妊娠中に結婚式に招待された、あるいは招待された後に妊娠がわかったという場合、出席を迷ってしまう女性は多いようです。妊娠中はつわりや貧血、そして流産といったリスクが伴いますが、体調がよければ結婚式に出席しても問題ないのでしょうか。今回は妊娠中の女性が結婚式に参加する場合の注意点について解説していきます。
妊娠中に招待されたら?結婚式に出席する際の注意点
妊娠中は結婚式に出席できる?
出席しやすい時期の目安
妊娠中に結婚式に招待された場合、まず気にするのは挙式の日程がいつなのかということでしょう。その日に妊娠何か月になっているのか、体調はどう変化していそうなのかが重要です。
一般的には、妊娠5か月(16週)から7か月(28週)は安定期とされ、流産の危険がぐっと下がる時期とされています。ただし安心していいというわけではなく、その時期になれば体調が必ずよくなるというわけではありません。体調・つわり・胎児の成長などは個人差があるため、一概にいつならば大丈夫、と言い切れる時期はないと思っていいでしょう。
なるべく避ける時期としては、不安定でつわりが起きやすい妊娠初期、いつ産気づいてもおかしくない臨月が挙げられます。大丈夫だと思っていても体調は急に変化するかもしれません。そのことを頭に入れたうえで、出席するかどうかを判断する必要があります。
どんな式場かチェック
時期以外に、どんな式場で結婚式・披露宴が行われるのかを確認しましょう。 ハワイのような海外挙式の場合には、当然さまざまなリスクが伴うためより注意が必要です。国内であっても遠方ならば移動手段は飛行機なのか新幹線なのか、前日や当日の宿泊が必要な距離なのか、近場であってもシャトルバスやタクシーの手配はしてもらえるのか、などが判断材料となります。
必ず医師に相談を
結婚式に出席したい場合は、必ず行きつけの産婦人科で医師に相談しましょう。体調が安定していて近場の結婚式であれば反対されないことが多いようですが、時期や式場の場所によっては難色を示されるかもしれません。医師や家族と相談したうえで、納得のいく答えを出すことが大切です。
妊娠中に結婚式に出席したい場合の準備
必ず新郎新婦に伝える
結婚式への出欠はあくまで自分で体調の様子を見ながら判断することになります。招待してもらったら「妊娠中であること」「出席したいがぎりぎりまで返事を待ってほしいこと」を伝えてじっくり考えましょう。
そして出席の返事をする際には、「もしかしたら体調によっては直近や当日のキャンセルになってしまうかもしれない」という旨も連絡しておきます。招待状に食材アレルギーの有無を記入する欄がある場合には、生ものやアルコールを使ったメニューを避けてほしいと添えるといいでしょう。
パーティードレスの選び方
妊娠の週数や体型によっておなかまわりの大きさは個人差があります。マタニティや授乳中の女性のためのフォーマルドレスだと、おなかを締め付けず、かつ妊婦向けのデザインで作られているため安心です。専門ショップや通信販売のほか、ドレスレンタルを利用するという方法もあります。式場はエアコンがよく効いていることが多いため、ショールやボレロなど体温調整しやすいものを選ぶと快適に過ごせます。
和装はよほど慣れている人以外は避けるのが無難です。長時間おなかを圧迫することになり、また具合が悪くなってしまった場合に簡単に緩めることができないためです。
靴
靴はドレスに合わせ、フォーマルな印象のフラットシューズを選びましょう。新しい靴だとバランスを崩しやすいこともあるため、買ったばかりの靴ではなく履きなれたものが安心です。ストラップがついているとより安定感が増します。 ストッキングはおなかを締め付けないマタニティ用パンストまたは膝上などのものがおすすめです。
家族に連絡先を伝える
結婚式を急にキャンセルしなければならなくなった場合、自分では連絡することができないケースも考えられます。夫や親など、家族に「式場の連絡先」「新郎新婦の連絡先(メールアドレス)」を伝えておき、何かあった際に対応してもらえるよう準備しておきましょう。
