“ナシ婚”という言葉が象徴するように、最近では結婚式や披露宴などを行わないで結婚するカップルが多くいます。いったいどれぐらいのカップルが結婚式を行わないかというと、全体の3割ほどであろうといわれています(*1)。つまり、今は結婚式をしないという選択もごく一般的なことになったといえます。
その一方で、結婚式をしなかったものの、数年後に「やっぱり結婚式をしておけばよかった」と思う方も少なくないようです。「子どもに結婚式の写真が見せられないのが寂しい」、「友だちの結婚式に参列して自分もしたくなった」、「結婚当初は費用のことを考えてしなかったけど、やっぱりやっておきたかった」・・・このように結婚から数年後、後悔するケースはよくあるのです。しかし、数年経ってからの結婚式は、通常の結婚式とは異なるハードルがあるのは確か。“今更婚”という少しイジワルな響きのある言葉もあります。ここでは、結婚後、数年経ってからする結婚式を挙げたい方のために、メリット、考えられる問題点を踏まえて、おすすめの結婚式のスタイルをご紹介したいと思います。
改めて愛を誓いあう「バウ・リニューアル」としても!夫婦円満効果は絶大!
「バウ・リニューアル」とは、日本語にすると“誓いの更新”。結婚記念日に限らず、夫婦・家族の記念日に夫婦の愛を確かめ合うセレモニーを行う習慣のことを指します。日本ではまだまだ聞き慣れない言葉ですね。日本人は結婚後、お互いの誕生日や結婚記念日すら意識しなくなることが少なくありませんが、欧米では夫婦の愛を確かめ合うイベントは大切にされている傾向があります。改めて相手に向き合い、気持ちを確かめ、新たにする機会は通常なかなかないものですね。もしこの「バウ・リニューアル」を結婚式という形で実現すれば、夫婦としての愛はますます深まり、相手を大切にしていこうと思えるのではないでしょうか。むしろ、普段は愛情表現が淡白な傾向がある日本人にこそ必要かもしれません。
お子さんがいる場合は、パパとママが仲良しでふたりは幸せという姿を見せることはとても良いことです。おしゃれをして参列することは特に女の子はうれしいでしょうし、家族のセレモニーとして幸せな思い出になります。お子さんのお披露目にもなりますし、リングボーイ、フラワーガール、ベールガールなどお子さんならではの活躍の場も。最近では、ファミリーむけの結婚式プランを用意している式場もたくさんあります。
本人だけではなく、親御さんからの希望で数年後に結婚式を挙げるケースもあるようです。結婚当初は式を挙げないといわれて納得したけど、やっぱり…という親御さんもいるようで、夫婦として仲良くやっているというなにより嬉しい報告にもなります。
「今更婚」は誰のため?
一方、結婚後、数年経っての結婚式について調べると、前述の“今更婚”という言葉がよくでてきます。それは、結婚式から数年経ってしまうと、本人ではなく、他人が「今更結婚式?」と感じる場合があるからです。結婚式を挙げたい本人たちも、周囲から今更と言われるのを心配していることも多いようで、そのことが、結婚式を挙げることをためらう原因になっていることも。
しかし、結婚後数年経っても結婚式を挙げたいという気持ちがあるなら、その願望は無視してもよいものでしょうか。しないままで終わってしまったら、後悔することになるかもしれません。結婚後は毎日の生活でいっぱいいっぱいになりがちなのに、結婚式を挙げてみたいと思えるのは、夫婦として今それが必要だからこそという可能性もあるのです。
「今更」でも祝福されるためポイント
人様の結婚式に対して“今更”などというのはそもそも失礼ですが、とはいえ、どうせ挙げるなら周囲からも祝福されたいものですね。そのためには、周囲が「今更」、「迷惑」と感じてしまうようなポイントを払拭するべきでしょう。
列席者からのお祝い、ご祝儀への配慮は特に慎重に
結婚式を挙げてなくても、入籍時にお祝い、ご祝儀をいただいている方は多いと思います。その場合、式に呼ばれた場合、どうしたらいいのか悩む方も多いでしょう。相手が喜んでお祝いしたいと思っている場合でも、それに甘えず、二度のお祝い、ご祝儀をいただくことがないよう配慮しましょう。入籍時には何も頂いていない方もいるでしょう。結局は、どの方からもお祝い、ご祝儀は不要、としたほうが角が立たないかもしれません。一方でお祝いしたいという方の気持ちを無碍にするのも考えものかもしれません。難しいところですが、二人でよく話し合って慎重に配慮しましょう。
列席者は最小限、家族、またはごく親しい友人のみが無難
通常の結婚式のように、お披露目という意識からあまり親しくない友人、親せき、職場の人など手広く招待するのは避けたほうが無難です。あなたに特別な思いがあり、心からその幸せを「よかったね」と思ってくれる人、家族、親友などに招待客は限るほうがこちらの思いも伝わりやすく、招く側としてもストレスは少ないでしょう。
「今更」でもおすすめできる3つの結婚式スタイル
以上のことを踏まえて、結婚後、数年経っての結婚式におすすめの3つのスタイルをここでご提案します。
1. 結婚式場なら、少人数で個室のプラン
挙式もやりたいから結婚式場でという方なら、少人数での個室のプランがおすすめ。招待する人を厳選し、アットホームに、しかし、セレモニーにふさわしい趣ある結婚式が可能です。多くの結婚式場で個室での少人数のプランの取扱いがあります。
2. リーズナブルで満足度が高く、気軽な写真+レストランでのパーティー
結婚式、披露宴というと、招待される人も身構えてしまうもの。どうしても、この場合、大人数は呼びにくいでしょう。そこで、おすすめなのは、写真+レストランでのパーティー。今は写真のみの方も多いため、写真のみだと結婚式場よりも多くのバリエーションがあり、色々と選べます。写真館、スタジオだけではなく、屋外でも撮れますし、衣装も豊富です。格式のある会場で、撮影と食事のみをプランにしたこちらのスタイルが人気です。
レストランでのパーティーについては、結婚式よりも参列者にとってハードルは大分低くなります。今まで夫婦を応援してくれた方々に改めてご挨拶し、再度応援をお願いする気持ちでおもてなしするのもよいかもしれません。
3. 家族だけでリゾートでの結婚式
家族旅行をかねてのリゾートでの結婚式もおすすめ。数年経ってからの結婚式は、披露の意味合いよりも本人同士の誓いの確認のほうが大きなウェイトを占めていますので、ふたりっきりでふたりのお気に入りの場所で挙式だけというのも素敵ではないでしょうか。これなら、他人の目を気にする必要もなく、満足度も高いように思えます。
昨今ではシングルの人が相手無しで行う“シングルウェディング”や“ソロウェディング”と呼ばれているものもあり、結婚式自体、ごく個人的なセレモニーとして楽しむ方もふえています。確かに、究極は結婚式をする方がしてよかった、幸せと感じることが一番でしょう。夫婦のために行う数年後の結婚式。それは、周囲に配慮しつつも、まずは夫婦の幸せにつながることを一番に考えるべきでしょう。