3月3日は桃の節句(ひなまつり)ですね。3月3日はゾロ目で覚えやすいこと、また3月中の入籍は事務的にも便利なことからとても人気がある入籍日でもあります。子どものころの私は2月にひな人形を飾るのを楽しみにしていましたが、大きくなるにつれてひなまつりに対する関心も低くなって「ただの平日」に・・・。娘が生まれて初節句を祝った後は、実家に行って時間のある年だけ、すっかり忘れたひな人形の並べ方をネットで調べながら飾るという有様です。今回はひなまつりについてあらためて調べてみました。
ひな人形、片づけが遅くなると嫁に行き遅れる?母から娘に譲ってはいけない?~意外と知られていないひなまつりのタブーと込められた願い
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ひなまつりとは?
ひなまつりは、3月上旬の「巳の日」に災いを人形に移して厄ばらいする「上巳節(じょうしせつ)」と、人形を使ったおままごと「雛遊び」が結びついたのが由来と言われています。現在では、3月3日にひな人形を飾って女の子の健やかな成長を願う行事になっています。
ひな人形はおだいりさまとおひなさまが結婚する様子をあらわしています。三人官女はお祝いの盃に酒を注ぐための長柄や提子(ひさげ)を持っていたり、五人囃子(ごにんばやし)は太鼓、大皮鼓(おおかわつづみ)、小鼓(こつづみ)、笛、謡い手の少年5人が結婚を祝う姿です。箪笥(たんす)や針箱、鏡台などの調度品は豪華な嫁入道具ですね。
ひな人形は母から娘に譲れない・・・?結婚した後は・・・?
わが家では私が飾っていたひな人形を今は娘のものとして使っているのですが、本来は娘の代わりに病気やけがなどの不幸を人形に受けてもらう「厄除け」の意味から、ひな人形を母から娘に譲ったり、姉妹で兼用してはいけないそうです。「結婚したらひな人形は飾らない」というイメージがありますが、本来は何歳になっても飾るそうです。結婚後も持って行って自宅に飾ったり、娘の厄をよけるという意味で結婚後も実家で親が飾り続けたり・・・とはいえ、娘がいたら2セット飾る?もし娘が3人いたら・・・?娘の結婚後にも親が実家で毎年ひな人形を飾るかどうか?などを考えてみると、現代の生活ではなかなか難しいですね。もし「もうひな人形を飾らない」という場合は、神社やお寺で供養してもらったり、一般社団法人「日本人形協会」が「ゆうパック」と提携して行っている人形供養代行サービスを利用するという方法があります。
ひな人形はいつ出す?いつしまう?
ひな人形の飾り付けは2月4日(立春)~24日までに終えるようにします。おひなさまを片付けるのが遅くなると「婚期が遅くなる」「結婚できない」と聞いたことがありませんか?これは「厄を受けた」人形を長い間出しておくとよくないとい言われているためで、せっかく桃の節句に女の子の健康や幸せを願ったのだから3月6日くらいには片付けた方がよいと言われています。
食べ物の意味
女の子の成長を祝うとともに、寒さも和らいできて春が近づいてきたことが感じられる食べ物をみんなで集まって楽しみます。ひなまつりの定番、はまぐりのお吸い物。はまぐりの貝殻は対になっている貝殻でなければぴったりと合わないため、仲の良い夫婦を表し、一生一人の人と添い遂げるようにという縁起物です。菱餅(ひしもち) は緑、白、ピンク(紅)の3色の餅を菱形に切って重ねたもの。緑色の餅のよもぎは、目の疲れを和らげたり、月経不順を改善する効果があるといわれ、厄除け・健康の願いが込められています。白餅には子孫繁栄・長生きを願って菱(ひし)の実の粉を入れます。菱(ひし)は池や沼に生える植物で国内では九州で生産され9月から11月ごろに実を収穫します。血圧を下げる効果があるといわれています。桃色(ピンク)の餅はクチナシの果実(山梔子(さんしし)と言われる生薬の一つ)を入れ、これは解毒作用があります。ひなあられはでんぷんが多く健康に良いので、「1年中娘が幸せに過ごせるように」という意味があります。ちらし寿司はそのものにいわれはありませんが、えび(長生き)、れんこん(見通しがきく)、豆(健康でまめに働ける)など縁起のいい具がお祝いにぴったりで、三つ葉、卵、人参などカラフルな見た目も春をイメージして食卓を華やかにします。
女の子の「災い」を代わりに受けてくれる有り難いひな人形。ひなまつりには、病気になったり、ケガをしたりせずに大きくなって結婚して仲の良い夫婦になり、幸せになってほしいという親や周りの人の願いがたくさん込められている行事なんですね。