結婚式に子連れで来ているゲストを見かけることも多いですね。最近では、子供にフラワーガールやリングボーイの役割をお願いする新郎新婦も多く、いっそう機会は増えているのかもしれません。子供を連れている際のマナーは結婚式でなくとも何かと取りざたされていることもあり、気になるところですが、今回は結婚式に子供を連れていく際のマナーと注意点について解説します。
結婚式に子供を連れていく際のマナーと注意点
そもそも子供がよばれていない場合…
厳粛な結婚式を挙げようとする新郎新婦は子供の参列はきょうだいやごく親しい身内のみに限定することが一般的なようです。しかし、最近では結婚式の形態は多様化し、レストランウェディングなどカジュアルな式も増えてきており、子供も一緒に結婚式に招待される機会は増えてきています。
とはいえ当然、新郎新婦に確認せず招待されてもいない子供を断りもなく勝手に連れていくことは絶対にNGです。子供が来ることで席や料理の用意など式場や店に迷惑がかかります。また、新郎新婦が大人だけの落ち着いた式にしたいと考えていた場合どうでしょう。子供を連れていくことによってそれこそ友情が壊れてしまいかねません。
招待されたのは自分だけだが、子供を預けるあてがない、一人で留守番させるわけにもいかない、という場合はどうすればいいでしょうか。その場合、まずは残念ながら欠席とすることを考えるべきでしょう。子供がゲストにいる場合、新郎新婦としても食事や演出内容、会場設備などに特別なケアを考慮するものです。相手の負担を考えると、こちらから「子供を連れていってもいいか」と相談はしにくいですね。
欠席の返事をする際はあわせて、子供を預ける先がないことまたは留守番させられないことを新郎新婦に率直に話しましょう。その方がやむを得ない理由を理解してもらいやすく失礼にならずにすみます。ひょっとするとそこで新郎新婦も「お子様も一緒に」と申し出てくれるかもしれません。もしそのように言ってくれたとしても式の雰囲気や客層、あなたと新郎新婦の関係など考慮して、お返事は慎重にするようにしましょう。
もちろん、招待状に子供の名前がある、または個別に「お子様もご一緒に」と声をかけられているなどの場合は喜んでお受けし、子供も連れていきましょう。ただし先にも述べたとおり新郎新婦は、子供のゲストにはなにかと特別な配慮をするものです。その点はよくわきまえておきましょう。
子供分のご祝儀は必要? ―食事がどう提供されるか
子供を結婚式に連れていく時、一番迷うのは子供分のご祝儀です。大人のご祝儀の場合、新郎新婦との関係により一般的に決まった相場があります。ところが、子供分の場合、実は曖昧です。
筆者のまわりの数人の経験者に尋ねてみたところ新郎新婦が親せきという場合、子供分のご祝儀は包まないという人のほうが多かったです。親せきなので、友人と比較して大人分の祝儀の金額も高いこともあり、お互いさまという面もあるのでしょう。親せきごとの暗黙のルールもあるでしょうから、親せき内で経験者がいれば聞いておくのも良いでしょう。
一般的には、子供の食事がどの様に提供されるかを基準に子供の分として包む金額を考慮するのが一般的なようです。
0~2歳(席や料理が用意されていない) → 3千円~5千円
3~12歳(席あり、料理はお子様用) → 1万円程度
13~18歳(席あり、料理は大人と同等) → 1~2万円
食事がない場合でも、子供も招待してもらった心遣いへのお礼、お祝いの気持ちを込めてお金を包む、またはプレゼントを用意するという方もいるようです。
事前に確認、お願いすべきこと
子供を連れていく場合、大人とは異なり、いくつか事前に確認しておいたほうが良いことがあります。
1. アレルギーがある場合は申告
子供も個別に食事をいただく場合、アレルギーの申告は必ずしましょう。通常の食事ではなかなか食卓に上らない素材であっても、結婚式の場合は使われる可能性がありますので、細かく申告しておいたほうが良いでしょう。カジュアルなビュッフェスタイルのパーティであったとしても、当日に急に使われている素材について聞かれるよりは、あらかじめ把握できていたほうが新郎新婦としても慌てずおもてなしができるはずですので、さりげなく伝えておきましょう。
