普段はお互い別々に生活し、週末だけ夫婦として一緒に生活する週末婚。まるで平安時代の貴族の通い婚のようですが、それぞれの職場が離れているため一緒に住めないという夫婦、独身時代の生活スタイルを変えたくないという夫婦にはもってこいの結婚の形といえます。実際にそのメリットは少なくなく、既婚者でも「羨ましい…」と感じる方も少なくないようですが、長くなればなるほどその継続は困難なようです。
憧れの“週末婚”実際に長く続けるのは困難?
金銭面でも生活面でも相手の面倒をみる必要はなく、ずっと恋人気分!
週末婚をする理由で一番多いのは、結婚はしたいけど、お互いの職場が離れているため同居できないというもの。そのため、多くの夫婦がお互いに経済的に自立しており、やりがいのある仕事をしており、自分の生活スタイルを確立しているようです。よって、結婚してもわざわざ家計を一緒にする必要も、家事など相手にしてもらう必要もないのでしょう。
結婚し一緒に住みだすと、日本では多くの場合、女性は男性に比べて収入が少ないため、男性のほうに経済的負担が増えますし、家計が1つになりお小遣い制になることもあります。しかし、男性は前記したような週末婚ならこれまで通り自由に自分のためだけにお金を使えます。
女性も妻として、主婦としての役割を負わされることなく、家事は一人分でよいわけです。たまの休みに会うだけですから、お互いの存在が新鮮に感じられ、いつまでも恋人気分でいられるかもしれません。
こうしてみると週末婚のメリットは少なくないようにも思えます。
子どもができてはじめて同居という不安 経済的にも継続は難しい…
しかし、週末婚は期間限定であることが多いようです。2人の間に子どもができたとき、子どものためには父親と母親が別居している状態は良いとはいえませんし、そもそも子どもを作るにあたって週末婚は不都合といえます。女性が産める期間には限りがありますから、とくに高齢出産となる35歳以上の場合、早いうちに決断する必要があるでしょう。
また、出産してはじめて同居というのもかなり大変なのではないかと推察されます。出産後は女性の生活はガラリと変化し、とくにはじめての育児の場合、とても大変です。それなのに、さらに夫ともはじめて一緒に毎日生活するというのは二重にストレスとなる可能性があります。もちろん、夫は育児、家事に協力的なら助かるでしょうが、それどころかやっと一緒に暮らすのに妻は赤ちゃんのことばかり…と不満に思うケースもありそうです。
また、ずっと週末婚を続ける場合、大きいのは経済的な面です。お互い働いていても世帯が2つではそれ自体不経済ですし、住んでいる場所によっては行き来するための交通費の負担も大きいのではないでしょうか。タレントの神田うの夫妻はそれぞれ自分の家をもち、お互い行ったり来たりしているそうですが、彼らのような桁外れのお金持ちならそれも問題ないのかもしれませんが、一般の方はこのデメリットは大きいと思います。さらに、万が一病気や怪我といったトラブルがあった場合、手助けするのも難しいでしょう。
一生知らずに済むのか?
「週末婚は自由でいいなぁ、結婚のいいとこどり!」とも思えまずが、長く続ければ続けるほどいろいろな問題が出てきそうです。私の友人でお互いそれぞれの親の家に住みつつ結婚した夫婦がいました。独身のときは彼らの結婚について、親の家にそのまま娘として住めて夫の面倒をみなくていいなんて羨ましいとも思えましたが、自分が結婚して夫と生活を共にしだすと、結局彼らの結婚生活はスタートしていないのではないかと思えてきました。
何かのタイミングでいざ一緒に生活し始めることはあるでしょう。一緒に生活をするとその変化に耐えられない場合もありえます。一緒に住まなければ知らずに済むこともたくさんあるでしょう。だからこそ仲良くいられるかもしれません。しかし、いずれ知るときがくるなら、それを先延ばししすぎることは2人にとって良いこととはいえないのではないでしょうか。