結婚式の契約には通常、仮予約期間の後に本契約があり、いくつか比べる際にも式を挙げる時期が重要です。また、キャンセル料の設定など会場ごとに違いがありわかりにくいところもあります。結婚式は多くの人にとって一生一度の高額な買い物です。契約する際には慎重になる姿勢も大切。契約までに注意するポイントを、いくつか押さえておきましょう。
結婚式場との「契約」―気を付けたいポイントと、交渉のコツ
1. 結婚式場との契約
結婚式を挙げることが決まったら、会場選びが始まります。気になる式場のフェアや下見などをしましょう。気に入ったところが見つかったら、仮押さえ(仮予約)をしてから申し込みという流れが一般的です。フェアなどでいくつかの式場の仮押さえをした場合は、仮予約から本契約までの期間が決められていることが多いのでうっかりしないように注意が必要です。本契約はいつしないといけないのか、仮予約時にしっかり確認しましょう。人気が高い式場では日時が埋まってしまうので、早めに仮契約をして希望の日程を抑える人もいるようです。
契約のスケジュール
【下見】フェアなどで式場を見学(気になるところを3、4か所)
↓
【仮予約】特に気になるところを2か所ほど仮予約しておく
↓
<5~3か月前>
【本契約】契約書の締結、内金の支払い、本契約しない他の会場の仮予約を解除する
↓
3回ほど打合せ
↓
結婚式当日
2. 支払いのタイミングも契約次第
契約後のスケジュールで気がかりなのは、支払のタイミングです。タイミングは式場によって違い、3パターンがあります。
1. 前払い...式場にとっては最も安心な方法。新郎新婦も当日は支払いを気にせず、ゆっくり楽しめます。一か月~一週間前までの支払いに設定されることが多いようです。正確な支払期日を確認しましょう。
2. 当日払い...最近人気の、当日の追加料金も含めて当日支払うパターン。ご祝儀を費用に充てるために、開封作業などでバタバタとする可能性はあります。
3. 後払い...式場にとっては、リスクの高い支払方法となり、あまり採用されていません。支払いをなるべく後回しにしたい場合、クレジットカードでの決済や、ブライダルローンによる支払いが可能な会場もありますので、確認してみましょう。
支払いのタイミングについては、結婚式の契約ではっきり記載されます。万が一記載されていなかったら、式場に必ず確認しましょう。当初「支払える」と思っていても、甘い算段だと追加料金などで金額は膨らみ、後々苦しいことに…。支払いタイミングは、結婚式費用の計画において重要なポイントなのでしっかり交渉・確認しましょう。
また契約後に、支払いタイミングは変更できるものと安易に考えていると、プランナーや式場側との関係が微妙なことになってしまうかも。当日を気持ちよく迎えるために、初めにしっかり確認して計画的に考えておきたいポイントです。
3. キャンセル料金には気を付けよう
気を付けたいのが、キャンセル料が発生するタイミングです。結婚式場では申し込みが本契約となり、それ以降はキャンセル料が発生します。申し込みの際に、契約書をよく読みましょう。一緒に読み合わせをしてくれるプランナーがいる会場は特に信頼できます。高額な契約になるため、万一結婚式をずらさなくてはならない場合に備えて、キャンセル料の確認は必ずしましょう。
本契約の際には、通常内金として、5~20万円ほど支払います。このお金は清算時に支払済分として合計から差し引かれることになります。また、内金はキャンセルした際に返金されないケースも見られます。こうしたことも契約書に書いてあるので確認しましょう。クレジットカードが使えるか、現金を用意するか事前に確認しておくのも大切です。
4. クーリングオフが使えない
結婚式は新郎新婦がフェアなどに出向いて選びます。そのため、クーリングオフ制度が適応されないものとされています。そのため、気軽にキャンセルはできません。
自己都合で式場を変える場合は、すでに払った内金は戻らず、契約によってはキャンセル料も発生します。悪質な業者だった場合は、消費者センターに相談するなどの手段がありますが、返金につながるとは限りませんし、手間もかかってしまいます。結婚式場との契約は慎重に行うように心がけましょう。
クーリングオフ制度が使える場面
