結婚式は花嫁にとって夢にまで見た瞬間です。ドレスはどうしよう?お料理は?音楽は?ウキウキしながら準備を進められそうですが、実は結婚式の前に結婚が嫌になる、いわゆるマリッジブルーに陥ってしまう人も少なくないのです。あなたが、あるいはパートナーや家族がマリッジブルーになってしまったらどうすればいいのでしょうか? ここではマリッジブルーの様子が描かれた国民的アニメ「ドラえもん」の映画化作品「のび太の結婚前夜」から、その原因と対応について探ってみたいと思います。
あのしずかちゃんも!?お父さんとの会話にみる、マリッジブルーの2つの原因と対策を探る!-映画「のび太の結婚前夜」から
マリッジブルーになったしずかちゃん。お父さんに語った原因とその返事
「のび太の結婚前夜」は国民的アニメ「ドラえもん」を映画化した作品です。いつもドラえもんに頼ってばかりののび太くんが、未来でしずかちゃんと結婚する様子を描いています。そして作中で、しずかちゃんのお父さんが娘の結婚を後押しするために贈った言葉が、名言として結婚式のスピーチにもよく引用されているそうです。では、そのセリフがどういう場面から出てきたのかを見てみます。
結婚式前日、突然、しずかちゃんは「あたしお嫁に行くのやめる!」とお父さんに言ってしまいます。「あたしが行ったら、パパさびしくなるでしょ? ずっと甘えたり、わがまま言ったり...それなのにあたしの方は、パパ達に何にもしてあげられなかった」と言うのです。
ここから伺えるマリッジブルーの原因は、「家族と別れることへの不安」です。生まれてからずっと一緒に過ごしてきた家族と別々になるというのは、それだけで寂しい気持ち、心配な気持ちになるものです。これは女性に限ったことではありません。男性であってもそれまで実家から出たことがなければ、自分の寂しさと家族の心配で一杯になってしまうかもしれません。
しずかちゃんの不安に対し、お父さんはこんな言葉を返します。「とんでもない。きみはぼくらにすばらしい贈り物を残していってくれてるんだよ。(中略) 満ち足りた日々の思い出こそ、きみからの最高の贈り物だったんだよ。少し位さびしくても、思い出があたためてくれるさ」お父さんはしずかちゃんが安心してお嫁に行けるように、優しく心配いらないことを伝えてくれます。
もう1つあったしずかちゃんの「お嫁に行きたくない」理由! お父さんは見抜いていた?
さて、お父さんのセリフはまだ終わりません。ここからが娘の不安を見抜いていたお父さんのすごいところです。「のび太くんを選んだきみの判断は正しかったと思うよ」としずかちゃんに言ってくれたのです。最後には「彼なら、まちがいなくきみを幸せにしてくれるとぼくは信じているよ」と念を押してくれました。
しずかちゃんのマリッジブルーが「家族と別れることへの不安」だけであれば、こんな言葉は出てこないでしょう。自分がいなくなった後の両親のことを案じていたしずかちゃんですが、実は「本当にこの人でいいのか?」という不安も同時に抱えていたのです。これは男性よりも女性が陥りやすい状態です。男性に比べ、女性は結婚することで収入面で相手に頼らなくてはならないケースが多いのが現実です。自分や将来生まれるかもしれない子供をこの人は支えていくことが出来るのだろうか? という不安は、実は多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか。とにかく、しずかちゃんのお父さんは本人も気づいていなかったかもしれない不安を察し、「大丈夫だよ」と背中を押してくれたのです。
Photo:Omar Yassen
マリッジブルーへの対策
ここで挙げたマリッジブルーの原因は「家族と離れることへの不安」と「本当にこの人でいいのかという疑問」です。これらに対し、しずかちゃんのお父さんの対応は、誰しも満点だと認めるものでしょう。家族と離れることへの不安を柔らげ、秘められた相手への疑問を優しく払ってあげる。完璧です。
しかし、これは親だからこそできたことでは? そう思えてしまうかも知れません。確かに、別の立場の人が同じことを言っても、響きは違ってくるかも知れません。自分が親でなければ、どうするのがいいのでしょうか?
もし、マリッジブルーになっている本人なら、まずは離れてしまう家族としっかりと話し合いましょう。「寂しいからお嫁に行ってはダメ」なんてことを言う人はいないはずです。既に結婚を認めてくれている場合が多いのですから、きちんと話せば安心できる答えを返してくれるはずです。その際に、結婚相手のいい所も聞いてみましょう。もしかしたらそれまで気が付かなかったような所を教えてもらえて、相手への信頼が強まるきっかけになるかもしれません。
パートナーがマリッジブルーになってしまったとしたら、どうすればいいでしょうか?原因が「家族と離れることへの不安」であることがわかれば、パートナーが家族と過ごす時間を大切にしてあげましょう。しっかりと話し合う時間が持てなければ、不安も心配も増すばかりです。また、自分が結婚にふさわしい相手かどうかは、本人が言っても説得力に欠ける部分があるかもしれません。2人で話し合うことももちろん大切ですが、それでも解決が難しければ、友人や自分の家族、もしできるなら相手の家族など、誰かしら第3者の力を借りてみるのもいいでしょう。しずかちゃんのお父さんのように、結婚を後押ししてくれるはずです。