結婚式を挙げたいけれども躊躇する方のなかで、少なからず資金の問題はあると思います。なぜなら、結婚式費用の相場は300~400万円ほどと言われていますから、これだけの金額を捻出するのはけっして簡単ではありませんね。実際に多くのカップルが親からの援助を受けており、それがまったくなければますます困難になるでしょう。
充分な資金はだせないけど、結婚式をあきらめたくない。そんな場合、専門式場・ホテルのキャンペーンは気になりますね。また、「ゼロ婚」、「スマ婚」、「楽婚」など自己資金を抑えた結婚式サービスも続々登場しています。自治体などのイベントでの結婚式というのも最近はいろいろあるようです。
しかし、実際に安いのか、無料なのか、内容はどうなるのか気になるところ。ここでは、これらのサービスの実態について調査し検証します。
披露宴の料金は別料金?専門式場、ホテルなどの無料キャンペーン
もしも本当ならお得だし、最高だなと思うのが、専門式場・ホテルの結婚式プレゼントキャンペーンです。立地条件の良い、名のある式場、ホテルでもこの手のキャンペーンをしています。具体的に「〇〇万円相当が無料でプレゼント」とあるので、飛びつきたくなりますね。
しかし、この手のキャンペーンを申し込み際には、無料になることの内容、そして、応募条件を必ず確認しましょう。例えば、多くのキャンペーンで無料になるのは、「挙式料」「衣装代金」「ヘアメイク」「ブーケ」など。ただし、衣装などは選べる範囲に限りのある場合も。
応募条件はもっと要注意です。挙式は無料で挙げられるけど、会食・披露宴は有料で必ず申し込まないといけない。しかも、〇〇名以上と人数の下限もあることも。結婚式で最もお金がかかるのは会食・披露宴です。それを必ずその式場である程度の人数を呼んで挙げるとなると、それなりに費用はかさんでいくでしょう。
希望の式場で、ある程度の資金の目処があるならこうしたキャンペーンを利用するのは良いのかもしれません。ただ式場によっては、キャンペーンでなくても挙式料金を見積もりの際に値下げしてくれることは少なくありません。本当にお安く挙式を挙げてもらいたいといういうよりも、お客様を呼ぶための宣伝の一環であることが多いのではないかと思います。
こだわればこだわるだけ料金アップする?「ゼロ婚」
結婚式をするには十分な自己資金が必要。さもなくば結婚式は挙げられない。この常識を打ち破り、自己資金が乏しくても夢の結婚式が挙げられる希望の光をもたらしたゼロ婚、スマ婚、楽婚などのサービス。このサービスが広まりはじめたときは、かなり衝撃でしたし、興味も惹かれました。
結婚式サービスでは通常自前の式場・ホテルがあるわけですが、これらのサービスにはありません。いくつも提携している式場・ホテルがあり、カップルはそこから会場を選びます。式のプロデュースはこれらゼロ婚などのサービス会社が行います。
それから、大きな特徴なのは後払い制であること。ゼロ婚の場合、自己資金0円から可能とのことですが、もちろん、料金を支払わなくていいというわけではありません。料金はいただいた御祝儀から後払いするのです。つまり、料金よりもご祝儀が多ければプラスになることもあり得ます。
しかし、なぜこの手のサービスが結婚式を安くできるのか。それが問題です。例えば、ゼロ婚ではドレス、装花、ヘアメイク、引出物、カメラ・ビデオなどは持ち込み料無料をうたっています。確かにそうしたものの持ち込み料はかさむもの。しかし、式場・ホテルが提示した範囲で選ぶならそれは料金にすべて含まれます。
式場・ホテルのもの以外でそれらを調達すればかなり金額は抑えようと思えば抑えられるでしょう。しかし、ものすごく安いものというのは、一方でクオリティーが低い可能性は高く、自分が求めるクオリティレベルのものを追い求めていくと結局それなりにかかることもあり得ます。
さらに、それなりの人数招待した披露宴でご祝儀を集めるとなると、「いかにもお金のかかっていない最小限の結婚式でおもてなしが不十分だった」とゲストに思われてしまうのは避けたいところです。そうなると、元々提示されているサービス以上のものが必要な可能性もあり、結果的に格安ではなくなるかもしれません。
結婚式を持ち出し0円で挙げられるというのを、文字通りそのままだと思いこむのは考えものです。場合によっては、普通に式場・ホテルに依頼して資金のことも話し、できる範囲でプランを考えてもらったほうがよいこともあるでしょう。
みんなのイベントとして楽しめれば無料も可能!イベント系結婚式
無料で結婚式の最後の砦といえるのは、地方自治体、ブライダル専門学校が主催するイベントでの結婚式です。
1. 自治体主催のおまつりでの花嫁・花婿募集
自治体が町おこしとして、あるいはおまつりのイベントとして花嫁・花婿を募集して結婚式を行うことがあります。例えば以下のようなものです。
宇部商工会議所主催 「うべ狐の嫁入り行列 花嫁・花婿募集!」
新川市まつりのなかで結婚式を行えます。白無垢、袴羽織、狐のメイクで、市街地を人力車で巡行、中津瀬神社で挙式、特設ステージで披露宴、記念品、記念写真、記念ビデオなどすべてプレゼントです。
この市以外にも狐の嫁入りのイベントは調べるといくつかあります。その他に自治体で船に乗っての古式ゆかしい嫁入りイベントのあり、とても情緒のあるすてきな光景に思えました。しかも、上記のように、すべてがセットで無料となります。
ただイベントですから日程、場所は絶対的に固定です。衣装も選べません。さらに、自分たちの結婚式というよりは、地方自治体のイベントとして行われますので、その他にも自分たちの希望はかないにくいでしょう。
2. ブライダル専門学校による無料結婚式プロデュース
ブライダル専門学校が授業の一環として本物の花嫁・花婿を募集して、実際の結婚式を無料でプロデュースするイベントです。具体的には以下のようなものです。
「ひまわりウェディング」挙式カップル募集
約50万本のひまわりが咲き乱れる津南町のひまわり広場で結婚式を挙げられます。会場料、演出、ウェルカムドリング、衣装などが無料です。プロデュースは国際ホテル・ブライダル専門学校の学生が行います。
青空の下、咲き乱れるひまわりの中での結婚式。ローケーションとしては最高で、思い出に残りそうです。プロがプロデュースしてないという不安はあるかもしれませんが、売り上げではなく、純粋にすてきな結婚式にするのが目的ですので、心こもったプロデュースが期待できるでしょう。
その他に式場での結婚式の学生によるプロデュースもあります。自治体同様日程・場所など選べないことが多いのはマイナスポイントといえるでしょう。
イベント系結婚式については、実際に無料で結婚式を挙げることは可能といえます。ただし、何組も挙げられるわけではないので、狭き門です。また、自分たちのためだけの結婚式ではないという点も大きいでしょう。
今回の検証では、結婚式を本当に無料でというのは、難しいというのが結論にならざるを得ません。自分のできる範囲で、どれだけ自分の理想をかなえるか。その視点で結婚式を自分で選び、つくりあげることが大切といえるでしょう。