一般的にはプロポーズから結婚式まで6か月から2年程度かかるようだ。この期間は楽しい時期でもあるが、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し・・・」という日本国憲法第24条がいかに遵守されていないかを思い知る時期でもある。
さまざまなことに双方の親御様が介入してくる。たとえば、私の場合、母親が眺めのよい一流料亭で両家顔合わせをすべきだと主張した。私達の希望等は聞いてももらえなかった。双方から3名ずつ、合計6名が、大阪市内の高級日本料理店で、ひとりあたり2万円程度の食事をいただいた。でも費用は食事代だけではない。母親のパーマ代、着付け代、先方のご両親様へのお足代、お土産代、普段地下鉄で行くところもタクシー利用等で5万円程度別途必要となり、合計17万円ほどだった。これは男性側が全額支払った。
結婚式前最大の行事は結納だろう。都市部では住宅事情により、ホテルやレストラン個室で結納を行うことが多いそうだが、私の場合は、奈良県吉野にある家内の実家で執り行われた。地域によってしきたりは異なるようだが、私たちの結納は関西方式と呼ばれるもので行った。関西方式では、私(男性側)だけが相手側に結納品をわたす。結納品は10万円程度のもので、かなりかさばるものだった。両親と私の3人で相手側実家の和室に並べた。当日、結納品とは別に結納金もお渡しした。これは互いの経済事情や考え方にもよるそうだが、私の場合は100万円を渡した。これも母親から「来月までに100万円を用意しておきなさい」と言われて、冷や汗をかいてかき集めた覚えがある。
家内の両親から後日、「結納返し」をいただいた。それはお金ではなく、三越デパートでのスーツの仕立券だった。早速一流デパートの誂え紳士服コーナーで仕立ててもらった。いただいてから今年で17年目、補修は何度か行ったが、現在も「現役」でよく着る。金額的には20-30万円のものではないかと思う。
まだまだお金は必要だ。結婚式までに新居を決めておかねばならない。私の場合は賃貸マンションだった。2LDKで家賃は駐車料込で13万円ほどだった。契約時に関西では礼金敷金を支払うので、50万円ほどが必要だった。新居を決める場合にも、双方の親ができるだけ実家に近いところに住んでもらいたいと考え、いろいろ圧力がかかった。
プロポーズから結婚式までは、お金の工面をするのは勿論のこと、双方の両親とうまく折り合いをつけていく「試練の時期」なのだ。これを乗り切らなければ結婚式までたどりつけない。