披露宴へのゲストとしての出席は日常的なものではないので、マナーをしっかり把握している人は意外と少ないかもしれません。中でも披露宴のコース料理はふだん食べる機会も少なく、披露宴のプログラムの進行に合わせて周囲の人の食事のペースもうかがいつつ、歓談をしながら食べるというなかなか高度なもの。新郎新婦がプランナーやシェフと相談しながら心を込めて決めたお料理を落ち着いて美味しく食べることができるように、披露宴におけるゲストの食事中マナーについておさらいしておきましょう。
披露宴出席の前におさらい~招待客の食事マナー・・・食べ始めるタイミング、拍手をする時、デザートビュッフェ・・・
1. 披露宴の食事スタート&食事終了は?
披露宴の食事のスタート、食べ始めて良いタイミングは「同じテーブル全員に料理が出て、テーブルの中でもっとも目上の人がナイフとフォークを持ったら」です。自分の前にお皿が置かれたらすぐ食べ始めるのはNG。ナプキンは二つ折りにして輪を手前にして膝の上に置きます。食事中に口を拭うときにナプキンを使いますが口紅がついたり汚れてしまったりしてもかまいません。
洋食の場合は、右側と左側のカトラリーをそれぞれ外側から使います。コース料理はテーブルごとのタイミングで次の料理が運ばれるので、テーブルの他の人より極端に遅れないようなペースで食べ進め、食後はナイフとフォークは揃えてお皿の上に置きましょう。
披露宴の食事は「クライマックスのセレモニー」までに済ませ、新婦の両親への手紙や花束贈呈、新郎の挨拶などを集中して聞くようにします。
- テーブル内でもっとも目上の人がナイフとフォークを持ったら「食事開始」。
- ナプキンは輪を手前にして膝に置く。
- 「クライマックスの演出」までに食べ終えるようにする。
2. 披露宴中の食事の進め方は?
乾杯の際は、目の高さにグラスを挙げてグラス同士をあてないようにします。祝辞や余興の時は基本的に食事を続けてかまいませんが、ナイフやフォークなどとお皿の音がうるさくならないように気をつけます。拍手をするときは食事の手を止めてナイフの刃は内側に向け、ナイフとフォークをお皿の上に「ハ」の字に置きます。お酒は、ビールは同じテーブルの中でお酌をし合ってもかまいませんが、ワインは給仕係が注ぎますので、グラスは手に持たずテーブルに置いたままにします。もし食事中にグラスを倒したりナイフやフォークを落としてしまっても、自分で拾うのはNG。「失礼しました」と同じテーブルの招待客に一言添えて、給仕係の方にお願いして新しいものと取り替えてもらいます。
披露宴中にお手洗いに行くときは演出の合間などタイミングを見て立ち上がります。ナプキンは口を拭いた部分が見えないように軽くたたんで椅子の座面に置いておきます。
- 乾杯の時にグラスはあてない。
- 招待客どうしのお酌はビールはOK、ワインはNG。ワインは給仕係に注いでもらう。
- ナイフやフォークを落としても、自分で拾わない。
- お手洗いに行くときは演出の合間に。
- 中座する時はナプキンは椅子の上に置く。
3. デザートビュッフェのマナーは?
コース料理の最後のデザートはビュッフェスタイルという披露宴も多くみられ、別のテーブルの友人・知人や新郎新婦と話すきっかけにもなります。同じテーブルの友だちの分などをまとめて取ったりせず、一度に持ち運ぶお皿は一人一皿で自分の分だけを取ります。お皿には2~3品を取るようにし、お料理がのっているテーブルの前で話し込まずに早めに離れ他の人が取れるようにします。ビュッフェテーブルの近くの椅子は年配の方向けと考えて、座り込んで友人同士固まらないようにしましょう。
- デザートビュッフェは一つのお皿に自分の分だけ取る。
- ビュッフェテーブルの前に立ち止まらない。
- 椅子は年配の方向け。
披露宴は招かれた側も緊張しがちですが、マナーばかりに気を取られてしまうと新郎新婦をお祝いしたりパーティーを楽しむことができません。最低限のマナーは知っておいた上で演出や歓談も楽しむ余裕をもって出席したいですね。