結婚式は新郎新婦が結婚を誓い、ゲストの皆さまを招待してこれまでの感謝と今後のお付き合いを伝える一大セレモニー。家族や親族、友人や仕事関係など自分たちに関係するたくさんの人々から誰よりも注目される日です。しかしこの喜ばしいはずの晴れの舞台、ゲストとして出席するのは楽しいが、自分が新郎新婦とになるのは「恥ずかしい」「緊張する」「仰々しいイベントが苦手」なのでイヤだ、という人も少なくありません。事実、結婚式をしたくない(しない)理由のトップ3は、「経済的事情(23.1%)」「さずかり婚(20.6%)」「セレモニー的行為が嫌(15.5%)」※となっており、確かに恥ずかしがり屋は一定数存在するようです。
しかし、自分がイヤだからといって必ずしもしなくて済むものでもなく、結婚相手や自分の親、相手の親が望んでいるのでしょうがなくやる、という人も多い結婚式。今回はシャイな新郎新婦向けに、セレモニー要素が低めでもゲストに楽しんでもらえる、そしてできるだけ恥ずかしくない結婚式の演出アイデアをご紹介します。
「宣誓のキス」が恥ずかしい人はコレ
バージンロードをエスコートされた新婦が歩き、新郎に引き渡され結婚の宣誓をしてキス。親や友人が見守る中、目立つのが苦手、恥ずかしがり屋の新郎新婦が最も避けたいのはこの「宣誓のキス」ではないでしょうか。会場によりますが、この宣誓のキスは必ずやらなければいけないものではありません。おでこや頬にキス、頬と頬をくっつける、ハグする、握手するなど代替の方法で可能かどうか確認してみましょう。
また教会式以外の挙式スタイルを検討してみましょう。神前式の結婚の誓いは、新郎新婦が「三々九度の盃」をかわしたり、神様に向かって玉串を奉納したりと教会式ほど人々の注目を浴びません。「誓詞奏上(せいしそうじょう)」は新郎が行いますが、紙に書いてある言葉を読むのであがり症の新郎でも○。また人前式であれば、結婚宣誓書を読んでサインをし、指輪の交換をするのみで「結婚の誓い」のセレモニーが成立します。
人前に出る、注目されるのが苦手
新郎新婦だけに注目を集めず、テーブルやゲストごとにまわる演出でゲストをおもてなししましょう。キャンドルサービスやケーキカット、ファーストバイトなど新郎新婦一点に注目を集め、シャッターチャンスにもなる場面は、人前に出るのが苦手な新郎新婦にとってはハードルが高い演出です。これらの演出の代わりに、テーブルやゲストごとにまわって会話をしたり、お酌をしたり、ギフトを手渡したりして個別におもてなしをする方法にしましょう。テーブルフォトラウンドでゆっくりと写真を撮ったり、花やプチギフトをゲスト一人一人に手渡していきます。新郎新婦にとっては個別に結婚相手を紹介し、これまでの感謝を述べたり、友人とリラックスした会話を楽しむことができる一方、ゲストにとっても遠くにいる新郎新婦を眺めているよりも、近くで新郎新婦に会うことができてうれしい演出になります。
親への感謝はどう伝えるか
新郎新婦にとってだけではなく、それまで育ててきた親にとって大きな節目になるのが結婚式です。この機会に親へ今まで育ててくれた親に感謝を伝える手紙を読む、、とくに「新婦の手紙」は結婚式の定番の演出の一つですが、大勢の人の前で親への気持ちや感謝を伝えるのは恥ずかしいという人もいますし、親の方も「恥ずかしいのでやらなくていい」という人もいます。その場合は親への感謝の手紙は人前で読むのではなく、個人的に渡して伝えればいいでしょう。しかし、結婚式で親にお礼を述べる演出をすることになったら、司会やほかの人に代読してもらう、親へプレゼントを渡す「贈呈式」にしてプレゼントの中に手紙を入れ、親にはあとで家に帰ってからゆっくり読んでもらう、という方法もあります。
両家食事会か親族のみの少人数制結婚式にする
そもそもたくさんの人々を招待して大々的なセレモニーをしたくない、しなくてもいい、ということであれば両家の家族だけで集まって食事会を開く、あるいは親族のみを招待して10人~30人程度の少人数制の結婚式はいかがでしょうか。食事会や少人数制結婚式であれば、新郎新婦とゲストの目線がフラットになるので、「新郎新婦が高砂に座って招待客から注目され続ける」というプレッシャーからは解放されることでしょう。「ゆっくり食事をして周囲の人と歓談する」ことを中心にすれば、余興や大々的な演出は必要なく、時間的、精神的負担を少なくすることができます。お料理が美味しく、サービスの良い会場を選べばゲストの心に残る素敵一日になるでしょう。