滝川クリステルと小泉進次郎のアラフォー同士の結婚や、交際期間10年を経た速水もこみちと平山あやの結婚、新川優愛のロケバスドライバーとの結婚など、連日有名人の結婚のニュースが日本を駆けめぐった夏でしたが、日本全体で、結婚に関する人々の動向はどのようになっているでしょうか。2018年の前回記事にならって、国勢調査や人口動態調査、出生動向基本調査などの統計データをもとに、未婚、既婚、初婚、再婚をキーワードに現代日本の結婚についてまとめました。

年齢別未婚率と有配偶率

まず国勢調査から、年代別に未婚率と有配偶率のデータを見てみましょう。 国勢調査は5年に1度なので、昨年記事と同様の2015年の数字ですが、改めて読み込んでみます。

未婚率とは、人口に対する「今まで結婚した経験がない」人の割合なので、「離別」(一度結婚したが離婚して今は結婚していない人)や「死別」(配偶者と死別してその後結婚はしていない人)の人は含みません。有配偶率とは、「現在結婚して配偶者がいる人」の割合のことで、こちらも同様に「離別」や「死別」により現在結婚していない人は含まれません。

まわりで結婚する人が増える20代後半

年齢別に見てみると20代後半は、女性は未婚率が61.3%、有配偶率が36.3%で、3人に1人程度が結婚している様子がわかります。一方男性は未婚率が72.7%、有配偶率が26.3%で結婚している人は4人に1人程度となり女性に比べ少し出足は遅めです。いずれにしても20代後半は仲間内でも一人、二人と結婚していく人が増えていき、結婚式に呼ばれる機会も多くなる時期ですね。

まだ離婚はしていない30代前半

30代前半では有配偶率は、女性が60.9%、男性が50.8%です。女性は20代後半とちょうど逆となり、3人に2人が結婚していて、3人に1人が未婚となっています。男性は、結婚したことがない人と妻がいる人の割合が半々になります。30代前半くらいの世代は、「誰が結婚している、していない」が最もはっきりとわかっている頃かもしれません。というのは、それ以降の歳になると離婚も増えてくるからです。

30代後半になると有配偶率は、女性が69.7%、男性が61.7%となり。結婚している状況の人はますます増えますが、年齢を経るにつれ今度は離婚や死別で独身に戻ってそのまま再婚しないままの人もいるため、既婚、未婚、バツイチなどさまざまな状況の人が混在してくる時期でもあります。

離婚後も独身というケースが目立ってくる50代

50代前半女性の有配偶率を見ると、約75%となっておりこれは裏返せば25%が独身という意味です。しかし未婚率は約12%なので、離婚や死別をして再婚しないままの人が13%程度いると考えられます。

また男性も、50代前半では有配偶率が約72%であることから約28%が独身だとわかりますが、未婚率は約21%であり、7%程度の人が離婚や死別した後そのまま独身でい続けていることがわかります。

このように50代は男女ともに4人に1人以上が独身となっています。さらにこの調査の段階で50代の人々よりも下の世代では未婚化は進んでいます。また、今後この先も寿命が延びていけば、たとえ結婚していても配偶者と死別し、その結果として「おひとりさま」になる人もさらに増えていきます。「家族」よりも「一人」を単位とした公的サービスの拡充が求められるでしょうし、もっと多様な消費の仕方、ライフスタイルが増えてくるでしょう。

女性だらけになる80代

男性の有配偶率は60代後半に入ると8割以上と高くなっていきます。これはこの世代は「皆婚社会」と言われ、文字通り皆が結婚する世代だったからです。

一方女性の有配偶率は60代前半がピークで夫のいる人の割合は、65才を過ぎるとどんどん低くなっていきます。70代後半で配偶者のいる人は約半数になり、最終的には6割以上の女性が一人で80代を迎え、周りは女性だらけになります。これは女性の平均寿命が長く、夫が先立ってしまうからです。以下のように高齢になるにつれて配偶者との「死別」の割合の男女差が大きくなっています。今現在も女性の平均寿命は長くなり続けています。高齢の女性同士が助け合い、元気に暮らせるしくみや繋がりがより必要になってくるでしょう。

50歳時の未婚割合が意味するもの

50歳時の未婚割合は生涯未婚率とも呼ばれ、少子化の議論などにおいて注目される指標となっています。少子化の直接的な要因は、未婚化、晩産化、夫婦の平均出生児数(完結出生児数)の減少の3つと言われていますが、そのうち未婚化の一つの目安となるのが「50歳時未婚割合」です。少子化は夫婦がもつ子供の数が減っていることよりも、結婚しない人が増えていることにより大きく起因し、そしてもちろん50歳以降の初婚もありますが、結婚する人の割合・実数は50歳を過ぎたあたりで非常に小さくなります。それゆえこの時点の未婚率が少子化の背景を映し出すのです。

「平成30年(2018年)版 少子化社会対策白書」では国勢調査に基づいて、50歳時の未婚率を経年変化で示しています(下記グラフ)。1985年頃までは男女どちらも低くかつ女性のほうが少し高いという状況ですが、1990年で男女反転します。その後は2015年まで一貫して男女どちらも上昇していますが、特に男性の未婚率の上昇が著しいことがわかります。さらに2020年頃までは上昇が続き、その後次第に緩やかな上昇、または横ばいになっていくと予想されています。50歳時の未婚率が上昇、高止まりしている限り、少子化の傾向は変わらないとも読み取れます。

