映画のウェディングシーンは、新郎新婦や二人を祝福する家族や友人たちが飲んだり、踊ったりしている幸せそうな様子が描かれていて楽しいですね。ウェディングシーンが魅力的なおすすめ映画「最高の花婿」「世界一キライなあなたへ」「マイレージ・マイライフ」をご紹介します。結婚式のイメージづくりやドレス、ブーケ、音楽などの参考にしてください。
結婚式のイメージづくりの参考に！ウェディングシーンが魅力の映画3選
最高の花婿（2014年）
国際結婚をテーマにしたフランスのコメディ映画。日本で当初「ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲」というタイトルで上映され、2020年6月続編の「最高の花婿 アンコール」が公開された。
冒頭、3組のカップルがフランス・ロワール地方シノン市役所で結婚式を挙げる。新婦は3人ともヴェルヌイユ家の娘たちで、新郎はそれぞれアラブ人、ユダヤ人、中国人だ。
娘たちの父・クロードは「白人のフランス人」の婿がほしかったという本音を隠せない。お祝い事や食事会では、孫の割礼のとき小箱に入った包皮を渡され庭に埋めてほしいと頼まれるなど、婿たちとのその文化や習慣の違いに驚き、困惑し、差別的な発言を繰り返してしまう。
最後に期待していた4人目の娘・ロールが結婚したいと連れてきたのはコートジボアール出身の黒人の青年シャルルだった。上3人の娘の時は婿たちとの信仰の違いから市役所で結婚式をしたが、カトリック教徒であるシャルルとロールの結婚式はクロードの希望が叶ってようやく教会で行うことになった。
新婦のロールは、ポニーテールのようにゴールデンポイントからつけたベールと、真夏の結婚式らしいオフショルダーのヘルシーなドレス姿だ。父クロードと新郎シャルルの父・アンドレの二人に手を取られ、結婚行進曲（Mendelssohn:の「Wedding March」）が流れる中、教会のバージンロードを歩む。
ラストシーンはガーデンウェディング。7月の新緑が美しい自宅のテラスに白いパラソルがいくつも設置されている。
新郎父は「今日はコフィ家にとって最良の日です。安心しました。（中略）フランスの家族も私の誇りだ。」とスピーチし、新婦父も最後に「ある計画」を発表し「おめでとう」とスピーチを締めくくり、大団円を迎える。
フランスでは4組に1組が国際結婚だという。フランスに比べれば日本の文化や習慣の差は小さいかもしれない。しかし、両家の家族が初めて顔を合わせて食事をする時のぎこちなさや結婚式の費用分担をめぐる摩擦、冠婚葬祭や食事のマナーの違いへの戸惑いなど、結婚とは異文化に育った他人同士が夫婦や家族になっていくのだということを改めて感じる映画だ。
- 原題 Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu ?
- 製作年度 2014年
- 製作国 フランス
世界一キライなあなたに（2016年）
邦題やパッケージのエミリア・クラークの愛らしい笑顔から一見ロマンティック・コメディと思われるこの作品。しかし実は、「愛する人が自殺することをすでに決めていたら？」という安楽死がテーマの意外にシリアスなラブストーリーだ。
介護者であるルー（エミリア・クラーク）と、事故により四肢麻痺になったウィル（サム・クラフリン）。二人はウィルの元彼女アリシアと親友のウェディングに参列する。
結婚式の会場は「Chenies Manor House」。広大な美しい庭園をもつ由緒ある豪華な場所で、実際に利用されている結婚式場である。ウィルは教会のバージンロードを父親と歩くアリシアのウェディングドレス姿の背中を、祝福と一抹のさびしさを帯びたまなざしで見あげる。
結婚披露パーティーの会場はガーデンに設置された白い大型テント。車椅子に座るウィルの上にルーが腰かけ、「分かってる？君は僕の元気の源だ」というウィル。驚く周りの人々を横目に車いすでクルクルとまわって踊る二人。そのまま会場を抜け出し、車いすで星空の下を走りぬける。
この最も甘いシーンで流れるのはEd Sheeran「Thinking Out Loud」。王道中の王道のラブソングである。歌詞には、
And darling I will be loving you till we're seventy And baby, my heart could still fall as hard at twenty-three
70歳になっても23歳の心のまま君を愛し続ける、という変わらぬ愛を誓う言葉もあり、今でも結婚式で大人気の曲だ。
ルーのカラフルな衣裳もこの映画の見どころの一つ。この結婚式のシーンで着ているペパーミントグリーンのドレスには、細かいドット地にバラが描かれ、ルーの明るい性格と可愛らしさを一層ひきたてている。
- 原題 Me Before You
- 製作年度 2016年
- 製作国 アメリカ・イギリス
マイレージ・マイライフ（2009年）
アメリカ全土を飛び回ってリストラ勧告するのが仕事であるライアン（ジョージ・クルーニー）。彼の目標は1000万マイル貯めること。合理主義で、同僚や家族は「バックパックに入った重荷」でしかないというライアンが、妹の結婚式に出席するために「カジュアルな関係」であるアレックスとともにウィスコンシン州ミルウォーキーに帰省する。
家を出たきりで家族との関係を軽視してきたライアンは、結婚式の入場のエスコートを申し出たが、妹たちにしてみれば「いまさら何言ってるんだよ！」というのが本音だろう。新郎であるジムのお父さんがエスコートしてくれることになっている、と言いにくそうに伝える。
新郎新婦は家族や友人に見守られながら指輪交換をし、細長いキャンドルを一本ずつ持った新郎新婦が一本の太いキャンドルに火を移す。
挙式の後は、おそろいの鮮やかなピンクのドレスを着たブライズメイト4人や、可愛らしいフラワーガール2人らとともに写真撮影。風船やメッセージが書き込まれた布が飾られた披露宴パーティーの会場で、ゲストたちは一人一個ずつベルを鳴らして新郎新婦の入場を迎える。
生バンドの演奏をバックに、ライアンとアレックスもダンスや食事を楽しんでいる。気がつけば、寒々しい風が吹いていたライアンと家族との関係も雪が解けるようにほどけていて、新婦の友だちが参加するブーケトスで盛り上がった後、パーティーは締めくくられる。
アレックスと過ごすうちに、また妹の結婚式を通して心の殻に少しずつヒビが入りはじめたライアンは「自分のバックパックが空」だと気づき愕然とする。アレックスとともにいたいと思い彼女のもとに走るが…。
ウィスコンシンの雪深い田舎町で決して洗練されているとはいえないが、明るくあたたかい雰囲気の結婚披露パーティーの場面が描かれる。今までの人生で幸せだった時にはとなりには誰がいた？これからは誰にそばにいてほしい？妻や夫、子どもや双方の両親、親せきづきあい・・・果たして結婚は重荷なのか。それとも？結婚をめぐる印象的なセリフも多く、マリッジブルー気味の男性にもおすすめだ。
- 原題 UP IN THE AIR
- 製作年度 2009年
- 製作国 アメリカ
Text by：AISA