幹事や余興は引き受けない
お世話になった方や仲がいい人の結婚式だとしても、受付やスピーチ、余興、二次会幹事などの役割は引き受けないようにしましょう。複数人数で歌うような余興なら問題ありませんが、体調によって急にキャンセルになってしまった場合や会場で具合が悪くなった場合などに迷惑をかけてしまうことになります。
妊娠中にこういった役をお断りすることは失礼ではありませんので、依頼された場合にはお祝いの気持ちとともに、辞退したい旨を伝えましょう。
結婚式当日の注意点
交通
式場が遠方でシャトルバスなどの用意がない場合、最寄りの空港や駅からどうやって式場まで行くのか、アクセスを確認しておきましょう。近場で土地勘のある場所であっても移動に無理は禁物です。あらかじめタクシーを予約しておくとスムーズです。
近隣の病院を確認
式場近くの産婦人科はどこがあるのかを調べておきましょう。連絡先をメモしておき、式や披露宴中に体調が悪くなり回復に時間がかかりそうな場合には迷わず受診を。結婚式は休日に行われることが多いため、急患に対応している産婦人科または救急病院を探しましょう。
当日の持ち物
結婚式当日には必ず母子手帳と健康保険証を持参しましょう。何かあった際に出産予定日や受診記録を確認するため必要となります。 また体温調整のためのグッズ(カイロやブランケット、暑い日には扇子など)もあると便利です。リフレッシュ用のガムやキャンディも持っておくといいかもしれません。
ドリンク
妊娠中のアルコール摂取は厳禁。ビールやワインはもちろん、乾杯の際のシャンパンもグラスを掲げるだけでかまいません。前もってスタッフに妊娠中のため乾杯のシャンパンは不要である旨を伝えてもいいでしょう。
食事中のドリンクやソフトドリンクを選ぶことになりますが、注意したいのがノンアルコールビールやコーヒー、お茶です。ノンアルコールビールの中にはごく微量のアルコールを含むものがあります。またコーヒーやウーロン茶にはカフェインが含まれているため、摂取量には注意する必要があります。気になる場合はスタッフに銘柄などを確認しておくといいでしょう。
無理はしない
結婚式場から披露宴会場まで移動する必要があったり、披露宴中の演出で席を立ったりする場合もありますが、無理はしないようにしましょう。少し休ませてもらったり、立ちっぱなしではなく椅子を用意してもらったりと早めに申し出てスタッフに対応してもらうことが大切です。
やむを得ず欠席する場合
結婚式の日程が出産予定日と近い、あるいは安定期前でつわりや体調の不安がある、などの場合には残念ながら欠席を考える人も多いでしょう。欠席をする場合には、まずは電話でその旨を伝え、改めて招待状の返信はがきでお祝いのメッセージを添えて連絡しましょう。
では、一度出席と返信したものの、直近または当日になってキャンセルせざるをえなくなった場合はどうでしょうか。特に当日は新郎新婦は一日中忙しくなかなか携帯電話を確認することができないため、急に欠席する場合にはメールを入れたうえで式場宛てに電話連絡をしましょう。加えて、お祝いの気持ちを以下のような形であらわすのがマナーとされています。
電報・花
電報は最短で当日に送れるサービスもあります。お祝いの言葉だけでも当日に、という場合には、家族や友人にサポートしてもらいながら電報を送ってはいかがでしょうか。また花を贈るということもできます。式場近くの花屋または式場提携のフラワーショップに相談してみましょう。
ご祝儀
出席できなくなってしまった場合、後日改めてご祝儀を送るといいでしょう。金額は欠席の連絡をした時期により異なり、1~2週間前など式場で料理・引き出物のキャンセルができる時期ならば通常のご祝儀の半額程度が目安です。直近や当日のキャンセルになってしまった場合には、料理・引き出物といった費用も含まれるため、出席していた場合に包む予定だった金額を贈るようにします。