- 訪問販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引
- 特定継続的役務提供
- 業務提供誘引販売取引
- 訪問購入
5. 見積もりを出してもらうタイミングと要チェックポイント
フェアに行くと、営業担当のプランナーがお得な内容のざっくりしたプランを提示してくることがあります。式場側も、契約が取りたいので目を引く見積もり金額が出るのも当然と言えば当然のことでしょう。しかし、実際に行いたい結婚式の内容ができる見積もりなのかを冷静に検討することが大切です。
契約を結ぶ前に確認しておきたいのは本番に近い見積もりです。パッケージプランの見積もりや、ネット上で見られる見積もりは最もシンプルなものであることが多く、それぞれの細かい希望を叶えるためには、パッケージプランにアレンジやオプションを加えていくことになり、見積金額はどんどん上乗せされていきます。つまり、本契約までの間に希望はできるだけ出しておき、詳細な見積もりを算出してもらうことが大切です。
ところで見積もりにもっとも影響するのは招待客の人数です。招きたいゲスト数はある程度決めておかないと、見積もりに反映できません。まずは人数をおおよそ確定してからフェアや見学に行くとよいでしょう。
フェアで見た最低プランの見積もりから、希望を盛り込んでいくと金額がどんどん上がってしまうなんてことはよくあります。特に大きく金額を上げるのが「お色直し」「料理のグレードアップ」「会場装花」です。あらかじめプランにどれくらいの内容が盛り込まれるのか、また、追加料金の入った見積書を出してもらうとよいでしょう。できればフェアから時間をおいて、他の気になる式場の見積もりと、同じ条件で出してもらえるといいですね。本番に近い条件の見積もりを見比べてから、仮契約するのもいいでしょう。
6. 値引き交渉のコツー交渉は契約前に
「おめでたい結婚式では、値引き交渉がしにくい」という意見もありますが、満足いく結婚式を少しでも安くできると嬉しいですね。値引き交渉をするなら、仮押さえから本契約の間にしましょう。本契約後は細かな追加料金について交渉する余地はあるかもしれませんがプラン変更や値引きは難しいでしょう。営業のプランナーも顧客獲得が売上目標やノルマになっていることもあり、契約してくれそうな仮押さえ中のカップルとは交渉に応じてくれる可能性があります。月の売上目標にシビアな結婚式場や業者であれば、月末近くには値引きの可能性も高まるかも。また、結婚式の少ない真夏や真冬のオフシーズン、夜や仏滅などのウェディングなら大幅値引きが可能になることもあります。交渉の際に、他の式場と迷っているという話をするのも高ポイントで、値引きにつながるかもしれません。あまりお金の話ばかりして、プランナーとの関係が悪くなるのは避けたいのですが、この期間にしっかり詰めて置けば、後々もやもやすることもないでしょう。
7. その他ブライダル関係の契約について
結婚式場との契約以外に、貸衣装が提携店の場合はそちらとの契約内容も確認する必要があります。何日の何時から何時まで借りられるといった、細かなことで料金が変わってきます。汚してしまった場合の補償内容なども確認しましょう。
他にも、カメラマンとの契約を別途している場合などは注意が必要です。当日来られなくなった場合に変わりの人材の用意や、式場との打ち合わせのための料金なども確認します。
また、営業担当のプランナーと、式担当のプランナーが違うこともあります。式場と契約する前にプランナーや担当者の変更があるか、各担当者の役割分担がどうなっているか、聞いてみましょう。
まとめ
大きな金額が動く結婚式の契約において、特にキャンセル料は注意が必要です。いつからどれくらいかかるのかをしっかり確認して臨みましょう。追加料金が多くなりすぎないように本番に近い見積もりを出してもらうことも必要ですね。
結婚式は人が作り上げるものです。その中ではミスや行き違いも起こるので、万一そうなっても大丈夫なように契約をしていけると安心ですね。契約内容を確認することは、自分たちの結婚式をよくするために欠かせないことだと言えます。契約やお金に関する疑問点は、小さなことでもうやむやにせず、必ず「本契約までに」しっかり式場に確認し明らかにしておきましょう。