1. 少人数披露宴の規模はどのくらい?

少人数披露宴というと、新郎新婦とそれぞれの両親の6人からの会食が想定されています。加えて、兄弟姉妹や親せきを招くと、だいたい20人程度の規模になるでしょう。お互いの近しい身内を招く会食形式の披露宴が「少人数披露宴」です。

2. 少人数の披露宴が増える時代のニーズとは

結婚式や披露宴自体をしない「なし婚」も一般的になっている時代。価値観が変わる中、従来型の大規模結婚式を開くことで発生する、経済的、精神的、時間的負担を敬遠する機運も見られます。

一方、大きな結婚式や披露宴は遠慮するけれど、ウェディングドレスを着てみたい、結婚式をしてほしい親の希望を叶えたいという想いを持つカップルも見られます。こうした背景から、挙式後に少人数披露宴を希望する流れは、一時の流行りではなく、今後も継続していくと見込まれます。

3. 少人数披露宴と挙式の関係

通常結婚式というと、挙式をしてその後披露宴を行います。少人数披露宴では、挙式は下記のようなパターンで行われるのが一般的です。

  • 挙式した後に、メンバーを変えずにそのまま披露宴に移行する場合
  • 挙式とは別の日に少人数披露宴を行う場合
  • 挙式せずに披露宴だけ行う場合

挙式は海外で行い、帰国後の報告会として身内だけを集めた少人数披露宴を行うというケースも見られます。ゲストの数が少ないため、日程調整の手間も少なく済みます。比較的準備に時間もかからず、開こうと思ってから3か月程度で開けるスピード感も少人数披露宴の大きな利点といえます。

4. 少人数でも披露宴を行う意義

大規模な披露宴に比べて全体の金額は抑えられる分、一人当たりにかける金額を高くできるのは少人数ならではの利点です。そのため、ゲストにとって満足度の高い結婚式になっていきます。かけた費用に見合う内容の満足度が少人数披露宴では得られると考えてよさそうです。

結婚は二人だけの問題ではなく、育ててくれた両親や家族にも大きくかかわることです。お互いの生い立ちに深くかかわった人たちが顔を合わせることで、新しい家庭を持ったことを実感し、責任感を新たにする区切りとなるでしょう。また、海外挙式を挙げた場合のお披露目式として、親族や親友を集めて行う場合も見られます。近しい人との挨拶の場を作っておくことで、新生活が始まった後の小さな手間を省くこともできるでしょう。

5. 少人数披露宴を行うのはどういうカップル?

少人数披露宴は若くして結婚を考えた時に、両親からの援助を受けずに自分たちだけで披露宴を行いたいという堅実派にもぴったりの披露宴スタイル。小さな披露宴なら費用面でも手ごろになり、若いカップルでも開きやすくなります。さらに、キャリアを重ねたカップルの場合、結婚式にお金をかけることに疑問を感じるケースもあります。大規模な披露宴に対してコストパフォーマンスが合わないという価値観も、働く女性の意識によって広まっています。

6. 少人数披露宴に必要な予算

一般的に少ないゲストを招いての披露宴の予算規模は100万円以下と考えられています。

基本部分としてはこちらが挙げられるでしょう。

  • 衣装代
  • 個室使用料
  • サービス料
  • 人数分の料理のコース料金

あとは、引き出物、テーブル装花やブーケ、引菓子を用意する中で予算は変わってきます。またせっかくの機会ですから、プロカメラマンの写真をお願いするのも良いですね。こちらも費用は別ですが、一生の記念になります。

7. 会場選びのポイント

小規模な披露宴を開く会場として、まずは食事を楽しむ場として個室のあるレストランが挙げられるでしょう。その際に気を付けたいのは、スタッフが披露宴になれているかどうかです。スタッフのサービスクオリティを重視するなら、ホテル内のレストランを利用した少人数披露宴がおすすめです。最近は大手のホテルでも小規模な会食形式の披露宴プランを作っているところも増えていますし、結婚式に慣れているホテルスタッフがいれば安心ですね。またホテルは駅からのアクセスが良いので、遠方からゲストを呼ぶ際にも便利です。

自分で手配するのは手間がかかるなと感じたら、ブライダルプロデュース会社に相談してみましょう。インターネットのサイトでも会食のみの披露宴会場を紹介しているので、そちらもチェックしてみましょう。

