1. 結婚に関する様々な費用項目とその内訳

結婚するにあたっては、結婚式・披露宴だけでなくさまざまな出費が伴います。どういった出費イベント・項目が有り、どのような費用が発生するのか、ここではそれぞれのイベントのおおよその平均と様々な項目の参考額をまとめてみました。結婚式だけではなく、婚約~結婚後の新生活までを視野に入れて全体的に予算配分を考えましょう。

婚約(全体費用の平均:約50万円)

顔合わせの食事会 5~10万円
1人あたり1万円程度。 料亭、レストラン、ホテルなどの個室で行うことが多い。
婚約記念品(結納式を行う場合) 30万円
婚約指輪
腕時計など 10~20万円
結納式、食事・祝宴の会場費 15万円
結納式は女性の実家、料亭、ホテル、祝宴は 料亭やホテルで行う人が多い。結納パックプランもあり。
結納金 90万円

結婚式・披露宴(全体費用の平均:約200~350万円)

挙式料
キリスト教式→ 25万円
人前式→ 15万円
神前式→ 20万円
会場料(基本パックプランの場合) 100~200万円
料理(1人あたり) 1万~1万5千円
飲み物(1人あたり) 4千円
フリードリンク制か個別注文で異なる場合がある。
新婦の衣裳 40万円
1着20万円程度、お色直し1回、2着選ぶ人が多い。
新郎の衣裳 10万円
ほとんどの人がレンタルで用意。ほとんどの人がレンタルで用意。
ブライダルエステ 2~6万円
2~6万円かける人がもっとも多い。
プロの司会者 5~8万円
経験や日取りによって異なる。
映像演出の総額 7万円
ギフト(1人あたり) 6千円
引き出物+引き菓子
ブーケ(1個あたり) 3万円
装花 3万円
招待状製作費用(1部あたり) 450円
席札(1部あたり) 200円
席次表(1部あたり) 400円
プロフィールパンフレット(1部あたり) 300円
ウエルカムボード 1~2万円
写真撮影 20万円
ビデオ撮影 15万円
式場以外にもかかる費用に注意!(→5章でも詳しく紹介)

結婚式・披露宴を行う場合は式場に支払う以外にも様々な費用がかかります。たとえば下記のような内容が必要になります。式場から提示された見積もり以外にも予算に入れて計画しましょう。

  • 式場への交通費(打合せなどの交通費も含む)
  • 遠方の出席者の交通費や宿泊費
  • 会場スタッフへの心づけ(会場責任者5,000円、会場スタッフ各1,000円、その他3,000円程度)
  • 主賓へのお車代やお礼(1万円程度)
  • 受付や余興などをお願いした友人や招待客へのお礼(乾杯の音頭やスピーチは3,000円~1万円程度、受付や会計は3,000円程度)

後述の5章でも詳しく紹介しています。ご参考ください。

新婚旅行(ハネムーン)(全体費用の平均:約60~70万円)

旅行費(2人分) 50~60万円
おみやげ 12万円

新生活(全体費用の平均:約50~100万円)

結婚通知状 1万2000円
内祝い(1人あたり) 8000円
家具・家電 60万円
新居 50万円
引越し 5万円
記事

2. 結婚式・披露宴の見積もりをもらうときのポイント

もっとも出費規模が大きいのはやはり結婚式と披露宴。結婚式・披露宴の見積もりは「結婚式場に支払うお金の明細書」で、料理、飲物、衣裳、引き出物などの項目があります。最初に会場担当者に複数の希望日、見積もりの大小にもっとも関わる招待客数(少し多めに)、大まかな予算を伝えて必ず複数の会場で見積もり(仮見積り)を出してもらいましょう。下記に、見積もりを依頼する際に気をつけておくべきポイントをまとめました。

