多くの方に既にお知らせしており、準備もはじめていた結婚式を延期・中止にするにはよほどの事情があります。どのような理由であれ、大変な状況にあると考えられますので、周囲にまで気をつかう余裕もなかなかもてないかもしれません。しかし、結婚式のために予定をあけ、様々な準備を整え、祝福しようとしていた方々には礼節をもってお知らせ・お詫びをすべきです。そうでないと、結婚式だけではなく、大切な人たちの信頼まで失いかねません。結婚式を延期・中止する時こそ、細心の注意を払わねばなりません。

1. 結婚式の延期・中止を伝える手段は?

状況・ケースによって、伝える手段としてとるべきものが異なります。いずれにしても連絡しなくてはいけないゲストのリストを作って、漏れがないよう確認しながら作業してください。

基本的には、封書でお伝えする

いち早く、楽に伝えられるのがSNS、メール、チャットなどデジタル通信ですが、結婚式の延期・中止を伝える手段としては基本的には、封書でお詫び状を送りたいところです。しかし皆忙しい中スケジュールを調整してくれていることを思えば、急いで知らせるべきではあります。まずメールや電話などでお知らせし、合わせて改めてお詫び状を封書で送る、というのが最善でしょう。家族も見てしまえるはがきは避けます。また、手書きではなく、パソコンなどで作成しプリンター印刷したものでもかまいません。

差出人ですが、招待状の差出人と同一が望ましいです。しかし、中止の理由が婚約破棄などの際は新郎新婦の連名でお知らせするのは難しいこともあるでしょう。その場合は自分の名前だけで送ることも致し方ありません。

式がカジュアルなスタイルで、招待状もメールだけだった場合

アナログの手紙をまったく利用しない世代も増えており、最近では招待状自体をメールで送り出席・欠席の管理を簡単にするサービスも登場ています。アナログよりもたくさんの情報が盛り込める上に、準備が楽。もらったほうとしても返信が簡単なので、徐々に受け入れられるようになってきました。今後メールでの招待状を選ぶカップルはいよいよ増えていきそうです。

この場合ですと、カジュアルなウェディングのスタイルということが相手にも伝わっていると考えられ、延期・中止のお知らせもメールや電話だけでも問題ないと感じる方が多いでしょう。

直接相手に会って、お詫びすべきケース

封書なら丁寧なお詫びになりますが、それだけでなく、きちんと事情を説明すべきケースもあります。単なる招待客ではなく、仲人、受付、挨拶、余興、二次会幹事など、特定の役割をお願いした場合は、できるだけ直接会って事情をお話しし、お詫びしたいところです。

直前で時間がない場合は電話でお知らせ

結婚式の延期・中止は数週間前、直前などに決まることも少なくありません。封書では間に合わないことも考えられます。きちんと相手にお知らせし、了解してもらうことは大前提ですので、丁寧に、しかしスピーディーに確実に電話でお知らせしましょう。

2. 盛り込む内容は?

封書、メール、電話、どのパターンでも、伝えるべき内容は以下の通りです。

結婚式が延期・中止になったことをまずは伝える

文章の場合問題ないと思いますが、電話の場合、言い出しにくいと感じるかもしれません。しかし、まずは結婚式が延期・中止であることをはっきりと伝えましょう。

祝福、出席の返事へのお礼を伝える

失意のあまり結婚式のことを考えるのも嫌な気分かもしれませんが、祝福して出席と返事をくれていたことに対してお礼を申し上げます。

延期・中止の理由は詳しくふれなくてもよい

何故結婚式が延期・中止になってしまったのか、このことは当然、ゲストにとって気にかかることではあります。書面の場合は理由を詳細に記載する必要はありません。ただ急な海外転勤、出張などの仕事の都合、本人身内の病気、不幸といった理由であれば、軽く触れておくと相手の理解も得やすいでしょう。

ふたりの間にいざこざがあり破談になったといった場合は、「やむなき事情で」と記載しておきます。親しい人への電話でのお知らせであっても、相手を責めるようなことを言ったり、感情的になったりしないように気をつけましょう。

