結婚式の雰囲気は、様々なものによって演出されます。装花やクロス類などの会場装飾や色使い、花嫁のドレスによっても違った印象になるでしょう。その中でも、会場の空気をガラリと変えるほどの役割を担っているのが、音楽。とても大切な要素になります。
しかし、その分注意もしなくてはなりません。流行りの曲ばかりでは、二人らしさがなかなか出せませんし、何より年配の方が分からずに楽しめない可能性が高いのです。かと言って、個性を追求しすぎてマイナーな曲ばかりでは、より多くのゲストが退屈してしまいます。
そんな時、頼りたいのが映画音楽です。あまり年齢を選ばず、大勢の耳に触れていることが多いし、二人の好きな映画から選べば、他にはない披露宴を演出できるでしょう。ここでは、そんな映画音楽を選ぶ時のポイントとオススメの曲をご紹介したいと思います。
素敵な披露宴のためには...... 映画音楽でゲストの心をつかめ!
一番のポイントは「有名ソング」
ゲストが楽しめる曲とはどんなものでしょう?それは、知っている映画、知っている曲、これに尽きます。なるべく誰でも知っている有名な曲を選ぶことが、会場を盛り上げるポイントになります。特に、ケーキ入刀など、ここぞという場面では、定番の曲のサビを流してインパクトを出しましょう。
オススメは『ボディガード』の「I Will Always Love You.」や『タイタニック』の「My Heart Will Go On.」、『アナと雪の女王』の「Let It Go」など。古いものなら『風と共に去りぬ』の「タラのテーマ」もいいかも知れません。
どれも、定番中の定番ですが、だからこそ万一映画を見たことがなくてもバラエティ番組など、別のところで耳にしている可能性が高いのです。みんなが楽しめる、そんな披露宴にするためには、幅広く知られている曲であることが重要なのです。
より盛り上げるためには......
会場を、もっともっと盛り上げたい!そう思うのであれば、映画音楽であることを、思い切り利用してみましょう。元の映画では、当然、物語のワンシーンで音楽は流れています。そうした映画の場面を、音楽と共に思い浮かべられれば、より楽しめること間違いありません!
先に挙げた『タイタニック』などは良い例で、船首の場面は、超がつくほど有名です。二人で並んでメインテーマを流すだけでも、映画のシーンを連想させられます。他にも、『E.T.』の音楽から自転車で空を飛ぶシーン、『スタンド・バイ・ミー』のベン・E・キングが歌う主題歌から線路を歩くシーン、または趣向を変えて、『インディ・ジョーンズ』や『ミッション・インポッシブル』等のアクションシーンなど、名曲から映画の場面を彷彿とさせる演出を考えてみてはいかがでしょうか?
感動的なシーンでは、あの名作たちの力を借りて!
会終盤では、一番の泣かせどころ、花嫁の手紙があります。その際にも、音楽はゲストに与える感動をより強めるために、一役買ってくれます。心をじかに撫でるように、優しく涙腺を刺激するメロディを、ヒューマンドラマ作品から探してみましょう。
オススメは、日本生命のCMでも有名な『ニュー・シネマ・パラダイス』のテーマ曲や『フォレスト・ガンプ』のひらひらと舞う羽根のバックで流れたテーマ曲などです。どちらも、やわらかいメロディで、しっかりと心に響いてくるでしょう。
お見送りでは多くの曲をそろえるべし!
さて、感動的な手紙の朗読でゲストを泣かせた後は、とうとう会のラスト。しんみりしていてはいけません!最後にはみなさんに気持ちよく帰っていただけるよう、さわやかな曲で締めくくることが重要です。
ここで大切なポイントは、多くの曲を用意しておくこと。お見送りはゲストの人数や一人一人のペースによってどれだけ時間がかかるか分からないので、なるべく長く見積もっておく必要があります。15分~20分はかかると見て、4~5曲はそろえた方が無難でしょう。
オススメは旅立ちをイメージさせる『ネバー・エンディング・ストーリー』のテーマ曲や『ノッティングヒルの恋人』の挿入曲「When You Say Nothing At All~愛は沈黙の中で~」、『フットルース』のケニー・ロギンスが歌う主題歌「Footloose」、それに『アメリ』の「J’Y SUIS JAMAIS ALLE~初めての場所~」などです。
そしてもう一つポイントがあります。それは曲の順。二次会の準備等、新郎新婦は披露宴後も忙しくなることが多いです。そこで、 徐々にテンポの速い曲になるようにすると、ゆっくりお支度をされてなかなか退出なさらない方に、気を悪くさせずに急いでもらえることが多いです。
最後に、気になる著作権について。著作権とひとことに言っても、実はいくつかの権利に分かれています。結婚式に関わるのは「複製権」と「演奏権」の2つですが、挙式する側に申請責任があるのは「複製権」のみです。「複製権」とは、既存の曲に編集を加えたりパソコンに取り込んだりする権利のこと。
「でも、申請ってどうすればいいの?」とお感じかも知れませんが、大丈夫です。基本的には式場が「一般社団法人音楽特定利用促進機構(ISUM)」という、著作権に関する許諾申請を代行してくれる機関と契約を結んでいる場合が多いため、特別な手続きは必要ありません。音源使用料は「会場費」「音響照明費」などの名目で、式場への支払いとして組み込まれています。その費用と式場が負担すべき他の費用をまとめてISUMへ代講支払いを依頼する、という仕組みのようです。ただし、どの式場もISUMと契約していると決まってはいないので、著作権に関する確認はしておいた方がより安心ですね。
音楽はゲストのみなさんに楽しんでいただくための、大切な要素です。ここで挙げた曲や映画はほんの一例に過ぎません。音楽も映画も溢れているので、ぜひお二人らしい選曲で、素敵な披露宴にしてください。