「結婚はコスパが悪い」「結婚はデメリットだらけ」だなんてシニカルな見方も世の中にあるようですが、多くの既婚者は、「確かに失うものも大きいがそれだけではない」と思っているのではないでしょうか。
私は30代の半ばまで独身生活を続け、そして結婚しましたが、やはりそのギャップは大きいものでした。一口に結婚といってもいろいろなスタイルがありますのであくまで私個人の経験ですが、ここでは40歳の主婦兼ライターである私が実感する結婚によって失ったもの、得たものについて考えてみたいと思います。
40歳主婦が実感する、結婚して失ったもの、得たもの
結婚によって失ったものとは…
1. 自分の時間
一番にあげたいのはまずこれです。独身時代、仕事以外はほぼ自分のためだけの時間でした。これが結婚し、とくに子どもが生まれてからは、家事や子育てに費やされ、睡眠時間以外には1日に1~3時間あるかないかに…。
私のように子どもを持ち、仕事をしている日本のお母さんにとってこれは普通の状況と思われます…。男性も女性ほど極端ではないものの、少なからず自分の時間はなくなったと感じる方が多いのではないでしょうか。
2. 自分のためにかけるお金
独身時代の素晴らしさはやはり自分のためにかけられるお金が多いことにあると思います。それこそが「結婚はコスパが悪い」という発想につながるのでしょう。しかし、これは私だけではなく、男女問わず、意外にも多くの人が結婚してしまえばこうした状況をわりと受け入れることができるようです。
たとえば私は、以前のように毎月ミュージカル鑑賞できないこと、気に入った洋服を買えないことに苦痛を感じません。ある知り合いの独身男性は友人の男性がお小遣い月1万円なんてあり得ない、よく我慢できると言っていましたが、けっこうそういうものだと受け入れられるのが結婚というもののように思います。
3. ときめき
ある女友だちが「夫は家族。家族に恋愛なんかできないから仕方ない」といっていましたが、私も正直同感です。確かに大切な人ではあるのですが、家族は家族なんですよね…。
結婚によって得たものとは…
1. 自分の家族
結婚して実感したのは、生まれ育った家族はあくまで親の作り上げた家族。自分が作った自分が守らなければならない家族とは別物。その責任が大きなものではあるけれど、やっぱり自分の家族は格別と私は思っています。
2. 人間関係が広がった
結婚して独身時代の友だちとの付き合いがなくなる例もありますが、新たな出会いのほうが多いと私は感じます。私の場合、独身時代は仕事や友だちといった人間関係のみでしたが、主婦になったことで地域の人や近所の人とも付き合うようになりました。それから、やはり子育てを通しての出会いは大きなものでした。
3. 視野が広がった
独身時代にはない妻としての視点、主婦としての視点、母親としての視点が加わり、視野は確実に広がったと思います。その分、独身時代の勢いや思い切りはなくなったのかもしれませんが…。
結婚することが必ずしも幸せとは私は思いません。結婚しなければ、本来しなくてよかったはずの苦労がたくさんあることは事実です。しかし、自分の家族を持つことでしか経験しようがない体験はマイナスよりプラスが多いと私は思います。