「新婚」という言葉には、幸せいっぱいなイメージがありますよね。いわゆる「ラブラブ期」。羨ましいと言われがちです。

しかし、驚くべき数値が出ています。結婚後1年以内に離婚する「新婚離婚」が、なんと約10%にもなるというのです。つまり10組に1組は新婚のうちに離婚しているということ。また、厚生労働省の資料「同居期間別離婚件数年次推移」(※1)を見ると、結婚(同居)してから5年未満の離婚率は約30%と最も高くなっています。結婚後の数年間は、実は「魔の期間」と言えるでしょう。

ですが、そんな危機を円満に乗り切るための簡単な方法があります。それは夫婦で一緒に映画を観て、感想を話し合うこと。米ロチェスター大学の調査結果によると、たったこれだけで離婚率が大幅に下がったというのです。そこで、この調査結果を参考に、離婚の危機を乗り越える方法を探っていきたいと思います。

結婚後数年で離婚してしまう原因とは?

まず、結婚後数年間で離婚するケースが多い理由を考えてみましょう。

結婚するまでは、それこそ「ラブラブ期」。その後の人生を共に歩んでいくと決めるくらいですから、相手の良いところを実感出来ているはずです。ですが、相手の悪い面はどうでしょうか? 実は目の前の幸せに夢中になるあまり、良い面ばかりしか目に入っていないことが多いのではないでしょうか?

そういう場合、結婚して毎日一緒に過ごすようになってはじめて、相手の悪いところや自分との相違点が見えてきてしまう、ということもあるでしょう。そのため、気持ちが冷めてしまうことも多いのです。これが結婚後5年以内の離婚率が高い大きな理由ではないでしょうか?

離婚するカップルとしないカップルの間にある大きな違い

前述のように、それまで見えていなかった相手の短所にがっかりしてしまうことが短い期間で離婚してしまうことの一因でしょう。しかし、そういうことは、多かれ少なかれどのカップルも経験していることです。離婚してしまうカップルとそうでないカップルとでは、何が違うのでしょうか?

様々な違いがあるでしょうが、最も大きいのは客観的に夫婦関係を見つめ直す機会があるかないかです。1度頭にきてしまうと、なかなか客観的に物事を捉えにくくなりますが、一歩退いて見てみれば自分にも悪いところがあった、あるいは相手が何らかの形で自分のために努力をしてくれていた、ということが分かるケースも多いはずです。

映画を見ることで離婚率が下がった?

そういったことを自然にできるのが、「夫婦で一緒に映画を見る」という方法です。

米ロチェスター大学では、新婚夫婦の離婚率とスキル・トレーニングの関係についての調査を行いました。新婚174組を4つのグループに分け、2つのグループには、夫婦間の対立を上手に扱う方法を専門家のアドバイスのもと学習させたり、共感や相手を受け入れるトレーニングを受けさせたりし、3つ目のグループだけ特別なスキル・トレーニングをせず、恋愛映画を見て感想を話し合わせたのです。4つ目のグループにはなにもしません。ちなみに、話し合う内容は「映画のカップルが直面していた問題は?」「どうやってお互いが相手を受け入れようとしていたか?」「相手を傷つけたとき、映画の2人はきちんと謝っていたか?」 などです。その結果、映画を見て話し合うというアプローチにより、3年後の離婚率が半数にまで減ったというのです。これは、その他の2つのスキル・トレーニングを徹底する方法と並ぶほどの効果でした。具体的には、離婚・別居の割合は何もしない4つ目のグループの24%に対し他の3つは11%だったのです。特別なスキル・トレーニングをしなくても、映画を見て感想を話し合うだけで同様の効果を発揮したという点が驚きです。

ロチェスター大学で心理学を研究し、この研究のリーダーでもあったロナルド・ロッジ博士はこう語っています。

「もともと、映画を観る方法には効果があるだろうと思っていましたが、他の2つに迫るほどだとは考えられませんでした。この結果から、夫も妻もお互いの関係を良くするもの、悪くするものをはじめから知っているということが分かります。――中略――(特別な指導をしなくても)彼らが近頃どのように振舞っていたかを思い返す機会さえ与えてあげれば、それで十分なのです」 (※2)

博士の言う通り、カップルが直面する問題を客観的に見て、それについて2人で考える機会がもてたことが、離婚率が大幅に下がった要因でしょう。自分の利害がない分、冷静な判断を下すことができ、それを元に自分たちを省みることができるのです。

毎日一緒に暮らしていれば、時に相手の嫌な部分を目の当たりにすることもあるでしょう。しかし、一度冷静に夫婦関係を見つめ直してみれば、相手だけでなく自分にも非があったことが分かるかも知れません。そうやって夫婦関係を見つめ直す機会として、2人で映画を見て感想を話し合えば、映画の中の出来事と自分たちを照らし合わせて、冷静に省みることができるはずです。

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