結婚式の服装が「正装」であることは、前のコラムでも説明しました。タキシードや礼服、ブラックスーツやダークスーツで出席するのが基本なのですが、それだけではありません。もっと、男性でも工夫する余地があるのです。そのキーワードは「正装」です。
仲間と共に民族衣装もアリ?-結婚式・披露宴に呼ばれたときの男性のファッション
紋付羽織袴も立派な「正装」
日本での正装は、明治維新以降から洋装に変わりました。でも一方、祭事や能、歌舞伎、狂言、日本舞踊、落語などの伝統文化では和装が守られてきました。明治維新以来から進んだ西欧化の中でも、このような伝統文化に親しむこともしていたのです。
その伝統文化の中で正装とされてきたのが「紋付羽織袴」です。特に黒紋付羽織袴は、第一礼装とされています。また、黒以外の紋付羽織袴は略礼装として友人の結婚式やパーティなどに着ていくのに適した和装です。
今では、初詣などでもあまり見かけることがなくなってしまいましたが、日本の心である紋付羽織袴を着るというのも、選択肢の1つです。
世界各国の「正装」は民族衣装と考えると間違いない
日本古来の「正装」が紋付羽織袴だとすれば、世界各国にも独特な正装があります。それは今では民族衣装といわれるものです。
テレビや映画、またはYOUTUBEなどで世界各国の結婚式の様子をみてみると、モーニングやタキシードとは別に、国と地域で独特な衣装を身にまとった人達がいる事に気がつくでしょう。それが民族衣装です。このような民族衣装は、その国と地域の生活スタイルや習慣はもちろん、民族のアイデンティティを表す大切なものです。ですから、世界各国の「正装」は民族衣装だと考えれば、ほぼ間違いないのです。
ハワイのアロハや沖縄のかりゆし(嘉利吉)も結婚式で着れる「正装」です
民族衣装が「正装」であることの延長線上にあるのが、ハワイのアロハや沖縄のかりゆし(嘉利吉)ウェアです。どちらも、半袖開襟でカジュアルなイメージがある洋服ですが、ハワイや沖縄では礼服がわりに着用することが認められています。但し、アロハシャツは、ズボンの中に入れるシャツインスタイルが一般的であるのに対し、かりゆしは、ズボンの外に出すのが通例となっているようですので、着こなしには十分に注意してください。
何人か仲間で民族衣装などを着るのはいいかも?
このような民族衣装やアロハ、かりゆしを着て結婚式に出席するには、その理由が大切です。例えば、新郎新婦の馴れ初めがインドだったから、友人グループは、女性はサリー、男性はシェルワニやクルタパジャマを着て出席しようと話し合って着てくるようにするのです。その時は、新郎新婦とも相談して、スピーチで紹介してもらうようにして、その他の人たちから浮かないようにすることも大切です。
また、民族衣装だからといっても清潔感は大切です。きちんとクリーニングをして、アイロンをかけてしわなどもないものを着ていきましょう。そして、会場では堂々した態度で、二人を祝福してあげましょう。