「高齢ウェディング」の2つ目の意外なポイントは、「ママ友」｢パパ友｣とのお付き合いです。「高齢ウェディング」の場合、例えば、25歳で授かり婚のカップルと40歳でようやく高齢出産したカップルが、子どもの「ママ友」「パパ友」として、PTAなどで同じように行動しなくてはなりません。これはわかっているようでも、結構難しいものなのです。

人生で初めてとなる「年下」と朋輩のお付き合い

「高齢ウェディング」の場合、会社ならば明らかに上司と部下の関係の年齢差のある人たちと、「ママ同士」「パパ同士」としてお付き合いをしていかなくてはいけません。年下のカップルが年上のカップルと接する場合は、丁寧にしていれば、そんなに大きな問題は起きないでしょう。上司と接している感覚でいけばいいのです。

しかし、逆の場合は大変です。ほとんどの人の場合、年上の方との付き合いは様々な場面で経験しているでしょうが、年下の人との付き合いは上下関係を意識して、いわば上に立った気持ちで付き合うということしか経験がないでしょう。しかし、重松清の「流星ワゴン」にも出てくる、朋輩（ほうばい）と呼ばれる年齢や社会的な立場を超えた五分と五分の付き合いをしなくてはならないのが、「ママ友」「パパ友」なのです。

「ママ友」「パパ友」に地位や役職は関係ない

なぜ、年下と朋輩にならなくてはならないかというと、子ども同士が同級生だからです。そこには上下関係はありません。ですから、同じクラスの子どもの親として、全く同じ土俵に立っているのです。例えば、PTAなどで一緒に行動する時でも、「○○くんのママ」「○○さんのパパ」で呼ばれます。そこには、社会的な地位や会社での役職も関係ありません。

皆さんはあまり意識されたことはないかもしれませんが、社会的な地位や会社での役職というのは、ご自身の行動を意外と支配しているものです。雰囲気ってありますよね。社長らしい雰囲気。課長らしい言動などがそうです。仕事をしていれば、女性でも同じ様な雰囲気や言動が身についています。専業主婦の方でも、パートナーによって、それなりの貫録がついてきます。でも、同じ学年である子どもの前では関係ありません。同じ「ママ友」「パパ友」でなくてはならないのです。

違いを理解すると、わかりあえる？

年代が明らかに違う「ママ友」「パパ友」とうまく付き合っていくためには、いろんな話をすることが大切です。最初は子ども同士の交流の中での挨拶位からのスタートになるかもしれませんが、そのようにして、「これは話しては相手を傷つける」、「これをいうのはウチの恥になる」など、あまりNGワードを設定せずに、お互いのことを話していけばいいと思います。

相手の話もよく聞くようにしましょう。そうすることでお互いの違いを理解することができるのです。違いが理解できれば、わかりあえる点もでてきます。妥協すべきポイントや、主張しておきたい大事なこだわりも、相手に理解してもらえるはずです。そうすると、年代もむしろ、お互いの違いを理解するための1つの材料に過ぎなくなってしまいます。

カラオケのレパートリーなども違いを理解するポイント

私の経験では、少なくとも年に1回か2回程度は、ママ友、パパ友が集まっての飲み会があります（人によっては、もっと多いかもしれません）。その後にカラオケなんかで盛り上がることもあるでしょう。その時に歌うレパートリーなども、年代によって様々なはずです。「こんな一面があるんだ」という発見にもなるはず。お互いの違いを理解する絶好の機会ですから、この手のイベントにはできるだけ積極的に参加しましょう。