パターンで解説、結婚後のお金の管理、家計、将来設計

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Photo:Alejandro Escamilla

結婚後は生活スタイルが大きく変わるため、働き方やお金の使い方についても何がよい方法なのか考えながら二人で協力していくことになります。最初の2~3年は何に一番お金をかけたいか、長期的に手に入れたいものは何か、など意見が対立することや考え方が変わることもありなかなかうまく家計を管理できないかもしれません。しかし、子どもや引越し、住宅の購入やキャリアプランの変更などの中で、「無駄な出費を防ぐにはどうしたらいいか」「ここだけはお金をかけたい」「長期的に運用していきたい」など、試行錯誤しながら少しずつ二人のやり方を見つけていくことができるでしょう。
まずは新婚生活をスタートする際の家計管理のヒントをご紹介します。

index 目次
  1. 1. 誰がどうやって管理するのか?―結婚後のお金の管理
  2. 2. 何にどれぐらいお金を使うのか?―家計のくみたて方
  3. 3. 将来設計は「住宅」と「教育」がポイント

1. 誰がどうやって管理するのか?―結婚後のお金の管理

パターン1.生活費の口座をつくって二人で管理する

毎月二人がそれぞれ□万円ずつ、または収入に比例した額を共有の生活費用の口座に入金し、住居費や食費、通信費などに充てる。残ったお金が貯まった場合のルール、例えば「△万円になったら貯蓄にまわす」「旅行に行く」など、を決めておくと○。

メリット

  • お互いが家計の状況を把握することができる。
  • 同程度の負担なので不満がたまりにくい。
  • 残りのお金を自由に使える。
デメリット

  • お互いに生活費以外のお金の状況が分からないので、家計の全体が見えない。
  • 生活費以外のお金を自由に使えるので散財しがち。

パターン2.費用項目別に支払いをする

パターン1のように共有の口座はつくらない。例えば、住居費は夫、光熱水費・通信費は妻の口座からというように項目別に支払いをするようにする。共働きで収入が同じくらいの場合に便利。貯金しづらい方法なので、「毎月□万円以上は貯金する」などお互いに貯蓄のルールを決めておくとよい。

メリット

  • お金の動きを把握しなければならない口座の数が増えずに済む。
  • 分担した分以外のお金を自由に使える
デメリット

  • お互いに負担した分以外のお金の状況が分からないので、家計の全体が見えない。
  • 分担した分以外のお金を自由に使えるので散財しがち。

パターン3.妻か夫、どちらか一方がイニシアチブをとって管理する

二人の収入をどちらか一方がお金の全体の流れを考えてやりくりし、もう一方に生活費(お小遣い)として毎月決まった額を渡す。夫や妻といった役割にとらわれず、性格的にお金の管理に向いている方が行うとスムーズです。

メリット

  • 家計の全体の流れが把握しやすく、貯蓄や長期的な計画が立てやすい。
デメリット

  • 管理していない方は、後になって家計の内容や資産運用について、『こんなはずではなかった』と後悔するリスクはある。
  • 生活費(お小遣い)として受け取る方は、金額が少なかったり自由に使える余地が小さいと不満がたまる。
参考)
家計を管理するのはどっち?今時夫婦のお財布事情
http://pridal.jp/times/?p=1137

2. 何にどれぐらいお金を使うのか?―家計のくみたて方

自分一人の収入を自分一人で使っていたのが、結婚後は二人の収入を合算した額を二人でどのように使っていくか考えることになります。二人での生活が始まったら、まずは何にどのくらいのお金を使っているのか、1か月間の二人の支出を調べて、おおよその家計の流れを把握するところから初めてみましょう。以下に参考として、一般的な例の、1か月の収入に対するお金の使い方の割合を示します。

収入に対する一般的な家計支出(割合)

  • 住居費 30%
  • 通信費・光熱水道費(電気、ガス、上下水道、携帯電話、ネット回線、固定電話等) 10%
  • 食費 15%
  • 服飾・美容費(洋服、美容院等) 7~8%
  • 生活雑費 7~8%
  • 保険費 7~8%
  • 交際費(冠婚葬祭、帰省など)・趣味、レジャー費 7~10%
  • その他交通費、医療費など予備費を含めて 7~10%
  • 貯蓄 20%~30%

