バレンタインが近くなると、多種多様なおしゃれチョコが勢ぞろいしますね。チョコだけでなく、パッケージの斬新なデザインや美しさに、思わずはっと心を打たれることも。チョコは恋を代弁してくれます。年に一度の“縁結び”のご利益を生かしましょう。

今回は、バレンタインがきっかけで、理想の男性と結婚した女性のお話。応援してくれる仲間の尽力がチョコにもまさる“縁結び”をもたらしてくれたお話です。

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Aさん(28歳)は、女子高、女子大と男性不在の社会で育ったせいか、恋愛に対して消極的。就職をしてから3年目で恋人ができたものの、相手は5歳年下の大学生だった。自分が年上だからという気負いもあったため、愛でるような愛し方しかできず、やがて自然消滅をしてしまう。友達たちから「ままごと遊びの恋愛を卒業して」と忠告されるものの、本人はあまりやる気なし。でもアラサーになると、周囲で結婚する人が増えていき、また両親から結婚を催促されるうちに、婚活パーティーに参加するようになるが、相手に対する条件が先立つ婚活スタイルに抵抗を感じてしまった。「今の私は、結婚より、恋したい」。ようやく恋愛に目覚めたAさんだった。

そんなある日、社員食堂で、一人の男性に惹かれるようになる。長身で整った顔立ちに繊細な雰囲気。社食ではいつも数人の友人らと食事をしながら気さくに話している。まさに理想の男性。Aさんは恋に落ちてしまった。

“社食仲間”たちが、Aさんのために、その男性のことをリサーチした。男性は他社から出向。昼時間を一緒に過ごす友達たちも、出向組とわかる。もともとAさんの会社は、数社と協力体制でプロジェクトを推進していくワークスタイルをとっている。他社からの出向、派遣、バイトなど、様々なスタイルで働く人たちが集まるから、まさに人種のるつぼ。Aさんの恋を支援し、サポートしようとした女子たちも、別会社の出向や派遣で働く。「頑張って」。“社食仲間”から声援があるものの、Aさんは恋する男性に近づく方法すら思いつかなかった。やがてバレンタインの季節が近づいてきた。

「バレンタイン作戦やろう!」とけしかけたのは、“社食仲間”の姉御、30歳。Aさんをけしかけてチョコを用意させ、Aさんと同じ年の別会社女子と、一つ下の派遣女子の2人が、Aさんの好きな男性の昼休み時間の使い方を再びリサーチした。その結果、昼休み時間終了間際の10分ぐらいの間に、一人でビルの外にある樹の下で、スマホをいじったり深呼吸をすることがわかった。「渡すチャンスは一人になる時しか、ないわ!」と姉御。

バレンタイン作戦の当日。別会社女子と派遣女子が、男性らのテーブル近くでランチ。社食を出ようとした時に、メールでAさんに知らせてから、二人は男性の後をこっそりとつける。Aさんは姉御と一緒にいるだけで、勇気を持つことができた。男性がビルの外に出たと、尾行した女子からのメールで、Aさんはチョコを持って、男性のところへ。「皆で見守っているからね」という姉御の励ましに支えられながら。

「受け取ってもらっていいですか」。チョコと手紙を渡すだけで、精一杯のAさんは、頭の中が真っ白だった。渡したことで燃え尽きたようなAさんに、“社食仲間”たちは、「せっかくきっかけを作ったのだから、自分からアプローチしなさい」と再びけしかける。どうしようと思案に暮れているとーーー

相手の男性から、チョコのお礼メールをもらった。しかも以前からAさんのことを知っているという。相手は昼休み時間に、少しずつAさんに話しかけ、やがてメールの交換へ。そしてとうとう、ドライブに誘われる。男性との距離が少し縮んできたことに、心が躍るAさん。だがドライブ中に、予期せぬ出来事が。男性の遠距離恋愛の女性から、男性に電話がかかってきたのだ。

「カノジョがいたなんて。あきらめるしかない」と落胆のAさんに、“社食仲間”たちは、断固として、恋をあきらめるなと激励する。一つ年下の派遣女子の一言が、Aさんに大事なことを気づかせた。

「縁なんて、たくさんあるわけじゃない。だからやってきた縁を、自分でちゃんと捕まえた人だけが、幸せになれるの」

踏ん張って縁を捕まえる。決意したAさんは、男性と遠距離恋愛の相手との関係をそれとなく探ってみた。男性が遠距離恋愛の彼女に満たされないとわかると、「彼と幸せになりたい。そのために努力する」と決めて、アプローチ。じわじわと彼の心は、Aさんに傾いていき、そしてついに1年弱の交際期間を経て、Aさんは理想のその男性とバレンタインに入籍したそうです。けしかけたり、応援してくれたり、時には苦言を呈した仲間たちの祝福を受けながら。

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バレンタインにまつわるオクテ女子のエピソードを、あなたはどう捉えましたか。「仲間のおかげで結婚できた」という印象を強く持った人が多いかもしれません。でもチョコがもたらしたこの婚活ストーリーのキーワードは「気がついたから、自分で自分に縁をもたらしたこと」です。じれったいほど、自分から何もしようとしなかった彼女が、手を差し伸べてくれた仲間との関わりの中で「理想の男性を逃さない」と決意し、アクティブに進んでいったからこそ、幸せを掴んだのです。「幸せになる」と決めて、引き寄せに頼ることなく縁を手に入れた人は、最強です。きっと結婚生活も順調でしょう。