毎日新聞に掲載された都内に住む公務員だという26歳男性の「結婚にはメリットがない」「コスパが悪い」という意見が話題になっています。「結婚、恋愛を損得で考えるなんて…」と反発するコメントも多い一方で、「まったくその通り!」「結婚なんてニートを無償で養うようなもの」というビックリするような過激なコメントも。 電通が若者向けに行っているアンケートによると、高校生の47.4%、大学生の53.0%、社会人の59.3%がお金について不安をもっているとのこと。実際に若者の雇用、収入が不安定ななかで、結婚による"コスト"増大は確かに大きく感じられるかもしれません。
"結婚はコスパが悪い"というのは本当なのか?
結婚によるメリットとは?
しかし、逆にいえばこの彼も"コスパ"というからには、結婚すると失うもの(主にお金?)があるが、得るものもなくはないと認めているということかもしれません。コスパが良いと感じるのは、金額以上のメリットがあるときで、悪いと感じるのは金額以上のメリットがなかったときのこと。結婚の大きなメリットは安定した公的なパートナーが得られ、毎日楽しみをともにし、病気になっときなどいざというとき、すぐに頼れる相手ができます。さらに子どもをもうけ、家族を増やせます。また、男性の場合は上げ膳据え膳で掃除、洗濯などの家事を全て任せられる人もいるでしょう。 さらに、20代のうちはいいでしょうが、独身者が増えたとはいえ、いつまでも独身であることは肩身の狭いこともあります。夫生活や子育ての話題についていけず、いつまでも落ち着かない人だなんてレッテルを貼られることも。私の友人の1人は彼氏はいたものの結婚に消極的でしたが、同じ職場の上司を見ていて結婚を決意したとか。彼女は美人でしたが、彼氏ができてもそのわがままな性格故かすぐに別れ、しかもその後、部下に当たり散らしていたとか。その他、何かと子供じみた面が多々あったそうです。「30代後半なのに若い女の子みたいだった。結婚しないと落ち着いた大人になれないのかなと思って…」と友人はいっていましたが、結婚しないから彼女は落ち着かないというのは極論かもしれませんが、このように「あの人、独身だから…」という見方があることは確かです。
結婚の最大のデメリット、失敗することもあり得る
これらのメリットを踏まえてもなお結婚はデメリットが大きいとするのは、結婚は失敗することもあり得るからではないでしょうか。「離婚した際、妻が働いていなくても、『家事労働で資産作りに寄与した』と、財産分与をさせられてしまう」のが納得できない、こちらにとってリスクが大きすぎるという男性の意見も。家事に対してどのように考えるかはともかくとして、確かに経済的にも精神的にも離婚は楽ではないでしょう。
経済的にもシングルの老後はけっして楽ではないことも!?
日本では最近は30代、40代の独身男性でも親元で暮らしていることが多く、その場合、現在自由になるお金は多いかもしれません。私の知り合いの40代の親元で暮らす独身男性は趣味に自由にお金を使い、結婚して毎月小遣いが1万円の友人の生活が信じられない!といっていました。 しかし、親は年をとっていき、介護が必要になったとき、助けてくれる家族がいないなら外部に委託することになり、その分費用もかかるでしょう。さらに、自分自身の介護のときの負担も大きなものと考えられます。ある独身男性は「介護なんかされる前に死ぬだろうから大丈夫!」といっていましたが、それは保証の限りではありません。 また、年金については夫が会社員、妻が専業主婦の夫婦の場合、現役時代の世帯年収の6掛けほどの収入ですが、独身男性は4掛けほど。生活費については老人の場合、1人と2人ではそれほど差がないことが多いので、実は独身こそ老後のためにしっかりお金をためなければならず、自由に使いまくっているわけにはいかないのかもしれません。
リスクはあっても、結婚はコスパが悪いとは言い切れない!
確かに結婚には離婚というリスクがあり、楽しいことばかりではないのが現実です。しかし、経済的な観点からも長期的にみると、絶対にコスパが悪いと言い切れないのではないでしょうか?私自身は娘に結婚ってコスパいいね!と思ってもらえるよう努力したいと思った次第です。
http://dentsu-ho.com/articles/2443
http://www.gender.go.jp/policy/men_danjo/column/hikonka.html
http://dentsu-ho.com/articles/2443