マデリン・ドルースは、世界各地を旅して、結婚式の1日を撮影することをライフワークにしているウェディング・フォトグラファー。そんな彼女が撮った7組のカップルのウェデイングシーンを一冊の本におさめたのが『WEDDING STORIES』(主婦の友社)です。
人のぬくもりと自然を感じるウェディング・フォト マデリン・ドルース『WEDDING STORIES』
物語のように展開する結婚式の1日
マデリンのウェディング・フォトの大きな特徴の1つは、挙式やパーティーだけの写真ではないところです。結婚式を準備するシーンからはじまって、花嫁たちが着替えるシーン、実際の挙式シーン、パーティーシーンと物語のように写真のなかで1日が展開していきます。
撮影された場所は、パリ、ニューヨーク、オーストラリア、ニュージランドなどさまざまですが、その結婚式も新郎新婦や家族や友人などが手作りしたもので、丁寧に彼らが作り上げたことがよく分かります。手作りと分かるかわいいお菓子やブーケ、お揃いのバスローブ姿でくつろいで並んで語らう花嫁とブライズメイドたち、真剣な表情で一輪一輪客席の花をいけているおばあちゃん、そこには暖かい人のぬくもりが感じられます。
「結婚式は形式的で退屈」と考えている方この写真を見ると考え方が変わるのではないでしょうか。
郷土の自然のなかで行われる結婚式
新緑の美しい森、地平線の見える草原、コバルドブルーの海など、マデリンのウェディング・フォトに欠かせないのは、結婚式が行われた土地の自然です。
日本では最近ではスタジオだけではなく、公園や庭園などで撮る人も少なくないようですが、マデリンの写真では壮大な自然がバックになっています。白いウィディング姿の花嫁とタキシード姿の花婿がその美しさとマッチしており、まさに圧巻といえます。
結婚式のスナップ写真をフォトブックにするときの参考に
マデリンのウェディング・フォトは1枚1枚が美しく、飾っておきたいほどなので、これはプロならではの特別なセンスと技術がなせる業といえます。しかし、本書はこれから結婚式をする方には一度目を通してもらいたい一冊です。その理由は、結婚式の写真を撮る上で、一般人でも応用可能なヒントが散りばめられているからです。
たとえば、結婚式の写真といえば、新郎新婦のかしこまった写真ばかり撮ってしまいがちですが、マデリンの写真にあるように準備をするシーンや、衣装を着るシーンや、美しい飾りつけ、手伝ってくれている人の表情なども撮っておくようにするといいかもしれません。そうすることによって、その人らしさが加わり、思い出の厚みが増すでしょう。
結婚式のスナップ写真をフォトブックにまとめる方も多いと思いますが、その際にはぜひ参考にしていただきたいと思います。
著者:マデリン・ドルース
判型:A5・本文128ページ・オールカラー
本体価格:1,700円(税別)
発行:ジュウ・ドゥ・ポゥム
発売:主婦の友社