8. 衣装も好みで選べる自由さ

小さな披露宴では、衣装も様々です。挙式と同様の花嫁衣装で会食をすることもできますし、会食のみで花嫁衣裳を着る人もいます。カジュアルな格好を好むカップルもいるでしょう。お気に入りの平服で披露宴を行うケースもあります。その場合は、「平服でご参加ください」といった声掛けをしておくと親切です。注意点としては、和服でも洋服でも、夫婦になったことを参加するゲストに伝える日ですから、新郎新婦の格好がちぐはぐにならないようにしましょう。

9. やっぱり気を付けたい席次の決め方

少人数披露宴であっても、席次のルールは年配の人を呼ぶ際には重要です。新郎と新婦の座る位置は、基本的に新郎が右側になります。規模に関わらず、披露宴では立ち姿、座り姿が二人セットで美しく見えるように心がけましょう。

会食では、家族のだんらんのような雰囲気が作りやすいため、席も高砂を設けずに長テーブルにすることも多くなっています。両親を自分たちの近くに座らせてもおかしくないのが会食形式の良いところです。また、会話が弾むように、助け舟を出してくれるような両親世代のゲストがいると和やかさが増すでしょう。新郎側新婦側に分かれて、親族が対面するように配置することで、安心感を持って会が進行します。

10. イベントはあり?なし?おすすめは?

少人数披露宴ではイベントも全くなしで2時間会食というケースもあります。ただし、会として始まりと終わりをはっきりさせるけじめを大切にする人は多く、「新郎新婦の入退場」、「新郎新婦からの挨拶」、「乾杯の音頭」、「祝辞」はオーソドックスな流れで行われることが多いようです。

他のイベントとしては

  • ケーキカット
  • 集合写真
  • 両親への手紙
  • 贈呈式

といったものが一般的です。

少人数披露宴では、あまり内容をかっちり決め込まずに、会を楽しむ流れを作ることが大切です。せっかくのお食事にも集中してほしいので、イベントの数は多くても2、3個と考えておきましょう。

11. 小さくても心を込めて、おもてなしの工夫

大規模な披露宴に比べて、こうした小さな披露宴では、ひとり一人におもてなしを行き届かせることが可能です。例えば、席札を手作りする新郎新婦は多く、それぞれにメッセージを書いておけば、もらった方もうれしく感じるでしょう。

大きな式になると、引き出物を人によって変えるのは大変ですが、自分たちの親、伯父・伯母・いとこなどの親戚といった宛先によって内容を変えることも可能です。小さな子にはプレゼントを用意するなど、少人数だからこそ、大きな負担にならず手が掛けやすい点は満足度を高めるポイントになるでしょう。

12. プロカメラマンによる撮影で、もっと満足のいく思い出に

少人数披露宴でもプロのカメラマンに依頼して、写真をしっかり抑えておくのがおすすめ。集合写真でもスナップショットでも、披露宴特有のシャッターチャンスや、アングルなどを知り尽くしているプロカメラマンによってクオリティの高い思い出が残せます。

費用は式場カメラマンに依頼する場合と、外部のカメラマンを手配する場合、プロデュース会社が提携カメラマンを手配する場合で違ってきます。中でも最も費用が高くなりがちなのは式場カメラマンで、最も安く抑えられることが多いのはプロデュース会社の提携先になります。外部カメラマンなら自分たちの好きなテイストの写真家を選べ、写真についての要望も通しやすいため、費用とできばえのバランスが良い選択といえます。

外部カメラマンにかかった費用

  • 10万円~15万円未満 50.1%
  • 5万~10万円未満 36.6%
  • 5万円未満 13.3%
※みんなのウェディング調べ
出典URL:https://www.mwed.jp/manuals/446/ (外部リンク)

ただし、外部カメラマンを手配する場合は、会場側からNGになることや、OKでも持ち込み料を支払うこともあるため、その点を事前に確認する方が良いでしょう。会場費用や、そのほかのコストをカットしている分、思い出に残る晴れの日の写真にはこだわりたいという新郎新婦もいます。予算と相談をして決めていきましょう。

13. みんなが笑顔になれる、少人数披露宴を実現する

今の時代は、それぞれの価値観によって生き方を選ぶことが重視されています。その中で結婚式も大人数を呼んで行うものとは限られなくなってきました。大規模で予算も多く必要な派手な披露宴にこだわらず、自分たちの納得できる少人数披露宴をする人は今後も増えていくでしょう。

準備などのプレッシャーが比較的小さく、暖かな会話と笑顔に包まれた披露宴は、新郎新婦にもゲストにもアットホームで良い思い出を残します。経済的な理由や、派手なことが苦手という理由で結婚式や披露宴をしていなかった人も、少人数披露宴ならハードルが低くなるのではないでしょうか。