妊娠がきっかけで結婚することを「できちゃった結婚」、「できちゃった婚」あるいは「でき婚」「おめでた婚」「授かり婚」「マタニティ婚」と称されます。平成22年度「出生に関する統計」(厚生労働省調査)によれば、結婚したカップルのうち、マタニティ婚の割合は全体の25.3%、また女性の年代別に見ると、10代で8割、20代前半で6割、20代後半で2割、30代以降は1割と、年齢が若いほど割合が高い傾向が続いています。
妊婦姿で挙式を上げることは「マタニティウェディング」と呼ばれますが、服飾業界の関係者によれば、専用のウェディングドレスが必要とされる花嫁は、40%もいるそうです。残念ながら式場や衣裳店には、専用のウェディングドレスがまだ殆ど用意されていないのが現状。フリーサイズや、編み上げの紐を緩めて無理に着せてしまうなどの“とりあえず応急処置”的なドレスで合わせているというのが状況だそうです。「間に合わせの、似合わないドレスで大切な結婚式の日を迎えなくてはならない花嫁さんの何とお気の毒なことか」と現状を良く知っている服飾関係者が嘆いています。
マタニティウェディングを成功させる第一歩は、ドレス選びから始まります。マタニティドレス専門のショップもニーズに応えようと、増えてきました。そこでマタニティウェディングドレスのショップを選ぶポイントを、百貨店勤務を経て、ドレス専門店でマタニティドレスも担当した元従業員(32歳)のKさんから、ショップの選び方を教えてもらいました。Kさんも昨年、マタニティ婚で長女を出産したお母さんです。
1. マタニティ専用のドレスは妊娠6か月以降が目安
「まず挙式時の時に、妊娠5ヶ月までなら、個人差によりまずが、花嫁さんは体型にさほど変化がないので、どのドレス店でも気に入ったドレスを選べます。マタニティ専用のドレスでなくても大丈夫ですが、念のためフリーサイズのものを選んでおくと、より安心する方も多いです。」
2. マタニティ専用ドレスが10着以上置いてあるショップなら合格ライン
「マタニティ専門のドレスを10着以上置いてあるところは、かなり力を入れていると考えていいでしょう。この場合、フリーサイズはカウントしまぜん。」
3. ドレスのコーディネーターが出産経験のある人ならベスト
「挙式時のドレスのサイズ予測を立てられるのは、出産未経験者より出産経験者がより確かです。試着時にぴったりのドレスでも、挙式時にはサイズが変わるからです。お腹周りにフリルやリボンというドレスは太って見えると、的確にアドバイスした出産経験のある先輩がいました。マタニティファッションも、経験者のアドバイスが生きてきます。」
4. 高いヒールで試着を求める店は、アウト!
「妊婦になってわかったのは、妊娠中はむくみやすいこと。またお母さんの役割は、お腹の赤ちゃんを守りために転倒や事故を防ぐことが第一です。ですから試着の時に、高いハイヒールを勧めるショップはNG。3~5センチぐらいの高さが妥当ではないでしょうか。」
5. 挙式直前のサイズが合わなくなった場合、直しの費用は1万5,000円以下
「妊婦さんの体型も個人差がありますから、予測して作ったとしても、挙式直前にサイズが合わなくなることがあります。その時の直しは、1万5,000円以下が妥当です。またドレスの長さだけを換える場合、5,000円~6,000円ぐらいでしょう。」
6. レンタルドレスの選び方のポイントは、「品数の多いショップ」
「予測していた体型が変わることがあるのも、マタニティウェディングの常識と考えたほうがいいですね。対策として、候補を2~3着予約しておくことでしょう。そのためにも、10着以上と品数の多いショップを選びましょう。」
7. キャンセル料金を、予め聞いておくこと
「予約していたドレスの直しが難しかったなど、お腹が予想以上に大きくなってしまった妊婦さんの悩みを解消する方法として、予めキャンセル料を聞いておきましょう。最悪の場合を想定しておけば、安心ですね。」
あなたらしいマタニティ婚のためにも、くれぐれも無理せず、健康管理に留意しながら、宿っている新しい命と共に、素敵な思い出を作ってくださいね。