今回は「台湾」の結婚式をご紹介します。台湾では挙式はせず、披露宴(喜酒/喜宴)や食事会を開いてお祝いをします。
地域や会場によりますが、招待状をもらった人は家族や友人を連れて行ってもよく、服装も正装ではなくちょっとキレイめならOK。都市部のホテルでは、招待された人のみが正装で出席するというかっちりしたスタイルの披露宴も一般的になってきました。日本とちがうのは、「白」の服でもいいということ。台湾の若い女の子は着回しのきく白のワンピースを1枚は持っているそうです。また、赤やピンクの服は縁起が良く華やかなのでよく着られています。ただし、男性の服装では、白のネクタイは葬儀を連想させるという理由でNGです。
ご祝儀は個人でも、家族ででも、グループでまとめて用意してもOK。日本では「偶数」は割り切れる=別れを意味するため、「奇数」である3万円が一般的なご祝儀の金額です。しかし、台湾では「偶数」=対を意味するため、「偶数」は縁起がいいとされています。金額は1200元、2600元、3600元が一般的。「死」の発音に近い「4」がつく金額や、「別」に似ている「捌」=「8」は避けられます。赤い封筒「紅包」に入れて受付で渡します。受付係はその場で封筒を開けて金額をしっかり確認!
少し前の台湾では、招待状に書いてある「入席」時間(披露宴開始時間)どおりに行くと、「食い意地が張っていると思われる」ということで、30分~1時間くらい遅れてくる習慣がありました。開始時間には招待された日本人だけが着席している、なんてこともあったそうです。しかし、最近はほとんどの披露宴が定刻通りに始まります。披露宴が始まったら、大皿で料理が運ばれてくるので、遠慮しないでどんどん食べましょう!途中で、新郎新婦だけではなく一緒に両親がお酒を注ぎに来ます。爆竹や爆竹の効果音が鳴ったり、料理が出終わったら披露宴はお開き。必ず余るようになっているお料理は、最後に係の人が容器を持ってくるので詰めて持ち帰りします。
台北や台中、高雄などの都市ではホテルや結婚式場で行われる披露宴。しかし地方では、今では少なくなったものの路上で披露宴が行われることがあります。かなり田舎の方では学校の体育館を借りることも。許可が下りれば自宅の前の道を通行止めにして、大きな派手なテントを張りテーブルやイスを設置し、奥では業者が料理をつくります。披露宴会場の入口(通行止めの札が出されているところ)に、写真館で撮影しておいた結婚写真(婚沙写真)の大きなパネルが飾ってあり、披露宴会場であることは一目瞭然です。
台湾も日本と同じように「晩婚化」「非婚化」が進んでいます。20代から30代の女性の未婚率は2013年には32.55%と過去最高となりました。(ちなみに日本の女性の未婚率は20代60%、30代前半35%。未婚の台湾男性も多いものの、中国本土に転勤した際に中国本土の女性と結婚するケースや、農村部で結婚を希望する人に中国本土の女性を紹介する業者などの活動が盛んで「国際結婚」は増えている。) 日本だけではなく台湾でも結婚をする人が少なくなっていて、結婚披露宴は招待されて出席することがまれな「特別なイベント」になっています。
協力:Nobuko.S.
- Kuma * Kuma 『わんわん台湾 ぶらぶら♪ラブラブ♥めおと旅』 スリーエーネットワーク、2011年
- 亜洲奈みずほ 『現代台湾を知るための60章』 明石書店、2012年