この割合を月収別にあてはめて実際の金額を算出すると・・・

月収35万円程度の場合

  • 住居費 8~9万
  • 通信費・光熱水道費(電気、ガス、上下水道、携帯電話、ネット回線、固定電話等) 2~3万
  • 食費 3~4万
  • 服飾・美容費(洋服、美容院等) 2万円
  • 生活雑費 2万円
  • 保険費 2万円
  • 交際費(冠婚葬祭、帰省など)・趣味、レジャー費 2~3万円
  • その他交通費、医療費、予備費など 2~3万円
  • 貯蓄 7~8万

月収60万程度の場合

  • 住居費 10~15万円
  • 通信費・光熱水道費(電気、ガス、上下水道、携帯電話、ネット回線、固定電話等) 3~4万
  • 食費 5~6万
  • 服飾・美容費(洋服、美容院等) 5万円
  • 生活雑費 2~3万円
  • 保険費 2~3万円
  • 交際費(冠婚葬祭、帰省など)・趣味、レジャー費 8万円
  • その他交通費、医療費など 2~3万円
  • 貯蓄 15万円~

この基本的な生活費に加えて、その他、車を使用している家庭ならガソリン代や車検代などが必要になります。また子どもが生まれたらおむつ代や教育費、服飾費、学資保険などの費用が必要になり、家計のバランスはまた大きく変わります。結婚後なるべく早い段階で家計を把握し、今までのように一人で使うお金ではなく二人で相談して使っていくお金だということを確認しておきましょう。

家計について二人で話し合っておきたいことチェックリスト

  • 何にお金をかけたいか
  • 貯金はいくらを目標にするか、どのような方法で貯金していくか
  • 家計のどの部分を削ぎ落としていくか、見直せる部分はないか
  • どのように働いていくか
  • 将来車や住宅の購入はどうするか
  • 保険の見直し
記事

Photo:Fabian Blank

3. 将来設計は「住宅」と「教育」がポイント

結婚したら、はじめはゆるやかでいいので将来のライフプランについて夫婦で話し合う時間を折にふれてもちましょう。人生の3大支出は「住宅」「教育」「老後」と言われていますが、とくに新婚夫婦であれば「住宅」と「教育」のマネープランを立てておくといいですね。

住宅

  • 賃貸か購入か
  • 購入するとしたらいつ頃か
  • 通勤に便利なところに住むのか
  • 両親や兄弟の近くに住むのか

など、どのような場所のどのような家に住むのかということは結婚生活でもっとも重要なポイントです。仕事の都合や、自分たちや家族の健康状態、子どもなど様々な事情によって変化もあると思いますが、住宅についての希望をある程度はっきりさせておけばマネープランも立てやすくなります。

住宅購入には一般的に物件価格の3割程度の頭金が必要と言われています。もちろん場所や家のタイプにもよりますが、少なくとも800万円~1,000万円くらいのお金を貯めることになり、例えば、「800万円を10年で貯めるには住宅用として年間80万円の貯金を目指そう」といった具体的な目標になります。

教育

子どもの教育費は貯蓄や学資保険等を利用して長期間にわたって準備していきましょう。子どもにかかるお金の目安ですが、0歳~6歳児にかかる子育て費用は食費や保育料など合わせて年間100万円ほどといわれています。また、ひとりの子どもにかかる教育費(学校教育費、給食費、塾や参考書代など含む)は、幼稚園から高校まで公立の場合で500万円ほどといわれています。子どもにかかるお金の準備は妊娠してから、または出産後にはじめればいいですが、「子どもがほしいか」「何人ほしいか、いつ頃か」については、二人のことだけではなく仕事や双方の家族などに大きな影響があることなので、しっかりと相談しておきましょう。

参考
保存版】子育てにかかる費用のすべてを解説します保存版】子育てにかかる費用のすべてを解説します
http://benesse.jp/kosodate/201509/20150910-2.html
Text by:AISA

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