参列者の少ない少人数結婚式の披露宴や会食では、少人数結婚式らしく、打ち解けた雰囲気を求めるカップルが多くなります。会場の規模も小さく、レストランや料亭などの個室で行うことが一般的です。

ただ、二人の晴れの門出ということで、ご祝儀を包んでくれるゲストや、わざわざ時間を作って遠方から来るゲストもいる中で、身内とはいえ、ある程度のフォーマルさも大切だと考えられます。婚礼衣装をお披露目したり、豪華な食事をいただいたりはもちろん、少人数といっても、やるべき演出は押さえておきたいところ。始まり、中盤、最後、と段階を追ってみていきましょう。

1. 始まりのおもてなしプログラム&演出

まず、この場に集まってくれたことへの感謝を述べる、開宴の挨拶は必要です。新郎新婦からウェルカムスピーチという形で行うことが一般的になっています。仲人や主賓や、両家を代表する親でもなく、主催者である新郎新婦が挨拶するのが、トレンドです。

また、少人数の結婚式ではちょっとした手作りアイテムでおもてなしをする演出も人数が少ない分とりいれやすくオススメ。例えば席札を手作りして、ウェルカムギフトとして持ち帰ってもらう演出も人気です。その際、席札の裏に感謝のメッセージを書いておくと、一人一人に気持ちが届きます。身内だけを集めた式では、新郎新婦が部屋に来るまでの間に席札メッセージを見て盛り上がる場面も見られます。

ウェルカムスピーチ

新郎が行うことが多く、身内であってもやや改まった言葉づかいや形式で話しましょう。

流れは、「集まってくれたことへの感謝→挙式の報告→披露宴の案内→結び」というのが一般的。「身内だけの会なのでリラックスして楽しみましょう」という声かけをするとアットホームな雰囲気になります。

席札メッセージ

席札の裏側(二つ折りの場合内側)にゲストへのメッセージを書きましょう。手書きで気持ちを伝えるのがポイント。新郎新婦それぞれに、自分のゲスト一人ひとりに対して感謝を込めて書きましょう。

人によって内容が思いつかない時も、感謝の気持ちを伝える丁寧な言葉を手で書けばそれだけで十分です。

2. 中盤で飽きさせないプログラム&演出

少人数結婚式を選ぶカップルには、新郎新婦が目立つのが好きではないことも少なくありません。そのため、注目を集めるケーキカットやファーストバイトなどを省略することもあります。ただ、何の演出もなく、会食だけになると、お酒も入って、途中で緊張感が失われてしまうこともあります。

ゲストを飽きさせないために、中盤で動きのあるゲスト参加型のプログラムをいれてみてもいいでしょう。ゲストのところへ行って写真を撮るフォトラウンドも、広すぎない会場なら歩きにくい婚礼衣装の花嫁の負担も少なく行いやすいですね。

撮影用のスペースが設けられれば、新郎新婦が並んで立っているところに、好きな順番でゲストに来てもらってもいいでしょう。身内だけの披露宴では、ゲストも気兼ねなく歩き回り、交流ができるのが良いところです。

また、オリジナルアルバムを用意して持ち込むのもおすすめです。幼少のころからの成長をそれぞれにまとめてみてもらうと、パートナーについても知ってもらえますし、その場で思い出話に花が咲くことも。幼いころから関わりのある人たちだからこそ、成長を喜んでくれるおもてなしですね。

大々的なウェディングムービーなどを上映しない場合は、こうしたアルバムがパートナーを知ってもらうきっかけになります。

フォトラウンド

距離が近い少人数結婚式ならゲストと写真を撮りながら、話をする時間もたっぷり取れます。プロカメラマンを入れていない場合も、兄弟・姉妹などにカメラを託して順番に撮っていけばリラックスした表情の素敵な写真が撮れるでしょう。

オリジナルアルバム

それぞれの生い立ちを追ったアルバムを1冊ずつ用意して持ち込み、会の途中で回覧します。写真だけでなくその時のエピソードなど書き込んでおくと、ゲストとの思い出話も盛り上がりそうです。

3. 最後の締めくくりは感動のプログラム&演出で

身内だけであつまっていても、結婚式の締めくくりのプログラムは大切です。特に両親への感謝の気持ちはゲストの前で伝えられるとよいですね。改まって対面して記念品を贈呈したり、手紙を贈ったりする場は、親のこともよく知っている身内ならではの共感や感動を呼びます。

また、ゲストへの感謝の気持ちを述べる場として両家を代表してどちらかの親に謝辞をお願いしておくのもオススメです。身内だけの集まりとはいえ、けじめをつけたいと思っている親世代は多いものです。短い言葉でも、長いスピーチでも、親側の気持ちを語る場を設けることで、披露宴での役割もしっかり果たせるといえるでしょう。

その後に、新郎新婦の謝辞でゲストへの感謝と、これからの抱負を伝えて会を結びます。楽しく過ごしてきたアットホームな会でも、ぜひ、最後は感動的に締めくくり、一生忘れられない二人の記念日にしてください。

記念品贈呈

両家の親へ時計や、額に入れた詩など、記念になるものを選ぶカップルもいます。それをゲストの前で渡すセレモニーもアットホームで素敵な演出です。

両親への手紙

両親への手紙を用意する新婦もいます。身内とはいえ、ゲストの前で読むのは恥ずかしいということで、読まない場合もあります。

両家代表謝辞

新郎新婦どちらかの父親または母親が代表して、招待客全員に向けた御礼の挨拶。親の気持ちを語る場として意義深いものです。

新郎謝辞

謝辞では、ゲストへの感謝だけでなく、抱負を述べたり、新婚旅行の予定を伝えたり、内容が盛りだくさん。あらかじめ原稿を用意しておいた方がスマートに運べます。 お酒を飲んだ後にスピーチをするため、新郎は飲みすぎないようにすることと、直前にトイレなどに一端席を離れておくと落ち着いて臨めます。新郎の前に新婦から感謝の言葉を述べることもあります。

少人数は近距離を楽しむ演出を

少人数結婚式ではアットホームさを大切にしたイベントが人気です。会場も広すぎず、距離の近い披露宴では、新郎新婦が直接声をかけやすかったり、共通の話題で一同が盛り上がれたりします。二人が見せ場を作るようなイベントよりも、和やかに過ごせるイベントを少しプラスするようにしましょう。

また、少人数でも結婚式らしく始まりと結びの挨拶は準備しておくと、場が引き締まります。ゲストも成長した姿を感じ、見守ってくれた思い出と共に感動させる会になります。少人数結婚式であっても、始めと終わりの挨拶で、感動的な披露宴を作っていきましょう。