外国籍の相手と結婚し日本または海外で暮らす国際結婚。グローバルでかっこいいイメージがあるからか憧れている人も少なくありませんが、実際に国際結婚している日本人はどのくらいいるのでしょうか。そして相手の出身国はどこが多いのか、調べてみました。
日本人男性はモテるのか?国際結婚する日本人は男性7割・女性3割の事実と国際結婚が激減している事実
国際結婚の数は減っている
留学をする学生や海外で働く人が増え、また外資系の日本進出・外国人の雇用拡大などもありどんどん国際的になっている印象の日本ですが、実は国際結婚の数自体は減少傾向にあります。
厚生労働省の人口動態統計によると、ピークは2006年。統計を始めた1965年には4,156件だった婚姻件数が、2006年には約44,701件と10倍以上に上昇しています。そこから減少を始め、最新データである2014年には21,1130件となり、ピーク時に比べ半減しています。
そして統計をよく見てみると、減少したのは結婚相手が外国人女性の場合、つまり「日本人の夫と外国人の妻」という組み合わせに多いことに気づきます。「外国人の夫と日本人の妻」となる婚姻は8,708件→6,132件と3割減程度なのに比べ、「日本人の夫と、外国人の妻」との婚姻は、35,993件→14,998件と6割減にもなっているのです。
男性が日本人、女性が外国人という組み合わせが実は多い
ところで、国際結婚というと漠然と「女性が憧れているもの」という印象がありませんか?国際結婚したい、外国人の彼氏がほしい、と口にする女性は(本気の度合いは別として)わりと見かけますが、日本人の男性は国際結婚や国際恋愛に消極的なイメージがあります。
先の(表1)を見てお気づきかもしれませんが、実は国際結婚の多くは、日本人男性と外国人女性という組み合わせなのです。国際結婚のピークである2006年には国際結婚の約8割が日本人男性と外国人女性の組み合わせでした。2014年でも約7割が日本人男性と外国人女性の組み合わせです。
また、このうち多くは日本人男性とアジア人女性との結婚によるものです。アジアの中でトップクラスの経済力を持つとされる日本人男性はモテる、ということでしょうか。とはいえ、その日本人男性と結婚する外国人女性(≒アジア人女性)が激減している、という事実は、アジアにおける日本の経済地位の相対的な低下も示唆しているのかもしれません。
(表1)にある通り、2014年に日本人男性が結婚した女性の国籍は1位が中国(40.1%)、2位フィリピン(20%)、3位韓国・朝鮮(16.1%)となっており、この順位は10年以上変わっていません。1991年まで「その他の外国」として扱っていたフィリピン国籍の相手との婚姻を調査するようになってからは、これらの国が常に上位3位に入っています。
地理的にも近く、文化にも共通点が多い中国や韓国・朝鮮との結婚が多いのは納得ですが、フィリピンの場合には日本とフィリピンの政府の動きによるところも大きいようです。海外雇用庁という機関が存在し、今も昔も外国での「出稼ぎ」を奨励しているフィリピン政府と、タレントとして接客業に就くことで興業ビザを発行しフィリピン女性を歓迎していた日本政府。その状態が約20年続き、多いときには日本に移住してくるフィリピン人の8割ほどは女性だったようです。明るくおしゃべり好きで語学も堪能なフィリピン人女性は、当時の日本人男性の心をがっちりとつかみ大人気に。結婚するカップルも増えたというのが実態のようです。
女性が日本人、男性が外国人の場合
それでは男性側が外国人の場合はどうでしょうか。(表1)を見ていただくと、2014年の統計では、1位韓国・朝鮮(27.7%)、2位アメリカ(17.7%)、3位中国(12.7%)となっており、この順位は統計を開始以来一度も変わっていません。
韓国・朝鮮と中国については、日本人男性の国際結婚と同じように地理的に身近な存在であることが理由と言えそうです。アメリカ人の男性との国際結婚は、横浜や沖縄などの在日米軍との結婚によるところが大きいでしょう。
また、国際結婚をしたい日本人女性に人気のある欧米諸国としては、イギリス籍の男性が5位(3.8%)となっています。日本から遠く、軍や日系移民などの関わりがないイギリスですが、同じ島国ということで相性がいいのかもしれません。
欧米で日本人男性がモテない理由を考えてみる
<p.ちなみに2014年の段階でイギリス人女性と結婚している日本人男性は50人である一方で、同国男性と結婚した日本人女性は236人。欧米諸国でモテるのは女性であるといえそうです。清潔感と気配り上手なところが愛される日本人女性に比べ、世界的に見ると身長が低く華奢な日本人男性は、高身長でがっちりマッチョが人気の欧米では第一印象でなかなか苦戦する、ということなのかもしれません。いずれにしてもゆっくりでも着実に国際化を進めている今の日本で生まれ育った人ならば、以前とは違った視点から様々な国の人達と国際恋愛・国際結婚をエンジョイすることができるはず。日本人同士でも同じことですが、結婚後には夫婦二人で力を合わせて家庭を築いていきたいものです。