このサイト「Pridal TIMES」は、結婚式にまつわる情報を発信するサイトですが、実は結婚式をしないカップルが増えているという事実があります。「ナシ婚」という言葉まであり、2005年の調査では、全国で結婚した総数が71万組に対して結婚式は35万件となんと約半数が結婚式をあげていないのです。
不二家ファミリー文化研究所が行った全国の20代~60代の既婚女性176名への調査によると、1980年代結婚した方はほとんどが結婚式を挙げたと回答しています。しかし、1990年代を境に「ナシ婚」化は急激に進んでおり、今後もさらにその割合が高まるかもしれません。
一般的にいわれる結婚式を行わない3大理由とは?
何故多くの人が結婚式を行わないか、主に3つ理由があります。
1. 経済的理由
一般的な結婚式の費用は、だいたい200万円~300万円が平均です。「費用対効果的にここまでの金額は出す意義を感じない」「現実的にそんな経済力はない」というのが第一にあるようです。バブル崩壊が起こったのは、1991年。いったん上がるだけ上がって下がり、停滞し続けている日本経済が「ナシ婚」はもちろん、国民の結婚観に影響していることは間違えなさそうですね。バブル期の好景気が結婚式を派手なお金がかかりすぎるものにしてしまったことへの反動も大きいのではないでしょうか。
2. 妊娠しているため
平成21年度の厚生労働省の調査では、授かり婚(できちゃった婚、という言い方は避けて、おめでた婚、マタニティ婚、とも言われるようです。)は結婚したカップルの約4分の1。結婚式場でも妊娠中のプラン、子連れプランなどが充実してきていますが、やはり準備不足もありますし、何かと身重では大変ということで断念する方も多いようです。
3. セレモニー、自分が主役というのが苦手
結婚式は新郎新婦2人のためのセレモニー。この日ばかりは注目の的です。それが照れくさい、緊張してしまいそうで嫌という方も多いようです。
多くが結婚式をあげた1980年代までのカップルと、現代のカップルの違いとは?
確かに経済的な理由は大きいと思いますし、さずかり婚での結婚式はなにかと大変でしょう。しかし、本当に経済力とさずかり婚が結婚式をしない本当の理由でしょうか?たとえば私の親が結婚したのは1960年代後半ですが、私の父は経済的に余裕があるどころか、当時借金があったというし、やはり友人の両親も結婚指輪も買えなかったとのこと。しかし、結婚式はどちらもあげています。
今よりは少ないかもしれませんが、恋愛結婚が当たり前となった時代では、今のように大っぴらにしないだけでもさずかり婚もある程度はあったはずです。しかし、多くのカップルは結婚式をあげているのです。
それは、結婚式は家族、親せき、知人などに結婚を報告するための絶対必要なセレモニーで、やるのが当たり前、やらないのは非常識ととらえていたからではないでしょうか。若くてまだ十分自立しきれていないからこその周囲への挨拶であったし、授かり婚だからこそ逆に筋を通すために必要だったし、ましてや恥ずかしいなど理由にはならないでしょう。
結婚式に対する考え方、家族観が現代の20代~30代とは大きく異なっていたのではないかと思えます。
結婚式はしなくても、「お願いします!」は伝えよう
結婚式の是非はそれぞれ事情がありますから本人たちにゆだねられるものです。しかし、1980年代以前の若者たちが持っていた結婚するにあたって周囲に「お願いします!」という気持ちをきちんと伝えることはいつの時代でも大切なことではないでしょうか。
結婚式はしなくても、その点は忘れないでいたいものです。
参考