結婚式当日に花嫁の身の回りのお世話をするアテンドや介添えのスタッフ。列席しているゲストからは「ウェディングドレスや和装だと大変だから隣についているんだろうな」くらいの印象ですが、実は花嫁にとってはそれ以上に頼もしい味方となる存在なんです。現在増えているアテンド・介添えの仕事内容について知り、当日は遠慮無く頼りましょう!

アテンド・介添えの仕事とは

アテンドや介添えスタッフの仕事は、まさに花嫁のお世話。ハウスウェディングやレストランウェディングといった会場では「アテンド」、純和風式場では「介添え」と呼ばれることが多いですが、はっきりとした線引きはないようです。ホテル、施設によって呼び名もまちまちです。ただ、介添えの場合には和服を着ている場合が多く見られ、アテンドはスーツや制服を着用するのが一般的です。

花嫁のお支度をサポート、立ち居振る舞いの指導も

アテンド・介添えの仕事は花嫁のお仕度から始まります。アテンドはヘアメイクのアシスタントをする場合もあれば、お着替えからお世話に入ることもあります。そのため美容・衣装についてある程度の知識を持っているアテンドが多いようです。一日中花嫁について、いつどの角度から見ても美しくあるよう気を配るのが役目ですので、リボンの結び方やコサージュの位置、ベールの高さなどもしっかり確認をします。

和装の場合には着付けは専門のスタッフが対応しますが、いつでも袖の模様がきれいに見えているか、お引きずりの裾が乱れていないかといったことを常にチェックしています。また花嫁衣裳での歩き方、ブーケの持ち方などを指導することも。

新郎新婦と終日行動をともにする

お仕度が終われば新郎新婦は忙しい一日の始まりです。次にどこへ行って何をするか、その進行管理をするのもアテンド・介添えの役割です。結婚式・披露宴当日には「先導」と呼ばれるスタッフが全体の流れを取り仕切りますが、先導は新郎新婦にずっとくっついていられるわけではありません。一方、アテンド・介添えは新郎新婦と終始行動をともにし、他スタッフとの連携を通じて、スケジュールが滞りなく進むよう、そして新郎新婦が楽しく安心して過ごせるよう努めます。そのため新郎新婦はその日の流れを逐一把握していなくても問題ありません。しっかりサポートするのがアテンド・介添えの役目です。

常に花嫁が美しく輝けるよう配慮

会場内の移動の際にはウェディングドレスの裾を花嫁が歩きやすく、またどこから見ても美しく見えるよう持ったり、挙式会場や披露宴会場への入場前の緊張する瞬間にリラックスできるよう笑顔で声をかけたり。女性同士ならではのきめ細やかな気配りで、花嫁をサポートします。

基本的にキリスト教式の場合にはアテンド・介添えは式場に立ち入りませんが、人前式の場合にはブーケを預かる、グローブをつける・外すといった進行のお手伝いをします。

あんなことも、こんなことも!

起立・着席のタイミングをお知らせ

披露宴の定番のプログラム、「主賓挨拶」や「乾杯」、「代表スピーチ」。列席してくれたゲストがわざわざ立って挨拶をしてくれるのだから新郎新婦も応えたい、でもずっと立っておかないといけないの?礼はいつすればいいの?と細かい部分が気になり始めたらきりがありません。

アテンド・介添えは新婦のそばにぴたりとつき、起立や着席のタイミングもきちんと知らせてくれます礼が必要な場合やブーケの有無も横から指示してくれるため心配はいりません。また、これらの起立・着席のタイミングは新郎と新婦がバラバラになってしまうと奇妙ですよね。主賓挨拶や乾杯など、新郎新婦が立たなければいけないプログラムの際は先導が新郎側についています。先導とアテンド・介添えが動きを揃えて行うため、新郎新婦は安心して合図に従うといいでしょう。

体力に気を配る

慣れない衣裳と緊張する場は、思った以上に心身を疲労させます。それでもゲストの前ではとびきりの笑顔でいたい大切な日ですから、アテンドは新郎新婦の体力を第一に気遣います

控室や会場前の前室では「ちょっとお茶を飲みますか?」「ブーケは持っておきますね」など声をかけ、「お手洗いは大丈夫ですか?」と花嫁からは言い出しにくい提案も。冬場の式の場合にはストールをすすめたり、マタニティの花嫁にはクッションを用意したり。「みなさん楽しんでくださっていますね」「○○さんのドレス姿、かわいいって評判でしたよ」などお二人の心配をケアすることも忘れません。

食事のお手伝い

以前はメインテーブル(高砂)で新郎新婦が食事をするのはあまり歓迎されていませんでしたが、最近ではゲストと同じように食事を楽しむのも一般的になりました。でも比較的身軽な新郎とは違い、ウェディングドレスや重厚な着物の新婦は少し動くのも苦労します。またガツガツ食べているように見えるのがいやで、せっかく二人で選んだ料理も眺めているだけ…となることも。

アテンド・介添えは披露宴中のタイミングのいいところでお食事をすすめたり、お皿の位置を変えたりといったことも行います。「奥においてあるお肉料理が食べたいな」「フォークはどれを使えばいいの?」など、困ったときにはアテンドに目で合図しましょう。そばに来て対応してくれるはずです。

新郎の飲みすぎをセーブ

披露宴が始まると新郎はどうしてもお酒を飲む回数が増えてしまいます。とはいえお付き合いや場の空気もあるためすべて断るわけにもいきません。あらかじめ花嫁に新郎のお酒の強さを聞いておき、あまり飲めない・周りに飲ませる人が多いという場合には特に注意します。

