新郎の父による挨拶・謝辞(両家親族代表挨拶)スピーチの構成・例文とポイント
写真提供:太閤園
3-1.導入(自己紹介+披露宴への出席や祝辞へのお礼)
3-2.親としての現在の気持ちやエピソード
3-3.ゲストへの感謝とお願い(新郎新婦に対する応援や支援、今後のお付き合いのお願い)
3-4.結びの言葉(お礼と締めの言葉)
1.結婚式・披露宴の謝辞とは?
謝辞(親族代表挨拶)とは、披露宴の締めくくりに、両家を代表して述べる挨拶のことです。最近は新郎のみが謝辞を述べるケースが多いですが、フォーマルな雰囲気の披露宴や親族・仕事関係など親の関係のゲストが多い場合、新郎新婦が比較的若い夫婦の場合、招待状の差出人が父親になっている場合などは(この場合は主催者が父である意味が強いので特に)、新郎の父と新郎両方が謝辞を述べることがあります。ここでは新郎の父が謝辞を述べる場合について解説します。状況・事情によって新郎の母や、新婦の父、母、または各祖父、祖母、叔父、叔母などが行ってもかまいません。
プログラム進行としては、披露宴の締めくくりに両家の親族を代表して挨拶→新郎の謝辞→披露宴お開きという流れが一般的です。披露宴を印象づける最後の大切なスピーチなので、ゲストに対する感謝の気持ちや新郎新婦への支援、今後のお付き合いのお願いをしっかりと伝えましょう。
新郎新婦のための「ウェルカムスピーチ」・「謝辞」のポイントと文例
2.新郎父による披露宴の謝辞(スピーチ)のポイント
- 結婚式・披露宴の主催者(ホスト)として列席してくれたゲストへの感謝を伝えます。
- 自分の親族だけではなく、新郎新婦の両方の親や兄弟姉妹など、両家親族を代表しての挨拶です。相応しい態度と内容を心がけましょう。
- 続いて述べられる新郎の謝辞と内容が重複しないよう事前にチェックしましょう。
- 400字~1000字程度、ゆっくり話して1分~2分程度長くても3分以内に簡潔にまとめましょう。
- 披露宴も終盤になると一日中「結婚式の親の役目」を果たしてきて、疲労もたまってきている上にお酒を飲んでいる方も多いでしょう。早口になりすぎたり、用意した原稿を棒読みしたりしないよう肩の力を抜いて、ゆっくりと落ち着いて話すようにしましょう。
- 緊張しやすく暗記して話すのが不安だという方は原稿やメモ読んでもかまいません。
3.新郎父による披露宴の謝辞(スピーチ)の構成と内容
親族代表謝辞は
- 導入
- エピソード
- 感謝とお願い
- 結びの言葉
の4段階で話します。
以下順にそれぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
3-1.導入(自己紹介+披露宴への出席や祝辞へのお礼)
まずは新郎新婦との関係と自分の名前を述べ、結婚式に集まっていただいたことへの感謝をゲストに述べます。
「新郎の父、□□□□でございます。本日はお忙しいなか、○○(新郎)、△△(新婦)の結婚披露宴にご出席いただきまして誠にありがとうございました。両家を代表し、心より感謝申し上げます。また、多くの方々からの温かい励ましのお言葉や、楽しい余興など、親として、とても身に余る光栄でございます。」
「新郎の父、□□□□でございます。□□家・○○家を代表して、ひと言ごあいさつを申し上げます。本日は、あいにくの空模様にもかかわらず、多くの皆様にご臨席を賜り(たまわり)まことにありがとうございました。また、ご来賓の皆様方から心温まるお言葉を多数いただきまして、心よりお礼申し上げます。」
3-2.エピソード(親としての現在の気持ちやエピソード)
新郎(息子)の子どものころのエピソードや親子関係、今日の結婚式について、新婦についてなど、ゲストの皆さまの支えや協力によって新郎が今日の日を迎えられたことへの感謝を述べます。
