披露宴のお料理は会場選びや試食、プランナーやシェフとの相談などを通して、新郎新婦が一生懸命考えてゲストのために準備してきたもの。当日の披露宴では自分たちもそのお料理をしっかりと味わいたいものです。しかし、多くの人がふだんは食べ慣れないコース料理である上に、プログラム進行の合間をぬって食べなければならず、その上招待客からは常に注目されている新郎新婦の二人。今回は、当日落ち着いて食べることができるように、披露宴における新郎新婦のテーブルマナーのポイントについておさらいしておきましょう。
新郎新婦のための披露宴中の食事のマナーおさらい
写真提供:名古屋観光ホテル
1. 手袋は外して新婦は膝の上に、新郎はポケットに。
洋装の場合は手袋をしているので、座ったらゆっくりと手袋を外して新婦は膝の上に置き、新郎はポケットに軽く入れましょう。
2. グラスの持ち方
グラスの脚(ステム)の真ん中より少し上の部分を親指、人差し指、中指の3本の指で持ち、薬指と小指を軽く添えます。乾杯の際はグラスをあてないで目の高さにグラスを挙げます。お酒が飲めない場合は口をつけるだけに。お酒が飲める場合も一気にたくさん飲むのはNG。
3. ナプキンの使い方
折り目が手前にくるようにたたんで膝の上に置きます。立ち上がるときは、口を拭いた部分が見えないように軽くたたんで椅子の座面に置きます。
4. カトラリーの使い方
フレンチやイタリアンの場合、右側と左側のカテラリーをそれぞれ外側から使います。一般的に外側からオードブル用、スープ用、魚用、肉用となっています。食後はナイフとフォークは揃えてお皿の上に置きましょう。そうすればお皿を下げてもらえるのでテーブルの上がお皿でいっぱいになりません。
和食の場合、右利きの場合は箸に左手を添えて上げ下ろしします。まず右手で箸の中央あたりを上からつまんで持ち上げ、左手を下から添えて右手を右端にすべらすように移動し、正しい位置で持ちます。
箸置きやナイフレストがある場合は、次のお料理もそのままナイフとフォークを使うということなので、ナイフは刃を内側にして右側に置き、フォークは背を下にして左側に置きます。箸をお皿やお椀に置くのはNG、必ず箸置きに置きましょう。
5. 祝辞や余興の間は手を止めて。
祝辞や余興の時は食事の手を止めて、立ち上がるときはナイフの刃は内側に向け、ナイフとフォークを「ハ」の字に置きます。
6. 音を立てずにゆっくりと。
テーブルや衣装に料理や飲み物をこぼさないよう注意しながら、カトラリーやお皿の音ががちゃがちゃしないよう一口ずつゆっくりといただきます。
7. 披露宴中の食べるタイミング
披露宴の途中、祝辞や余興などゲストが出ているときは必ず食事を中断し、プログラムに集中しましょう。自分たちが作成した映像をゲストに見てもらう時間なら、食事を進めてOK。担当の人にお願いして口に入れやすいように小さくカットしておいてもらうといいでしょう。歓談の時間にはお酒を注ぎにきたり、写真を撮りに来たり・・・招待客が次から次へと新郎新婦の席を訪れるので、なかなか慌ただしくゆっくり食べる時間がありません。冷めたお料理がのったお皿がテーブルいっぱいになってしまったら悲しいですよね。できるだけ食べて、もしお料理がたまってしまいそうになったらナイフとフォークをそろえて「お皿を下げてください」のサインを出しましょう。
食べるタイミングのポイント
- 祝辞や余興など招待客が出ている時は食事はNG。
- 自分たちが作成した映像などをゲストに見てもらう時はOK。
- 歓談の時間も食べてOKだが、慌ただしく、ゆっくり食べる時間はない。
- 介添スタッフなどに依頼し、食べやすいように小さくカットしておいてもらう。
- ナイフとフォークをそろえて「下げて」のサインを。
実際には多くの新郎新婦が披露宴の食事はほとんど食べられず、会場によっては披露宴終了後に一部のお料理だけ控室に持ってきてもらって食べたという人や、当日は食べられないと思っていたので事前の試食会で同じメニューをしっかり味わっておいた、と割り切っている人も。結婚式で何を優先するかによりますが、「ゲストの皆さんとお料理を一緒に楽しみたい」という二人なら、演出や余興の数を抑えてメニューにこだわったり、食事会のような雰囲気の披露宴を目指してみてはいかがでしょうか。