欧米では役所で挙式するシビルウェディングは一般的なスタイル。シンプルでありながら、きちんとした挙式ができ、法的に夫婦となるセレモニーにもなるのが魅力です。最近、日本でも「ゼクシイ」の企画から役所で行う「届け出挙式」が全国の一部の自治体で行われ話題になりました。今回は、今後さらに注目が集まる「届け出挙式」についてご紹介します。
役所で結婚式?「届け出挙式」とは
1. 役所で挙式するシビルウェディング、欧米では一般的
法律上の夫婦になる誓いの儀式を伴うシビルウェディングは、欧米で一般的な挙式スタイル。民事的に行う結婚式には宗教色がなく、信仰の違うカップルでも行うことができます。
欧米のシビルウェディングでは、市役所や裁判所などで、資格を持った判事や市長などが立会人となります。彼らが牧師のように式の進行をします。
そうした役所には、セレモニー用のホールがあり、住民が気軽に集まれる結婚式が行われることもあるようです。由緒ある市役所など、建物も美しく、チャペルとは違った趣のある結婚式になっています。
挙式後は、市役所のバンケットルームや、近くのレセプションホールに移動して立食パーティをしたり、ダンスをしたり、歌を歌ったり、アットホームな披露宴を行うこともあるのだそう。
また、欧米のシビルウェディングでは、ウェディングドレスを着ない花嫁もよく見られます。お気に入りの服を着て、役所で結婚するカップルの姿には、日本とは違う文化を感じる人も多いでしょう。
2. 日本各地で広がる届け出挙式
欧米と違い、日本には戸籍制度があり、婚姻届の届け出をするだけで法的に結婚が認められます。しかし婚姻届けを出す窓口は通常業務の場と変わらず、対応も事務的で味気ないという印象をもつ人もいるでしょう。
その中で、北海道の苫小牧市など、市庁舎で行う届け出結婚式が話題になりました。婚姻届けを提出する際に、役所のホールなどでプチ挙式をする「届け出挙式」という新しいスタイルが提案されたのです。届け出と挙式が同時というのは、欧米のシビルウェディングになぞらえた部分がありますね。
実際に届け出挙式を行える市町村は、少しずつ増えてきているようです。各自治体が希望者を公募し、抽選によって挙式するしくみになっています。
届け出挙式を行った自治体
- ・北海道 苫小牧市
- ・神奈川県 横須賀市
- ・東京都 八王子市
- ・埼玉県 越谷市
- など
3. 届け出挙式のメリット・デメリット
市庁舎で結婚式を挙げる「届け出挙式」は、人前式の一つのスタイルとなります。大げさな挙式は恥ずかしいけれど、ちょっとしたセレモニーは経験しておきたいというカップルにおすすめです。
会場の利用料は無料であることが多いようで全体の費用もぐっと抑えられそうです。市長が花向けの言葉を述べてくれたり、結婚証明書の発行をメモリアルに行えたりといった、心に残る式典も魅力です。
住んでいる地域で結婚式をすることで、地元への愛着が湧くことや、市役所などは交通の便が良いといったメリットもあります。また、服装は自由で、参加費も無料なので、思い思いの結婚式ができるでしょう。挙式の際に婚姻届けも提出でき、短時間で終わるプチ挙式が、忙しい今どきカップルにはうれしいですね。
デメリットとしては開催日は自治体が決めており、挙式できる日が限定的でほぼ平日開催となるため、ゲストは多くならない点です。
まとめ
海外のシビルウェディングのような「届け出挙式」は、忙しいけれどシンプルに結婚式を挙げたいというカップルにおすすめです。今後日本各地の自治体に広がっていくことで、結婚式という、費用面でも、時間的制約でも高いハードルを低くすることになりそうです。
婚姻届けを出す際に、プチ挙式ができる効率の良さだけでなく、地域とのつながりが感じられる素敵な結婚式になるのではないでしょうか。今後、「届け出挙式」が広まっていく中で、欧米のシビルウェディングのように、日本でも一般的な挙式スタイルの一つになっていくかもしれませんね。