見積り依頼のチェックポイント

  • 会場を比較する場合は、招待客の数や料理のレベル、ドレスのランクは同じにしておくと比較しやすい。
  • パックプランがある場合は、プランと個別見積もりの両方を出してもらう。
  • 希望の会場が決まったら、大まかな見積もり→要望を取り入れた見積もり→最終的な支払額確定と、少なくとも3回見積もりを出してもらう。
  • 料理やドレス、引き出物など複数のランクがある項目は、最初は最低限の見積もりになっていることが多いので、二人の要望がきちんと入っているか、追加料金が要るのかどうか、細かく確認。
  • 盛り込みたい項目の希望は最大限に初期見積もりに入れてもらい、自分たちの希望がきちんと含まれているかどうかチェックした上で削れる部分を削っていくとよい。
  • 結婚式当日の「フリードリンク」の範囲外の飲み物の注文や、親戚に配るための親族の集合写真を焼き増し代など、事前の見積もりには含まれていなくても後日清算が必要になる項目について確認しておく。

式場への交通費、遠方の出席者の交通費や宿泊費、会場スタッフや心づけや係を引き受けてくれた友人・知人へのお礼など見積もりには含まれないお金も見落とさずに予算に含めるようにしましょう。

3. 結婚式・披露宴の見積もりの例

個々では仮に、総人数を80人として見積もりの一般的な例を示してみました。

人数80名の場合

式料(キリスト教式/神道式) 15万円
フラワーシャワーなどの演出は追加料金になることが多い。 ・キリスト教式、神道式など選べる場合は金額の違いについても要チェック。
披露宴会場使用料 10万円
親族・来賓控室室料(両家) 4万円
控室はいくつ使えるのかも要チェック。
音響照明使用料 3万円
スクリーンやプロジェクターなども含まれるか要チェック。
新婦介添え・アテンド(挙式・披露宴) 1万5千円
料理(1万5千円×80人) 120万円
グレードやランクを要チェック。 ・飲食費には別途サービス料10%がかかることが多い
ドリンク(3,500円×80人) 28万円
グレードやランクを要チェック。 ・乾杯用のシャンパンは追加料金の場合が多い
生ケーキ 6万円
会場装花 10万円
グレードやランク、花材を要チェック。
メインテーブル、ゲストテーブル、ウェディングケーキ、など使用場所も要チェック。
ペーパーアイテム 10万円
招待状、筆耕料、切手代、メニュー、席札、芳名帳など、具体的に細かくチェック
新郎新婦衣裳(洋装×新郎新婦各2セット) 50万円
グレードやランクを要チェック。 ・靴や宝飾品、下着などの小物は何が含まれているのか要チェック。
新郎新婦美容・着付け・引き上げ料 10万円
お色直しの分の美容・着付け代は要チェック。
ヘアメイクリハーサル 2万円
列席者衣裳・着付け 10万円
ブーケ 4万円
引出物・引き菓子(4,500円×70<世帯数>) 31万5千円
紙袋(300円×70<世帯数>) 2万1千円
スナップ写真 10万円
枚数は何枚か、受取方法や追加料金も要チェック。
記念写真 15万円
新郎新婦記念写真、集合写真、焼き増し料など細かい内容は要チェック。
司会者 8万円
音響・照明料 2万5千円

4. 結婚式・披露宴の見積もりのチェックポイントと費用を抑えるコツ

「あれもこれも」ではなく「本当に重要なものだけ」に絞ると、予算も抑えつつ、質の高い結婚式にすることができます。料理、衣裳、結婚式のスタイルなど何を最も大事にしたいか新郎新婦の意見をまとめておきましょう。結婚式のスタイルも必ずしも「挙式&披露宴」だけではなく、ゲストを現在付き合いのある人のみにした少人数の式や「挙式&食事会」「写真撮影と親しい人との食事会」といった方法もあります。
結婚式の見積もりは、ブライダルフェアや会場見学から最終決定まで最低3回は出してもらいますが、8割以上の人が当初の見積もりよりも最終的な合計額がオーバーしたといっています。なぜなら結婚式場で最初に出してくれる見積もりは、基本料金=最低限のアイテムのみであることが多いので、お料理や衣裳のランクアップや装飾の追加などで大幅に増加していくからです。
次の点に注意して、コストを抑えつつも納得のいく素敵な結婚式を目指しましょう。

