感じさせとても豪華な印象を与えます。今回は40代の花嫁におすすめしたい、本当に似合う和装の選び方をご紹介します。
白無垢、色打掛、引振袖… 40代花嫁に本当に似合う和装とは
40代花嫁、どの和装がいい?
日本らしく、慎ましさと豪華さとどちらも演出できるのが魅力の和装。日常的に着物を着る人が減っても、結婚式は和装がいい、と憧れる女性はいつの時代も多くいます。結婚式や披露宴、前撮りなどで人気の和装といえば、主に「白無垢」「色打掛」「引振袖」。ユニークなものとしては、「十二単」の結婚式もあり、特に日本史ファンに人気があります。
ただブライダル雑誌やカタログを見るとモデルは20代の若い女性が多く、大人の花嫁はどんな和装を選べばいいかわからないかもしれませんね。白無垢は「純粋で穢れのない」という意味があり、また引振袖は未婚の若い女性が着る振袖にイメージが結び付くことから、40代の大人の女性にとっては躊躇してしまうこともあるようです。
ですが、結婚式の主役は新郎新婦。特に花嫁の華やかな装いはゲストにとって一番の楽しみでもありますから、まずは自分が着たい衣裳を見つけることから始めてみましょう。現代では30代、40代を過ぎてから結婚する女性は増え続けており、花嫁衣裳も大人の女性に似合うデザインが多くなっています。
花嫁衣裳を選ぶ基本的なルールとして、40代だからといって選んではいけないものがある、などということは特にありません。再婚という方も多い世代かもしれませんが、再婚であろうと、白無垢でも、色打掛や引振袖でも何を着てもかまわないのです。自分が着たいと思うもの、そして大人だからこそ着こなせる色やデザインを選びましょう。
40代に似合う和装の選び方
40代の大人花嫁でも好きな和装を着ることができますが、年齢や顔立ち、体型によって似合う衣裳は異なってきます。自分が気に入っても他人から見れば違和感があることも。一人で衣裳選びをするのではなく、必ずアドバイザーに客観的な意見を聞きながら、できれば家族や友人などと一緒に選ぶようにしましょう。
肌の色に合った衣裳を
和装の場合、ウェディングドレスと違いシルエットに大差はないため、色柄や素材が重要になります。色打掛はもちろん、白無垢もウェディングドレスのように微妙な色の違いがあるため何枚か羽織って確認してみましょう。
白無垢は真っ白・オフホワイト・生成りといったトーンの違いがあります。例えば真っ白なものは光を反射して肌を明るく見せますが、色白な肌の人向け。日焼けした肌の場合には浮いた印象になってしまいます。
紅裏と赤こぶき
また赤の裏地を用いた「紅裏」は、鮮やかな赤が全体を引き締めるため、すっきりとした印象にしたい方におすすめ。打掛が紅裏となっているものもありますし、白無垢の下に着る掛下着を紅裏にした着こなしもあります。同じくおめでたい紅白の「赤こぶき(赤ふき)」は、裏地は白ですが衿元・裾に赤のラインが入っており、紅裏よりもかわいらしい印象です。白無垢を着たいけれど白一色だと印象がぼやけてしまいそう、という方におすすめです。
軽やかな素材は避ける
和装の素材は正絹(しょうけん)が一般的ですが、最近ではさまざまなバリエーションがあり、生地によって印象も大きく変わります。大人の女性が和装を着用する場合、生地が軽い印象だと安っぽく見えてしまうこともあるため注意しましょう。
正絹は天然の素材であることから白無垢でもやや黄色っぽいことが多く、美しいツヤとしなやかさが魅力です。ほかには色を自由に表現できる化学繊維、縦糸と横糸をそれぞれ絹・化学繊維を使用した交織が人気です。
また、最近ではオーガンジーのような洋風の素材の打掛も人気があります。単色だけでなく、花や蝶などのモチーフを用いたもの、カラフルなグラデーションのものなどデザインもさまざま。かわいらしさから若い花嫁の支持率が高い衣裳ですが、大人の花嫁が着用すると落ち着きのない印象になりやすいため注意が必要です。