「息子の○○は小さい頃は□□で△△でしたが、ここまで大きく育ちこのよき日を迎えられたのは、本日お集まりいただきましたご友人、ご来賓の皆様の支えがあったからこそと思います。本当にありがとうございます。」
3-3.感謝とお願い(ゲストにむけて新郎新婦への応援や支援、今後のお付き合いをお願い)
親の立場から、二人がこれから新しくつくっていく家庭との付き合いを続け、今後も協力や支援をしていただきたいとお願いします。
「本日、晴れて夫婦となった二人ですが、新しい家庭を築いていく道のりは平坦ではないでしょう。今後とも、皆様のお力添えを頂戴したく(ちょうだいしたく)存じます。」
「本日、新しいスタートに立った二人ですが、まだまだ未熟な二人です。どうか皆様、ふたりをあたたかい目で見守り、何かありました時にはぜひとも正しい道へと導いてくださいますよう、心からお願いを申し上げます。」
3-4.結びの言葉(お礼と締めの言葉)
披露宴のホストとして至らない点があったことを詫び、両家の親族を代表して披露宴の締めくくりの挨拶をします。
「本日はわざわざご列席をいただきましたにもかかわらず、慣れない宴席で不行き届きの面も多々あったと思いますが、どうかお許しください。この後、新郎○○も挨拶をさせていただきますが、まずは両家を代表いたしまして、私より皆さま方へのお礼の言葉とさせていただきます。結びに、皆様のご健康とご多幸を祈りつつ、両家代表の挨拶と代えさせていただきます。本日はまことにありがとうございました。」
4.新郎父による披露宴の謝辞(スピーチ)の要注意ポイント
両家の親族を代表しての挨拶なので、相手側の親族にも満足してもらえるようスピーチの言葉や内容はよく吟味しましょう。
忌み言葉
結婚式のスピーチにはお祝い事ならではの使ってはいけない言葉(忌み言葉)があります。
- 別れや不幸を連想させる言葉(去る、切る、壊れる、死、苦、消えるなど)
- 再婚を連想させる言葉(戻る、繰り返す、再びなど)
- 重ね言葉(ますます、またまた、たびたびなど)
- 「最後に」「おしまいに」は、「結びに」に言い換えます。
その他にも様々な忌み言葉、言い変え方があります。あわせてこちらをご参照ください。
NGな話題、話し方
新婦のことはもちろん、自分の息子だからと言って過去の個人的なことに触れたり、けなしたりしないように注意しましょう。また子どもの結婚式で嬉しくても、「○歳でやっと結婚できた」「早く孫の顔が見たい」といった発言は控えましょう。他にも下記のような話題、話し方にならないよう気をつけましょう。
- 「え~」「あの~」「あ」など過剰に言う
- 下を向いて原稿を読む
- とりとめもなくだらだらと話す
- 飲みすぎてろれつが回らない
- 年齢や身体的特徴に関すること
- 自慢話
- 政治や宗教
- プライバシーに立ち入るような発言(収入、学歴、出産など)
5.謝辞の他にも…
謝辞の他にも何かと気を抜がぬけない親の立場。披露宴での親の役目、ふるまい、子どもの友人知人への挨拶の仕方については、こちらの記事をご参考ください。
参考:ひぐちまり『二人らしいおもてなしと準備 結婚の段取りとすべてがわかる本』 学研パブリッシング 2013年2月
(文:AISA)
(最終更新日:2018-04-05)
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ライター:aisa
文学、ノンフィクション、専門書や絵本まで何でもありの活字中毒主婦。自分の結婚式は神前式(白無垢+綿帽子)の挙式と身内のみの披露パーティー。自分のことは、もう大分遠い日のことにようにも感じますが、様々な切り口で「結婚」という人類の大きなテーマに迫ってみたいと思います。