日程

春や秋などのブライダルシーズンに比べ、夏や冬など人気のない季節には、式場や会場が安くなる場合も多く、格安プランが用意されている所もあります。六輝(六曜)にこだわりがないのであれば、「大安」以外の日は会場費が安く設定されていることも多いのであえて「仏滅」を選ぶことでさらに費用を抑えられます。
また、「夜」の時間帯も狙い目。ナイトウェディングと称して、平日の夜などに通常より安いプランを提供しているホテルや式場も多くあります。

CHECKポイント
  • 「大安」以外の日を選ぶ。
  • 平日夜のナイトプランも検討する。

料理

見積もりでは最低ランクで出されているかもしれないお料理のグレード。お料理はゲストも楽しみにしているので「おもてなし」という観点からもついランクアップしてしまいますが、コース自体は中くらいのグレードだがメイン料理だけグレードUPすることも可能です。ドリンクはゲストの顔ぶれを考え、アルコールを飲む人がどれだけいるかによって変わってきます。「フリードリンク」制の場合、「ソフトドリンク+ビール」なのか「すべてのドリンクがフリー」なのかなど、どのようなグレードでどのような種類があるのかを確認しておきましょう。
ゲストが「フリードリンク」の範囲外の飲み物を注文した場合は後日請求されます。また飲食の項目には10%のサービス料が加算されますが、飲食にかかる金額が100万円ならサービス料は10万円なので決して小さい額ではありません。

CHECKポイント
  • お料理のグレードは?
  • ドリンクの種類は?
  • 乾杯用ドリンクやウェルカムドリンクは含まれているか?

披露宴の演出

フラワーシャワー、キャンドルサービス、ケーキカット、バルーンリリース、生演奏など素敵な演出はたくさんありますが、一つ一つの演出に演出料や使用料などがかかります。メリハリのある披露宴のプログラム進行のためにも本当にやりたい演出に絞ってプランを立ててみましょう。

衣裳・ヘアメイク

プランに衣裳が含まれている場合、どのグレードやランクなのか、着たい衣裳が含まれているか確認します。持ち込み料によっては外部のショップでレンタルしたり、購入した衣裳の持ち込みを検討しても。ウェディングドレスのランクアップや、ヘアメイクリハーサル、新郎&新婦の着付け料、お色直し時のヘアチェンジ、ティアラなど小物のレンタルに費用がかかります。 結婚式が終わった後に通常のメイクや髪型に直してくれる「お引き上げ料」は、ほとんどの場合別途費用がかかります。
両親や姉妹、ゲストの貸衣裳や着付け、ヘアメイクの費用は後日清算になります。また、結婚式の当日に新婦の横で椅子を引いたり新婦を一日サポートしてくれる介添人の費用も必要です。

CHECKポイント
  • 和装か洋装か、お色直しはするか?衣裳のランクは?
  • ティアラやアクセサリーは含まれているか?
  • 新郎新婦以外に衣裳を借りたりヘアメイクする親族やゲストはどれくらいいそうか?

