1. 「ウェルカムスピーチ」とは?

ウェルカムスピーチとは、披露宴の始めに、新郎新婦がゲスト全員に対してする挨拶です。以前は媒酌人が行うことが多かった披露宴のはじまりの挨拶ですが、近年は新郎新婦から直接ゲストに挨拶するのが主流です。新郎か新婦のどちらか、または新郎新婦の二人ともが1分程度、招待客に披露宴へ出席してくれたお礼と、これから始まる披露宴をどのように過ごしてもらいたいかを簡潔に述べます。

1-1. ウェルカムスピーチの構成

ウェルカムスピーチは基本的にこの3つについて話します。

  • 披露宴に出席してくれたことへのお礼
  • 結婚式を無事終えた報告
  • どのように披露宴を過ごしてもらいたいか

1分程度で短くまとめればOKです。以下に文例をあげておきます。

(文例)

「皆様本日はお忙しい中、私たちのためにお運びいただきましてまことにありがとうございます。私たちは先ほど○○にて無事結婚式を挙げることができました。本日はいつもお世話になっている皆様と楽しい時間を過ごしたいと思い今日まで準備をしてきました。美味しいお料理やお酒もふんだんに用意しておりますのでどうぞお楽しみください。どうぞお開きまでよろしくお願いいたします。」

(文例)

「皆様本日はお忙しい中、私たちの披露宴のためにお集まりいただきまことにありがとうございます。私たち二人は、○月△日にハワイの教会にて式を挙げ、夫婦の誓いを立ててまいりました。無事に結婚までたどり着けましたのも皆様が支えてくださったおかげと感謝しております。また、海外ということで皆様をご招待できなかったことをここにお詫び申し上げます。本日はアットホームなおもてなしをできればと考えまして、全館貸切にしておりますのでご自宅にいる気分でゆったりとお過ごしください。それではお開きまでどうぞお付き合いください。よろしくお願いいたします。」

1-2. ウェルカムスピーチのポイント

○もしすでに入籍済みであれば言い添えておく。

(文例)

「私たち二人は、○月○日、△△市役所に婚姻届けを提出し、夫婦としての生活を開始いたしておりますことを、みなさまにご報告させていただきます。」

○季節や天候についてゲストをねぎらう言葉を出だしに入れてもOK。

(文例)

「本日はあいにくの雨でお足もとが悪い中、私たちふたりのためにお運びいただき誠にありがとうございます。」

(文例)

「本日は遠路はるばる私たちの結婚披露宴にお集まりいただき誠にありがとうございます。」

○披露宴のテーマやコンセプト、こだわったポイント、協力してくれた方の紹介なども伝えると○。

(文例)

「大切な皆様をどうしてもこの○○の美味しい料理でおもてなししたい、とここ○○でのこのような披露パーティーのスタイルにしました。」

(文例)

「友人たちの協力も得て、手作りのアイテムを多く取り入れ、温かいオリジナリティのある披露宴にしたいと思って準備してまいりました。友人の○○さんには△△を、□□さんには○○を作っていただきました。お二人ともどうもありがとう。」

2. 披露宴の謝辞

披露宴の謝辞とは、披露宴の締めくくりに、両家を代表して主催者が行う挨拶です。最近は多くはありませんが、親が謝辞を担当することもあります。新郎新婦が謝辞を述べる場合は、ウェルカムスピーチと同様、新郎・新婦どちらか、または二人ともが挨拶をします。ゆっくり落ち着いて話して2~3分程度にまとめましょう。

2-1. 披露宴の謝辞の構成

披露宴の謝辞はこの5つについて話します。

  • 出席してくれたことや祝辞へのお礼
  • ゲストへの感謝(二人の出会いや歩み、応援や支援をしてくれた皆様へのお礼)
  • 今後の抱負(これから二人でどのような家庭をつくっていくかなど)
  • 今後のお願い(二人への指導やお付き合いをお願いする)
  • 結びの言葉(お礼と締めの言葉)

2-2. 披露宴の謝辞のポイント

  • 400字程度、ゆっくり話して2~3分くらいで簡潔にまとめましょう。
  • まっすぐ前を向いてはっきりと堂々と話します。
  • 原稿は読まずに自然な自分の言葉で話すようにします。
  • 最後は二人で一礼。
  • 両親への感謝を入れても○
(文例)

「大切な皆様をどうしてもこの○○の美味しい料理でおもてなししたい、とここ○○でのこのような披露パーティーのスタイルにしました。」

(文例)

「最後にこの場をお借りしまして、私たちをここまで育ててくれた両親に感謝の気持ちを伝えたいと思います。今までありがとう。そしてこれからもよろしくお願いします。」

NGな謝辞

  • 「え~」「あの~」「あ」など過剰に言う。
  • 下を向いて原稿を読む。
  • だらだらと話す。
  • 自分たちのことばかり話したり、自慢ばかりする。
  • 飲みすぎてろれつが回らない、謝辞の時にいない。

2-3. 披露宴の謝辞の文例

一般的な謝辞

(文例)

「本日はお忙しいところ、私たち二人のためにお集まりいただきまして誠にありがとうございました。皆様からたくさんの心温まるお祝いの言葉をいただき、深く感謝しております。 披露宴中の紹介にもあったとおり、私たちは共通の友人を通して知り合い、3年間の交際を経て今日の日を迎えることができました。これまで温かく見守ってくれた家族や友人、また皆様のご支援があったからだと深く感謝しております。これからは二人で力を合わせていつも笑顔を忘れず明るい家庭をつくっていきたいと思います。まだまだ未熟な私たちですので、皆様にご指導やご協力をお願いすることがあるかと思いますが、今後も末永いお付き合いをお願い申し上げます。 結びに皆様のご健康とご多幸をお祈りし私の挨拶をさせていただきます。本日は、誠にありがとうございました。」

会費制披露宴の謝辞

(文例・冒頭)

「本日は私たちのためにお集まりいただきありがとうございました。できるだけ多くの方に来ていただきたいと思い、会費制の披露宴を開くことにしました。正直なところ、皆さんにご賛同いただけるかどうか不安な部分もありましたが、このようにご理解、ご協力いただき盛り上げてくださり、本当に感謝しております。 この披露パーティーに協力してくれた両親や友人の○○くん、△△さん今日は本当にありがとう。この場を借りてお礼を言わせてください。」

新郎新婦二人での謝辞

(文例・冒頭)

「(新郎)本日は、私と○○の結婚披露宴にお運びいただきましてまことにありがとうございます。私たちは○月△日に□□で結婚式を挙げました。(中略)これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします。 (新婦)妻の○○です。本日はたくさんのご祝辞、励ましのお言葉をいただきありがとうございました。私の両親のように二人で何でも話し合って協力できる夫婦になりたいと思っております。よろしくお願いいたします。」