2. 離乳食の持ち込みについて
離乳食を持ち込みたい場合は、念のため新郎新婦に確認・相談しておきましょう。会場によっては飲食の持ち込みは通常は不可としている場合も多いと思われます。予め伝えておけば理解してもらいやすいでしょう。アレルギー持ちの子供のための食事を持ち込む場合も同様です。
3. 授乳室、おむつ替えスペースの位置を確認
結婚式での授乳はケープを持ってきた場合でも、授乳室や、授乳のための設けられているスペースで行ったほうが落ち着きますね。当日、慌てないように、授乳室やおむつ替えスペースの確認をしておきましょう。
4. タイムテーブルを教えてもらっておく
子供の場合、長時間じっと座っているのがどうしても難しいこともありますし、赤ちゃんは泣いてしまうことも当然あります。離席することは仕方がないことなので、事前に式の進行・タイムテーブルを教えてもらっておき、離席のタイミングを見計らっておくと良いでしょう。
5. できれば出入り口付近の席にしてもらう
場合によっては難しいでしょうが、途中離席のことを考えて、可能なら出入り口付近に席を設けてもらうと良いでしょう。
子供の服装のマナー
子供であっても服装のマナーは基本的には大人と同じですが、少し異なる点もあります。会場や式のスタイルにもよりますが、基本的なポイントをまとめてみました。
- 制服は礼服なので結婚式での着用はOKですが、クリーニングに出すなどしてきれいな状態に。フォーマルスタイルにふさわしく。着崩すのはNG。
- 白いドレス、ワンピースはNG。
- 男女ともにブレザーはOK。
- 小学生までなら、男の子でハーフパンツの着用はOK。
- フラワーガールやリングボーイなどをお願いされている時は、どんな服装がいいかきいておく。
- サンダルなど足先が見えるものはNG。制服の場合もスニーカーや運動靴でなく、フォーマルシューズを用意。
- 靴下は派手な色、柄のものは避け、シンプルなものにし、フォーマル感をだす。白い靴下、白いタイツ、白い靴はOK。
- 長い髪の女の子は、アップスタイルや編み込みなどでまとめる。
結婚式、当日の注意点
せっかく参列するのですから、ぜひお子さんにとっても良い思い出にしましょう。そのために、以下のことを注意しておくようにしましょう。
同じテーブルの方への挨拶
同じテーブルの方には気をつけていても迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。着席の際一言「子供がご迷惑をおかけするかもしれませんが…」とご挨拶しておくと良いでしょう。
玩具は音が出るもの、結婚式の雰囲気に相応しくないものは持ち込まない
赤ちゃんや幼児の場合、玩具を持っていくこともあると思いますが、音が出るものは避けるようにしましょう。小さな子供なら塗り絵やシール貼りなどがおすすめです。子供が大好きなYouTubeなどの動画を見せておけばと考えるかもしれませんが、主役の新郎新婦を無視して画面に夢中という状態を快く思われないこともあります。
リフレッシュが必要だな、退屈しているなと思った時は、式の進行を見計らって少しだけ退席し、お散歩するなどするほうが良いでしょう。子供に使い捨てカメラなどを渡し、カメラマンを任せるのもおすすめ。子供は喜びますし、子供ならではのベストショットが撮れることも。
テーブルの飾りや食器などから子供の手を遠ざけておく
子供は悪気もなく目新しいものに手をのばし、玩具にしてしまうもの。テーブルの上のものには気を配るようにしましょう。
可愛らしい子供からのサプライズは好評!
せっかく招待してもらったのだから、新郎新婦にも子供を連れていくことで喜んでもらいたいですね。子供から絵やお手紙、ミニブーケなどのプレゼントをしてみてはいかがでしょうか。子供だからこそのあたたかく素敵な演出になりますよ。歌や楽器が得意な子供なら披露しても良いでしょう。
また子供自身も楽しめるようにしてあげたいものですね。連れていくママパパは何かと心配もあるでしょうが、しっかり準備していくことで子供にとっても素敵な経験になると思います。