同年代のカップルのより、気を遣ってしまいがちの「年の差婚」のウェディングファッション。ドレスの選び方を、洋裁業46年、オーダーメイドウェディングドレス歴26年の大田区「ドレスさら」の粕谷尚子さんにインタビューしました。まず基本の基として、オーダーメイドであれ、レンタルであれ、ドレスの選び方のポイントは次の3点だということを覚えてください。
1. 材質
2. カッティング
3. 裁縫
材質の良し悪しは、品格を物語ります。レンタルの場合、生地がくたびれていると「着古されたドレス」という印象を与えます。また「体にきちんと合っている」という装いの基本は、ドレスのカッティング次第といえます。縫製が荒いと、せっかくのデザインも品格が下がり、お祝いの席に相応しくないドレスになってしまいますので、まずはしっかりポイントを押さえることが大事です。
新婦が5~7歳以上、新郎より年下の場合
新郎は年下の新婦に敢えて合わせるより、年齢に応じた落ち着いたファッションを心がけるのが好ましいです。新婦は自分が好きなファッションにこだわるより、品の良さを意識しましょう。デザインが派手すぎると、新郎とのバランスが崩れてしまうので、まずは上品を心がけてください。
新婦が10歳以上、新郎より年下の場合
若々しさを隠す必要はありませんが、軽々しさや安っぽさがにじみ出ないように。例えば素材にサテンを選んだ場合、舞台衣装のようなてかてかと光沢のあるサテンは、新婦を安っぽく見せるだけでなく、年上の新郎とのバランスを崩してしまいがち。上質なサテンを使用した落ち着いたデザインを選びましょう。費用が許される範囲なら、シルクのサテンは品格を表します。例えばオーダーメイドで総レースを選ぶとすると、年上の男性の堂々とした品格に引けをとりませんね。
新婦が20歳以上、新郎より年下の場合
新婦が10歳以上若い場合と同じように、若さで着こなすのではなく、ぱっと見た目で高級感のあるドレスを選びましょう。例えばシルクや総レースのドレス、光沢から高級感が漂うなど。またレンタルでも素材にこだわっているドレスがあります。新婦との年の差が広がれば広がるほど、遠目で美しく見えるドレスを着こなしましょう。
新婦が5~7歳以上、新郎より年上の場合
新婦は敢えてフリルやお花を増やすような“若さ”を強調するより、自分で着こなせるようなカッティングのドレスを。可愛らしさの演出ももちろん大事なこと。アクセサリーやお花など一点豪華主義にこだわりましょう。新郎も渋さを強調するより、正装が似合うといわれるような素材の良い生地を選ぶことが大事です。
新郎新婦が50代以上のミドルエイジカップル
人間としての成熟度が現れるような良質の素材を使った正装が大事。ミドルエイジのファッションで特に気を付けたいのは、シルエットを美しく見せるために、カッティングにこだわったドレスや正装を選ぶことです。ドレスが主張せず、あくまでも本人を引き立てるようなシンプルなデザインで。高級感が醸し出される素材を選びましょう。
男女ともに、年齢が重なれば重なるほど、「大人のウェディング」をより一層意識することになりますね。だからといって、がちがちの正装にするより、一点豪華主義の華やかな帽子や、豪華な花をリボン代わりにするなど、余裕のある遊び心で演出するのも、成熟の賜物です。