1. ソロウェディングをおさらい

お一人様がプロメイクにヘアセットをし、大好きなドレスで花嫁姿の写真をフォトスタジオなどで残す、ソロウェディング。新しいウェディングのスタイルとして初めて注目されたのは2015年ごろでした。

ソロウェディングは、誰にも邪魔されず一番好きなドレスを選ぶことができ、好きなポーズにも一人で没頭できるのが魅力。しかもプロによるメイクやヘアアレンジで、一番きれいな自分に仕上げてもらえます。

カメラマンもウェディングフォトを取り慣れているので、花嫁が美しく映るように声掛けもしてくれ安心です。中には、前日から宿泊しエステを受けられるプランもあります。ソロウェディングでは、結婚式までの大変な準備や、パートナーやゲストへの配慮という煩わしさもなく、純粋に花嫁衣裳を着ることに集中できるのが人気のポイントになります。

ソロウェディングが生まれた2015年当時は「寂しいイメージがする」など否定的な意見もありましたが、最近は受け入れ方に変化が出てきているようです。2017年のマイナビウーマンの調査によると、独身男女のソロウェディングへの反応として、46.39%が好意的だったという結果があります※。

実際に、「ソロウェディング」というワードで検索するとたくさんのフォトスタジオのサイトがヒットします。需要が高まり、ソロウェディングを扱っているスタジオも増えサービスも多様化しています。10万円前後で撮影できるプランも増えていて、女性の一番美しい姿を残すためのイベントとして、より気軽にできるように広がっているようです。

※出典

2. 既婚者にも広がるソロウェディング

ソロウェディングといっても、お披露目会をするケースもあり、一人でひっそりと行う儀式ではなくなっています。また、SNSで写真をシェアする企画もあるなど、よりカジュアルに受け入れられるようになっています。

未婚に限らず、既婚者のソロウェディングフォトも人気があり、女性の花嫁姿に愛着を持つ女性は結婚しているしていないに関わらず、少なくないことがわかります。既婚女性は、結婚式のためにダイエットが成功したタイミングで色々なドレス姿を残したいということソロウェディングを選ぶケースもあるようです。

また、これまでは、女性が一人で写真を撮りに行くのがソロウェディングの定番スタイルでしたが、現在はより多様なニーズに応えているようです。未婚と既婚の女性がソロウェディングをする理由の違いをみてみましょう。

未婚者

  • 親と一緒に…自分の晴れ姿を見せたいから。結婚するかは未定でも、娘の美しい姿を見て喜ぶ親は少なくありません。
  • 女友達と一緒に…仲良しの友達と一緒に、ウェディングドレスなどを着て撮るイベントに。何人もの花嫁の姿は、映画のワンシーンのように、印象的な写真になります。

既婚者

  • 子どもと一緒に…子どもと一緒にドレスを着て写真を残すスタイル。おめでた婚などで来たいドレスが着れなかったママにも人気。子どもと母親だけなら予定が合わせやすく、平日の撮影もできるのが魅力。
  • 和装を選んで…結婚式とは違う姿を残したいということでソロウェディングをする既婚女性もいます。前撮り、別撮り、の感覚に近い。

3. ソロウェディングを選ぶ女性たちの深い訳

ソロウェディングでは、人生のセレモニーというよりも、自分自身へのご褒美のイベントとして、自分が着たいドレスを選ぶ自由な姿が注目されてきました。晩婚化の中で、結婚するかどうかわからない中で、今の自分の一番美しい花嫁衣裳姿を残したいという希望がソロウェディングを後押ししてきたといえます。しかし、最近ははその理由も様々になっています。

中には、「離婚してかつての結婚式を忘れたいから」といった理由や、「結婚式をしていなかったし、する予定もないから」ということで既婚者が夫にも言わず一人でソロウェディングを決めることもあります。わずらわしい式の準備や家族との調整にいっさいとらわれず、ウェディングドレスを着る夢だけは叶える。とても合理的な考え方ですね。

また、「お姫様のようになりたい」ウェディングドレスが好きだからという理由だけでなく、「美意識を高めるため」という理由もあるようです。積極的にウェディングドレスを着ることで、実際に結婚への意識が高まるという理由から、ソロウェディングを進めている結婚相談所もあります。

また、中には一生一人でいると決め、けじめとしてソロウェディングをする女性もいます。ソロウェディングをすることで、より前を向いて生きていく節目とする女性もいるのですね。気軽な気持ちでソロウェディングを楽しむ女性だけでなく、人生に必要なイベントとして強い思いで臨む女性もいるようです。

まとめ

ソロウェディングが広がることで、ウェディングドレスを着たいときに着る、という発想が生まれ定着してきました。以前、ソロウェディングは、寂しい・イタいといったマイナスのイメージがありましたが、現在は、より自由に大好きなウェディングドレスを着るためのイベントとして認識されています。結婚していても、していなくても、思い入れのあるドレスや着物を着て美しい自分の写真を残したいという気持ちは変わりませんね。結婚と、ウェディングドレスを切り離すことで、より自由に自分自身の人生を楽しむきっかけにする女性も生まれているようです。