装花

当初の見積もりに入っている装花はメインテーブルやゲストテーブルのみの見積もりが多く、ブーケやブートニア(お色直しするなら複数必要)、両親への花束、ブーケトス用ブーケ、フラワーシャワー、受付テーブル、ケーキやケーキカット用ナイフ、マイクやキャンドルの装花など費用がアップしがちです。花の種類にこだわりすぎず旬の花を使う、ことで費用をおさえられますし、通販サイトでは1万円以内のブーケも多く、持ち込み料を考慮してもそのほうが安く上がる場合もあります。工夫してみましょう。

CHECKポイント
  • テーブルや椅子の装飾はゲストの人数によって大きく変わるので多めの人数で見積もりをもらっておく。
  • 本当にやりたい演出かどうか?
  • どんな花を使いたいか?花の種類によって金額が大きく変る。

ペーパーアイテム・引き出物

できそうなものは自分たちでつくったり、ネットを通じて外注して持ち込むようにすれば、かなりの経費削減になります。招待状や席次表、席札、料理のメニューなどのペーパーアイテムは持ち込み料を取らない会場が多いようです。 引き出物や引菓子は会場が提携しているショップ以外でもデパートやギフト店などで数多く取り扱っているので持ち込み料を確認した上で気に入った商品を選んでもいいでしょう。

写真や動画

動画は結婚式場で頼むと一本につき3~4万円かかるのが一般的ですが、自分たちで作ることも十分可能です。その際、持ち込みのDVDなどを流す場合には「プロジェクター使用料」を取られることがあります。写真は基本料金として集合写真や新郎新婦の記念撮影は含まれていますが、多くの人が結婚報告状や年賀状に使いたい写真のデータは別途料金が必要になることがほとんどです。スナップ写真の焼き増し分は写真データを購入し、別途ネット等で注文するとコストを抑えられます。

記事

5. 見積もり「以外」にかかるこんなお金

日取りと会場が決まり、自分たちの希望も盛り込んで2~3回目の見積もりを出してもらうと結婚式にかかるお金の目安をつけることができます。しかし「見積もり」は結婚式にかかるお金のすべてではなく、以下のような見積もりに含まれないお金も必要です。

式場への交通費

新郎新婦は打ち合わせやメイクリハーサル、衣裳合わせなどのために何度も行くことになるので交通費×回数分がかかります。披露宴の料理の試食や貸衣裳の衣裳合わせなどがあれば親や兄弟姉妹も会場を訪れる機会があり、交通費は新郎新婦が負担するということもあるかもしれません。

遠方の出席者の交通費や宿泊費

媒酌人や主賓の交通費や宿泊費は、基本的には新郎新婦が全額負担します。また、以前に自分が遠方から出席した際に交通費や宿泊費の配慮をしてくれた人にも、相手がしてくれた配慮と同じように、交通費を負担してもらったなら交通費を、宿泊費を負担してもらったなら宿泊費を、両方負担してもらったなら両方を、と同等の配慮をします。 遠方の親せき・友人については、交通費と宿泊費を全額負担する場合と、交通費または宿泊費のどちらかを負担する場合があります。親せき分は親が負担することもあります。遠方からの出席者が多く、「お車代」や「宿泊代」を負担する場合は各数万円ずつかかり合計すると大きい金額になるので、見落としがないよう早い段階で予算に含めましょう。

会場スタッフへの心づけ

会場スタッフへの心づけは会場によって不要なところやサービス料に含まれているところも多いので担当者に確認が必要ですが、会場責任者やスタッフ、ヘアメイクや着付け、介添え係、司会者やハイヤーの運転手などに心づけを渡すことがあります。相場は会場責任者5,000円、会場スタッフ各1,000円、その他3,000円程度です。

主賓や受付、余興などをお願いした友人・招待客へのお車代やお礼

また、ゲストの中でも主賓には1万円、乾杯の音頭やスピーチをお願いした人には3,000円~1万円程度、受付や会計などをしてくれた友人や知人にも3,000円程度のお礼を包みます。

その他

結婚式当日の「フリードリンク」の範囲外の飲み物を注文した場合や、親戚に配るための親族の集合写真を焼き増し代など事前の見積もりには含まれていなくても後日清算が必要になる項目もあります。一つ一つは少額でも合計すると大きな金額になる場合もあるので、「予備費」は必ず用意しておきましょう。