人口に占める男女比はほぼ確かに男性の方が少し多いのですが、男性の未婚率が女性の未婚率よりもこれだけ圧倒的に高くなっているのも不思議ですね。これは、「男性初婚と女性再婚」の結婚よりも、「男性再婚と女性初婚」の結婚が多いことを意味しています(次章「初婚と再婚の割合」の人口動態調査参照)。この背景には、子連れ再婚の難しさをあげる説があります(※1)。離婚があり子どももいる場合、8割のケースで母親の親権となります。離婚して子どもと離れて暮らす男性より、離婚して子どもと暮らす女性(シングルマザー)のほうが再婚することが難しいのではないか、というものです。

また、「バツあり男性が離婚再婚を繰り返すこと」を荒川 和久氏は「時間差一夫多妻」制と呼んでいます。

(※1)読売新聞/「生涯未婚率」男性が圧倒的に高いワケ
(※2)「未婚男が割を食う「バツあり男」の再婚事情」

初婚よりも再婚が多くなる40代後半 ―初婚と再婚の割合

「3組に1組は離婚する」といわれ離婚率は年々高くなっている一方で、全婚姻に占める再婚の割合は少しずつ増えています。2017年の人口動態調査によると婚姻件数の総数606,866組のうち夫婦ともまたは夫か妻どちらかが再婚の件数は161,243組で約27%を占め、4組に1組以上が再婚となっています。内訳は以下の通りです。

年代別で見てみると、男女ともに40代後半になると再婚の割合が初婚の割合より高くなり、結婚、離婚の経験がある人が2回目、3回目の結婚をしていくようになります。女性は男性と比べると初婚、再婚ともに40代に入ると婚姻数自体が激減していきます。

いっそう進む晩婚化 ー晩婚化の実態

平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.4歳と調査がはじまった1987年以降上昇し続け、「晩婚化」は進んでいるといえます。

未婚化、晩婚化の理由として、第15回出生動向基本調査では「適当な相手がいない」という回答最も多い理由として挙げられています(※3)。男女ともに9割近い人がいずれ結婚しようと思っているが、そもそも未婚男性の約3人に1人、未婚女性の4人に1人が異性との交際を望んでいないのです。恋愛結婚が主流である現代の日本において、交際相手がいなければ結婚にいたることはかなり難しくなります。この交際や結婚に対する意欲の低さはどこから来ているのでしょうか。

前田正子氏は、未婚化、晩婚化、少子化の社会的な要因として、2000年代前半の就職氷河期に学卒時を迎えた現在の40代の非正規雇用の比率が高いこと、その世代で経済的に親に依存している人が多いこと、その結果「ロストジェネレーション」たちが未婚化し、起きるはずだった第3次ベビーブームが起きなかったことを挙げています。

好きな人と出会い、一緒に暮らしたいと思う相手が現れてこそ結婚につながるものの、そもそも収入が低く雇用が安定しない人は、交際や結婚に対しても意欲を持てず男女ともに結婚しにくい。結婚への意欲をもつには、雇用の安定によって収入を確保し、将来的な見通しが立てられることが必要であり、そのような就労支援や貧困対策が立てられなければ今後結婚、出産は恵まれたものだけが手にできる「ぜいたく品」になってしまう、と述べています。

(※3)第15回出生動向基本調査「第Ⅰ部 独身者調査の結果概要:2.異性との交際」より

既婚者が結婚相手と出会った場所と年齢

では、交際相手と出会い、交際を経て結婚までいたった夫婦はいつ、どこで出会っているのでしょうか。2015年の第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)の夫婦調査から結婚相手と出会った年齢と場所をまとめました。

調査の結果を見てみると、「20~25歳で出会い、4年ほど交際したのちに29~30歳で結婚する」いうケースが最も多くなっています。出会いのきっかけのうち最も多いのは「友人・兄弟姉妹を通じて」で、友人の紹介や飲み会などを通じて出会っているようです。次いで「職場や仕事で」「学校で」が続き、身近なところで出会って、結果的に長い時間を一緒に過ごした人と結婚したケースが全体の約7割を占めます。

ところでこの「夫婦調査」の対象は、夫妻が初婚どうしの夫婦のうち、妻が50歳未満の夫婦となっている上に、夫妻が結婚相手と出会った年齢の設問では35歳までしか回答の選択肢がない、という点で注意が必要です。また、結婚相談所や婚活アプリなども出会ったきっかけの回答に選択肢がありません。結果、出会った場所とその年齢、平均交際期間が4年といった結果から、「20代で身近な場所で出会い、数年の交際期間を経て比較的若い段階で結婚した初婚夫婦」が主になっています。上記で述べたように結婚した4組のうち1組は再婚であるし、35歳以上で結婚するカップルも多くなっています。もう少し晩婚化を考慮し、多様化する婚姻のスタイルに見合った調査設計をしてほしいものです。

平均寿命が男女ともに80歳を超える現代の日本で、どれほどの人が若いうちに結婚して残りの約50年を一人の人と添い遂げられるでしょうか。さらには老後には2000万円が自助努力で必要といわれる中、夫婦で子どもをできれば複数育て上げて老後まで健康に暮らす、ということは、現在では一つの夢物語かもしれません。ただ、将来を見通せる雇用状況、安心して出産、育児ができる環境、選択的夫婦別姓や同性婚などの多様なチョイスが可能であること。望む人が他者と一緒に寄り添って生きていくために、法律や政策のレベルでできることはまだまだあるのではないでしょうか。

参考
前田正子 『無子高齢化 出生数ゼロの恐怖』 岩波書店 2018年11月
永田夏来 『生涯未婚時代』 イースト・プレス 2017年8月