地味にまとめすぎない
日本古来の衣裳である和装は、洋装に比べて幅広い年代に似合うものが多くなっています。大人向けの衣裳を求めるあまりに、地味なものを選ぶと華やかさに欠け、年齢以上に老けて見えてしまうことも。
30代、40代といった大人の結婚式になると、出席するゲストの年齢層も上がります。男性はブラックスーツ、女性も黒やネイビーのドレスといった、色のトーンを抑えた服装が多くなりがちです。色打掛や引振袖を着る場合、主役の新郎新婦も溶け込んでしまわないように衣裳を選びたいものです。
金銀の刺繍は意外としっくり
例えば金糸銀糸の刺繍は派手に見えても羽織ってみるとしっくりなじみやすく、大人だからこそ着こなせる和装だといえます。かわいらしさよりも大人っぽさ、シックな雰囲気を重視することは大切ですが、花嫁であることを忘れないよう、40代の魅力を引き立ててくれるような一枚を選びましょう。
40代に似合うのは鮮やかな色
ウェディングドレスやカクテルドレスと何か一着和装を着たい、と考える場合に40代に花嫁にとくにおすすめなのは色打掛または黒の引振袖(黒引振袖、または黒引)です。
色打掛でかわいく見える色を選びたい場合には、とことん試着して自分に似合うトーンを見つけましょう。同じピンクでも、パステルピンクやサーモンピンク、青みの強いピンクまでさまざま。若々しく見せたいがために幼い色を選ぶと逆効果になってしまうため注意しましょう。化粧品カウンターやアパレルショップなどでパーソナルカラーを診断してもらい、自分の肌に似合う色を知っておくのもおすすめです。
黒引振袖は大人の女性によく似合います。ただし洋風の柄(バラや蝶など)、カラフルな柄が黒地よりも大きく入っているものなどは、成人式の振袖のような印象になることもあるため注意が必要です。またあまりに個性的すぎたり、反対にシンプルすぎたりすると演歌歌手の衣裳に見えてしまうことも。黒引振袖の場合には、華やかな帯も大きなポイントとなります。着物だけでなく、帯とコーディネートしながら探してみましょう。
40代の花嫁におすすめの和装
色打掛(相良刺繍/ブライダリウム ミュー)
淡いブルーに色とりどりの花々の平刺繍・相良刺繍が美しい色打掛です。吉祥文様である鶴は結婚式にぴったり。洋服ではあまりパステルカラーを着ないという人も、カラフルな模様が入った色打掛に挑戦してみてはいかがでしょうか。明るい色は顔色もワントーンアップしてくれます。
色打掛(西陣唐織/ブライダリウム ミュー)
明るく華やかな彩の色打掛は、和装でも重い印象にしたくない花嫁におすすめ。色鮮やかな花束と伝統的な文様が美しく、幅広い年代のゲストに好印象を与える色打掛です。大人っぽさとかわいらしさのバランスがよく、チャーミングな花嫁を演出してくれます。
色打掛(maruichi)
鮮やかな真紅に鶴が舞う、目の肥えたゲストの印象にも残る色打掛です。人とは違う和装を希望する、おしゃれな花嫁に人気の一枚です。掛下(打掛の下に着る着物)を白にするかほかの色にするか、また伊達衿などの小物をどんなものにするかで印象が大きく変わります。
色打掛(流水に菊)
和装らしく、日本人女性の肌によくなじむ朱色地に色とりどりの菊を配した、どこか現代的な印象もある色打掛です。伝統的な柄にモダンな色使いを組み合わせた、ひねりの効いたデザインが特徴的。派手になりすぎず、少し個性的な印象の和装を着たい花嫁におすすめです。
黒引振袖(黒 松寿藤花文/TAKAMI BRIDAL)
季節の花を散りばめた、結婚式にふさわしい豪華な黒引振袖。縁起のいい文様たちが華やかです。裾から覗く裏の文様も美しく、お引きずりにぴったりの衣裳です。写真のようにピンクの小物を多く合わせれば、黒引振袖でもほどよくかわいらしい雰囲気に。