お詫びをし、これからも変わらぬお付き合いをお願いする

文章では最後にお詫びをすると同時に、これからも変わらぬお付き合いをお願いします。電話でも、自分の感情が先行してしまうと、うっかりしてしまうことがあるかと思いますが、心配をかけた方々にお詫びの心を忘れないようしましょう。

延期で日程が決まっている場合、新しい日程を伝え、出席をお願いする

延期の場合で、はっきりした日程を伝えられる場合は、新たな日程をお伝えし、出席をお願いします。日程が決まっていない場合は、日程が決まってから改めて連絡する旨を伝えます。

3. 誰がお伝えする?

結婚式の延期・中止のお知らせは、基本的には当人たちで行います。最近では稀だとは思いますが、招待状の差出人が親であるような場合には、親からお知らせするというケースもあります。また、直前の延期・中止で、時間がなく手分けして電話しなくてはいけない場合は、親せきには親からお知らせるすることもあります。

4. お祝いの品、ご祝儀はどうする?

事前にお祝いの品、ご祝儀をいただいている場合は、結婚式が中止、破談のならば全てお返しします。その際、いただいた金額をそのまま返ことはマナー違反です。必ずいただいた金額の2~3割増しの金額の商品券を添えてお詫び状を添えた上でお返しします。

日程が決まっている上で結婚式を延期する場合は、相手に返す必要はありません。ただし、お詫び状は必ず送り、そこにいただいたお祝いは大切に保管させていただいている旨を伝えるようにしましょう。

5. 結婚式の延期・中止の文例

電話で、中止をお知らせする場合

先だって結婚のご報告をさせていただいておりましたが、やむを得ない事情により、婚約を解消することになりました。
〇〇様には温かい祝福をいただき、ご臨席のお返事を賜りましたのに申し訳ありません。
日を改めましてお詫びさせていただきますが、取り急ぎご報告させていただきます。
どうぞご理解くださいますよう、よろしくお願いいたします。

電話で、延期をお知らせする場合

〇月〇日予定の挙式ですが、やむを得ない事情がございまして(新郎父の病気のため※理由が書ける場合、理由を簡潔に)、延期することになりました。

大変ご迷惑、心配をおかけして申し訳ありませんが、〇〇頃に改めて結婚式を挙げたいと考えておりますので、その時はぜひともご出席いただくようお願いいたします。

文章で、中止をお知らせする場合

謹啓
〇〇(季節の言葉を入れる)の侯、ますますご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。

先日お知らせいたしました
〇〇(新郎の名前)
〇〇(新婦の名前)
の婚礼に際しましてはご祝福をいただき、ご臨席のお返事を賜りまして誠にありがとうございます。
やむなき事情により突然のことではございますが、〇月〇日に予定しておりました挙式の日時を中止いたしますことに相成りました。
日時が差し迫ってのご報告となり、ご迷惑とご心配をおかけいたしますこと、お詫び申し上げます。
何卒今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
略儀ではございますが、お詫びまで申し上げます。

謹白

文章で、日程変更をお知らせする場合

謹啓
〇〇(季節の言葉を入れる)の侯、ますますご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。

先日お知らせいたしました
〇〇(新郎の名前)
〇〇(新婦の名前)
の結婚式は〇年〇月〇日〇時の予定でご案内申し上げましたが、都合により(延期の理由によっては詳しく記載することもあります。例えば、海外への栄転など)〇年〇月〇日〇時開宴に変更となりました。
ご迷惑をおかけしますが、ご臨席賜りますようよろしくお願いいたします。

謹白

フォーマルな文章は書き慣れていない方のほうが多いため、どう書いて良いか悩むことが多いと思いますが、文例を参考に真摯な気持ちで書きましょう。結婚式を延期、中止することは、新郎新婦にとっては辛い体験かもしれませんが、そういう時だからこそ、周囲の方の温かい手助けが必要なことが多いものです。ここは、引き続きのかわらぬおつきあいや、助力やアドバイスをもらえるようにするためにも、心から誠実にお詫びをし、マナーを守ることが大切と言えるでしょう。