映画好きの人なら、テーマ曲のサイモン&ファーファンクルの「サウンド・オヴ・サイレンス」を聞きながら、アメリカ映画「卒業」を観た人も多いのではないだろうか。
「エレーン」と叫ぶ。これは世界で一番短いプロポーズかもしれない。返事も「ベーン」と短い。心が通い合っていれば、100万ドルの夜景も、高価なフランス料理もいらない、というのがプロポーズではないだろうか。
プロポーズの演出にこだわるべきではない。一生に一度と思い、分不相応なことをしてしまうと、後で困ったことになる。もちろん女性は男性の演出に感動することだろう。
しかし、プロポーズの次には、婚約、結納、式場選び、ウェディングドレス選び、結婚式、新婚旅行とさまざまな行事があり、そのたびに奥様に「感動」を与える演出ができますか?結婚後も、「プロポーズ記念日」「結婚記念日」「○○記念日」となりますよ。若くて給与も少ないうちは、プロポーズで奮発してしまうと後が続けにくいのではなかろうか。
プロポーズの演出よりも、プロポーズまでの過程に力を注ぐべきだろう。次々と、もっと刺激度の高いサプライズを追い続ける「サプライズ・スパイラル」に陥らないためにも、最初が肝心だ。お金でサプライズ演出を買うのではなく、心でハートを射るのだ。
あなたは、相手の顔色を見れば、今、調子がよいか悪いかわかりますか?あなたは、今、相手が何をしたいと思っているか、わかりますか?そういった心の会話を積重ねるのがプロポーズへの道だろう。心の会話が弾むようになったとき、プロポーズの準備ができたといえるかもしれない。
最近「プロポーズ演出サービス」というのもあるようだ。それを商品(有料サービス)として売り出しているところもある。中には良心的な価格で、思い出に残るすばらしいサービスもある。そのようなサービスもうまく使いながら、心と心が共鳴しあう時、理想のプロポーズが生まれるのだろう。「エレーン」と言えば「ベーン」と応える。これができた時、夫婦になる資格ができる。