おっぱいの見えない授乳服を開発した授乳服ショップ「モーハウス」。授乳中のお母さんが赤ちゃんと外出しても、好奇の視線を浴びることなく、のびのびと自然体で子どもに授乳できるスタイルは、自由で楽しい子育ての提案として評価されています。「モーハウス」の代表・光畑由佳さんは、子連れ出勤を実践するなど、出産後の女性が自分らしい生き生きと過ごせるライフスタイルを提唱してきました。また、授乳ウェディングドレスのファッションショーをイベントの一環として9年前に行い、授乳中のママでもある花嫁のハレの舞台を演出。女性達から多くの反響が寄せられたのです。
それから数年後、ウェディングプロデュースショップ「エクラ」代表・山本恵さんと光畑さんが知り合い、ウェディングプロデュースと、授乳できるドレスの融合で意気投合し、レンタル業やウェディングにまつわることをエクラが担当することに。実用化を目指して二人三脚で制作して、昨年の秋に、遂に完成したのです。
授乳中でもドレスが着られる!出産後の結婚式・授乳ウェディングドレス <前編>
「授乳ウェディングドレス」誕生の背景にあるウェディングの新しいニーズ
「エクラ」代表の山本さんは、授乳ウェディングドレスのニーズと、効能を次のように語ります。
「昨今の『なし婚』や『授かり婚』を分析してみると、おめでたがわかって結婚する場合、結婚式をしないカップルが多い、という状況が見えてきました。産後、つまり授乳期に式を挙げる場合は胸が大きくなるため、サイズの合うドレスを探すのが難しくなります。とくに授乳時間には胸が張りますから、母乳をあげるにはドレスを一旦脱がなければいけないので、結婚式が出来ないと思い込んでいる方もいます。そこで機能的で、しかも美しい授乳ウェディングドレスを作りたいと、『モーハウス』の光畑さんに提案したのです。」
パーティの準備をしながらも、その場で準備を中断せずに授乳できるドレスを制作しようと、両社のコラボが開始しました。
「他の授乳服と同様に、『1秒で授乳ができる』授乳のしやすさ、そして肌が見えず授乳していることがわからないという点にこだわりました。また、前身が授乳しやすさと赤ちゃんとのことを考えたぶん、後ろ身は背中を大きく開けたデザインにしました。また、1つのデザインで多くの方がアレンジして着られるよう、シンプルなデザインになっています。特に、ウェディングドレスのインナーとして通常ではあたりまえのコルセットのような下着ではなく、弊社の授乳ブラをつけて着られるデザインであるということも大きいと思います。」(モーハウス)
モーハウスが販売しているモーハウスブラ(通称:モーブラ)は、日本助産師会が唯一推奨する授乳ブラ。まるで着物の胸元のように真ん中で布がクロスしているクロスタイプは、片手でサッと授乳ができます。また、ゴムを使っておらず、体をしめつけない構造で母乳の出を邪魔しない伸縮素材を採用。さらに、ホックやテープがないため、デリケートなママと赤ちゃんの肌を傷つける心配もなく、安心・安全です。
最大のメリットは、ケープがなくても胸が見えずに、1秒で授乳ができることいつでもどこでも授乳できるため、授乳中の花嫁も赤ちゃんも、リラックスできます。「おめでた婚」の次は「授乳婚」。新しい波が到来するかもしれませんね。
後編では、「モーハウス」と「エクラ」が共同で開発した授乳ウェディングドレスのファッションショーの模様と、反響をお伝えします。
http://mo-house.net/
1997年の2人目の出産後、電車の中での授乳体験を機に、「産後の新しいライフスタイル」を提案するため授乳服の製作を開始。
子連れスタイルで子育てと社会を結びつけ、多様な生き方や育て方、働き方を提案する「子連れスタイル推進協会」代表理事。著書「働くママが日本を救う!〜子連れ出勤というワークスタイル」
ウェディングプロデュースショップ エクラ
http://www.eclat-w.jp/
会場を持たないフリーランスのプロデュース会社代表。
「ウェディングを通じて地元を活性化したい」と茨城県に移り住んで、農業に従事する新郎新婦のための「おひさま結婚式」で、「Good Wedding Award 2014」グランプリ受賞。授乳服ウェディングに関しての問い合わせは、エクラへ。