365日の中で人気の入籍日は、11月22日(いい夫婦の日)に次いで7月7日が第2位だそうです。ゾロ目で覚えやすいことから、また織姫と彦星のロマンチックなエピソードにちなんで「七夕婚」を選んだカップルが多いようですね。
中国のバレンタイン?「七夕」の本来の意味と各国・各地の習慣
中国・台湾・韓国・沖縄の七夕
七夕は日本では願いごとを書いた短冊やかざりを笹竹に吊るし、星にささげて願いが叶うように祈ります。多くは旧暦の7月7日(現在の8月7日ごろ)ですが、中国、台湾、韓国などでおまつりやイベントが行われています。中国では「七夕は中国のバレンタインデー」と呼ばれ、「恋人たちの日」です。カップルたちは大きなバラの花束をプレゼントしたり、レストランで七夕ディナーメニューを楽しんだりします。台湾では七夕に花火大会などが行われ盛大にお祝いをします。韓国でも「恋人たちの日」とされていて、恋人同士で花を贈ったり、「愛」にちなんだイベントが行われます。
沖縄では七夕は「星まつり」ではなく、祖先の供養をする行事の一つです。お墓参りやお墓の周りの草刈りをし、先祖にお盆が近づいていることを呼びかけます。沖縄では婚礼や引っ越し、お墓参りなど日取りを重視して決めますが、旧暦の7月7日は年に一度の七夕の日だけは、「ヒーナシ(日無し)」といって、「あの世から見えない」一日といわれています。そのため、お墓の修理や引っ越し、洗骨(遺骨を海水や酒などで洗って再度埋葬すること)などができる日とされています。また七夕の日は、1年で最も日差しが強いタナバタティーダ(七夕太陽)といわれています。そのため、着物や穀物などの虫干しをするとよいとされています。
七夕の伝説
七夕は7月7日に織女(しょくじょ)星(琴座のベガ)と牽牛(けんぎゅう)星(わし座のアルタイル)が天の川を渡って会う「七夕」(しちせき)という中国から伝わった伝説がもとになっています。
天帝(古代中国の神)の娘で布を織るのがとくいな織女は、牛飼いの牽牛と結婚します。しかし、仲が良すぎて仕事を怠けるようになったため、天帝はふたりを天の川の両岸に切り離し、7月7日にしか会えないようにしてしまいました。これが七夕(しちせき)伝説です。織女と牽牛は、日本では織姫と彦星と呼ばれています。
七夕の習慣
笹竹に飾る七夕飾りにはそれぞれ、「長寿」「豊作」「厄除け」「お金に困らないように」などの願いが込められています。昔は七夕が終わると、飾りを海や川に流して病気や災いを流すと言われていました。また七夕には、天の川や、織姫がはたで布を織るのに使った糸をあらわすといわれるそうめんを食べる習慣があります。また、夏の収穫に感謝して、きゅうりやカボチャなどの季節の野菜をそなえてから食べることもあります。
七夕は本来旧暦の7月7日(現在の8月はじめ)の行事でした。そのため、梅雨の間にたまったけがれを洗い流したり、お盆の時期に近いため先祖の霊をなぐさめたり、秋を迎えるにあたって豊作を祈るという意味があったのです。健康や長寿、お金や食べ物に困らないようにという願いが込められた七夕。ゾロ目で覚えやすい、ラッキーセブンやロマンチックなイメージなどから人気の七夕婚ですが、案外「結婚」に込められた願いと一致して、理にかなっている入籍日なのかもしれません。
沖縄仏壇事ドットコムhttp://butudangoto.com/ (外部リンク)
北海道ファンマガジンhttp://pucchi.net/ (外部リンク)