2015年4月2日から6月18日まで、読売テレビ・日本テレビ系で放送された比嘉愛未と満島真之介主演の恋愛ドラマ「恋愛時代」。これは、乱歩賞作家の野沢尚氏の第四回島清恋愛文学賞受賞作品がドラマ化されたものです。26歳のスポーツジムのインストラクター、衛藤はる(えとうはる)と34歳の書店員、早瀬理一郎(はやせりいちろう)は、2年前に1年3カ月の結婚生活を終えた後も付き合いを続けていて、はるの妹、しず夏や理一郎の友達を交えて飲み会を繰り返しています。お互いまだ相手に未練をもっていますが、だんだんとお互いの離婚に至るまでの真実や思いを知り、自分の心に素直になる、大人のラブストーリーです。
大人のための恋愛小説がドラマ化。自分に素直になる大切さを教えてくれる「恋愛時代」。
お互いの幸せを考えて、自分の手で結婚相手を紹介し合う二人
このドラマでは、離婚したはると理一郎が、再婚の話題になった時に、自分の手で互いの結婚相手を探し出すと宣言するところからストーリーが展開されます。はるは小学時代の同級生のかすみを、理一郎は二人の結婚式の世話係をした永富を紹介。二人とも新たな恋愛に踏み出しますが、はるは理一郎のことが、理一郎ははるのことを気にして、なかなか結婚にまで踏み切ることができません。
はると理一郎が離婚したのは、二人の初めての息子が死産であったことがショックだったことが原因ですが、はるの大学時代の先輩の小百合が企画した誕生日パーティで、理一郎は、はるが理一郎以外の子供を産む気がないこと、そのような思いをはるが離婚後も抱いていたことを知ります。永富もかすみも、はると理一郎のもとから去っていきます。
高校時代の同級生とジムに通う大学准教授との出会い
そしてはると理一郎には、新たな再婚相手との出会いが訪れます。理一郎には初恋の相手である高校時代の同級生の織田多実子、はるにはジムに通う大学准教授の喜多嶋竜一。新たな出会いに各々ときめく二人ですが、ここでも、はると理一郎のお互いの心に気付いた二人は、ようやく最終回に、改めて結ばれます。
許せない行動の裏にある愛情を知ることで、自分に素直になれる
恋愛時代は、ドラマでも小説でも、離婚したはると理一郎が、お互い意地っ張りなところから、思い切りもがき苦しみます。それが恋愛小説、恋愛ドラマの醍醐味かもしれません。そして、離婚のきっかけとなった理一郎の“優しい秘密”を知ったはるは、ようやく自分の心に素直になれます。それを知った理一郎もようやく素直な気持ちになれます。この“やさしい秘密”は、ぜひドラマや小説の方をご覧ください。
「やり直すという言葉でなくていいから、はじめましてからやってくれよ」
理一郎は、はるに対して、もう一度二人でやり直そうといいます。
理一郎「人って何でも越えていけるんだろ。もしはるが、いろんなことをおいて先に進んでいるのであればやり直すという言葉でなくていいから、はじめましてからやってくれよ」
場所が変わり、理一郎は、婚姻届を折った紙ヒコ―キを、はるへ飛ばします。それに気づいたはるに、声をかけます。
理一郎「オレ、いつでも名前書けるけど・・・」
はる「はじめまして。衛藤はるです」
理一郎「はじめまして」
恋愛も結婚生活にも、必ずなにかしらの秘密があるものです。それは、離婚という決定的な状況を生んでしまうようなことになるかもしれません。でも、その秘密の裏には、相手を思う深い愛情があることが多いものです。それはきっと時間とともに聞くことができるようになりますから、じっくりと待つことも大切です。また、意地をはってしまって、自分の本当の気持ちに気がつかないもあります。ドラマや小説の中では、そのような意地の張り合いのために、周囲の多くの人達を騒ぎに巻き込んでしまっています。そうならないために、自分の心に素直になることが、恋愛や結婚では、なによりも大切なことなのではないでしょうか。