メインテーブルの足元にはビールを捨てるための容器を置いてあることが多く、新郎は注がれたビールをそこに捨てることができます。たくさん空のグラスをもらっておき、ゲストにどんどん注がせて新郎は少し口をつけ、アテンドがこっそり捨てる。そうすることで新郎の飲みすぎを防ぐわけです。お酒をすすめるゲストはたいていすでに酔っているため、意外と気づかれないものです。

新婦のボディガード

ボディガード、というと少し大げさですが、花嫁を守るのも大切なお仕事のひとつです。ドレスにつまずかないように、階段を安全に歩けるように、そして少しでも疲れないようにと気を配ります。

私の経験ですが、プールがあるハウスウェディング会場では披露宴終盤やお見送りの際に酔っぱらって飛び込むゲストもあったため、水しぶきから花嫁を守ることもよくありました。飛び込みそうなゲストがいるとインカムを使って「プールサイドにいる新郎友人の二人組、危ないです」などスタッフ同士に伝えたものです…。

その他なんでもお願いしてみよう

  • 友達と写真を撮りたいからシャッターを押してほしい
  • 母を呼んできてほしい
  • なんだかヘアピンが痛い気がする
  • リップがよれていないか見てほしい
  • ハンカチ・ティッシュがほしい
  • コンタクトが気になるからこっそり鏡を見せてほしい…

そんな要望になんでも応えるのがアテンドです。必要になりそうなものは小さなウエストバッグや懐に入れて持ち歩いていますし、控室から持ってきてほしいものなどがあれば他スタッフと連携して用意することができます。

アテンド・介添えから最高のサービスを引き出すコツ3つ

私は以前、ブライダルヘアメイク・アテンドとして複数の結婚式場で結婚式に携わっていました。様々な新郎新婦とそれぞれ個性あふれる結婚式・披露宴と出会いましたが、豪華な演出やきらびやかな衣裳はもちろんなのですが、なによりも「ありがとう」と言っていただいたその言葉が強く心に残っています。名前を呼ばれてお礼を言われたときには感激すらしました。

だからというわけではないのですが、アテンド・介添えから最高のサービスを引き出し、気持ちよく一日を過ごすためにも次のようなポイントに注意して、アテンド・介添えに接するとよいでしょう。

1. 一日の始まりには必ず挨拶を

式場に着くとウェディングプランナーとともにアテンド・介添えが新郎新婦をお迎えします。プランナーやヘアメイクスタッフとは事前の打ち合わせでお互いを知っていますが、アテンド・介添えとは基本的にこの日が初対面となります。そのためまずはアテンド・介添えからきちんと最初に挨拶があるはずですので、「今日はよろしくお願いします」と返しましょう。

その日一日を最も一緒に長く過ごす相手がアテンド・介添えです。丁寧な「お世話になります」という言葉でもいいですし、「緊張しているので助けてくださいね」と親しみを込めて一言添えるのもおすすめです。

2. 客だと思って不遜な態度をとらない

新郎新婦はアテンド・介添えにとってサービスをするお客様ですし、特に花嫁はその日お世話をする大切な主役です。とはいえ、一緒にゲストをもてなすという気持ちを忘れないようにしましょう。結婚式・披露宴は新郎新婦だけでなく、ウェディングプランナーや式場・会場スタッフがともにゲストのために作り上げるものです。

3. してほしいことは遠慮なく伝える

アテンド・介添えにとって困るのは、新郎新婦が無言で不満そうにしていることです。緊張して無口になっているのか、何か気に入らないことがあるのかわからずただ気を遣うばかりです。

気になること、してほしいことがある場合はどんどん伝えましょう。アテンド・介添はプロですから、なるべく表情や状況を見てよりよいサービスを提供しようと努めますが、時にはわからないこともあります。新郎新婦がより楽しく過ごせるようにお世話をするのが役割ですから、最初から心を閉ざしてしまわず疑問点や不満は伝えるようにしましょう。

アテンド・介添えへの心付けは?

昔は暗黙の了解とされていた「心付け」ですが、現在ではあまり一般的ではなくなってきているようです。式場側からあらかじめ「心付けはご遠慮ください」と伝えられることもあります。とはいえ、地域や施設によっては心付けに対する考え方は様々です。新郎新婦は不要だと考えていても、両親が用意している場合もあります。

お世話になるからお礼をしたい、と考えるなら準備しておいてもいいでしょう。その場合、アテンド・介添えには5千円を包むことが多いようです。ご祝儀のように新札でなくてはいけないという決まりはなく、畳んでポチ袋に入れてかまいません。3千円や、現金ではなくお礼のお菓子を渡す新郎新婦も。

今では心付けを渡さないと非常識、という考えは少なくなっていますが、地元の老舗の式場などを利用する場合は両親に相談するのもいいでしょう。

頼られるのはアテンドにとって喜び

アテンドをする際に心にいつも留めていたのは、上司に言われた「花嫁の母親だと思って接しなさい」という言葉。もちろんそんな年齢ではありませんでしたが、頭で考えるよりも自分の大切な家族だったらこうしてあげたい、そう思える対応を心がけていました。また押し付けすぎるサービスではなく、新郎新婦が二人きりになってほっとできる時間もなるべく設けられるように意識していました。

結婚式まではウェディングプランナーが新郎新婦にきめ細かいケアをしますが、当日プランナーは何かと忙しく会場内を駆け回っています。「あのことが聞きたいのに」「サプライズは大丈夫かな」など、心配になったら隣にいるアテンド・介添えに声をかけてみてください。

これはアテンドの仕事じゃないから、と遠慮するのはもったいないことです。アテンド・介添えは新郎新婦が一日を楽しめるためにそばにいます。「○○さん、ちょっとお願いしたいんだけど」と頼れば必ず真摯に応えてくれますよ。