する?しない?意外と悩ましいのが「挨拶まわり」
披露宴中に親が各テーブルをまわる「挨拶まわり」。必ずしなければならないものではなく、「見送り」の時など他にも挨拶をする機会はあるので、しなくても決してマナー違反ではありません。会場や披露宴の進行、料理の種類などによっては披露宴中に立ち歩いたり、お酌をするのは×という場合もありケースバイケースなのです。
しかし、最近の「おもてなし」を重視する結婚式では「挨拶まわりは親の役割」というイメージが強く、挨拶まわりをしてもいい場合は、多くの親が挨拶まわりを行っているようです。挨拶まわりをするのかどうかについて、新郎新婦は「友人の結婚式ではしていたので自分の親にもやってほしい」「新婦(新郎)の親がやるのだからこちらもやってほしい」、双方の親も「当然するべき」「した方がいいのではないか」「できればしたくない」と、立場によって悩むポイントでもあります。
「お酌」は?事前に両家親子で相談し、考え方を合わせておくことが大事
挨拶まわりをしながら「お酌」をするのも披露宴でよく見かける光景です。しかし本来、お酒などのドリンクを注ぐのは会場スタッフの仕事なので、親が「お酌」までもする必要はなく、挨拶だけすれば十分です。とくに洋風のテーブルマナーではお酌はマナー違反とされています。家や個人によって考え方も様々で、お酌をして当たり前と思う人がいる一方、披露宴でお酌をしてまわるのはみっともない、という考え方もあります。お酌をしてお酒を飲んで親交を深めたいと考える人がいるのも非常によくあることですし、親を含めたホスト側がぜひお酌をしてゲストをもてなしたいと思うのはまっとうなことです。親がお酌をするかどうかも含め、挨拶まわりについては事前にプランナーや会場スタッフにも相談しておき、両家親子で方針をすり合わせておくと当日慌てないで済むでしょう。
親が「お酌」をしないまでも、挨拶の時に、ゲストのグラスが空いていたら、ホールスタッフを呼んでサーブしてもらうなどの気配りができれば、よりスマートですね。
挨拶まわりの方法、タイミング、順番は?
挨拶まわりは、基本的には両親が二人で一緒にするようにします。親がお酌をすることになった場合にも、父親と母親が揃って挨拶まわりをしながらお酌をしましょう。この時注意なのは、ゲストの中にはお酒が飲めない人も少ないことを考慮し、無理に勧めず、飲めない人にはソフトドリンクを注ぐようにすることです。
タイミングや順番は地域や会場によって異なります。会場によっては食事中に立ち上がってはいけないところもありますし、料理がフレンチのコースなどではお酌周りが料理のマナーとしてNGの場合もあります。さらには地域によっては、お酌のタイミングが決まっているところもあり確認が必要です。多くの場合、祝辞や余興以外の時間、お色直し中や歓談の時間になりますが、タイミングについてはプランナーや会場スタッフに予め聞いておき、指示に従いましょう。
自分の側のゲストにのみ挨拶する場合と、相手の側のゲストもまわる場合がありますが、この点もできるだけ両家でどのようにするか方針は合わせるようにした方がいいでしょう。順番は自分の側のゲスト(主賓がいるテーブル→同僚・友人テーブル)→相手側のゲスト(主賓がいるテーブル→同僚・友人テーブル→親族テーブル)をいう順番で挨拶しますが、時間に余裕があるわけではないので自分の子どもに「必ず挨拶すべき人」を事前に聞いておきましょう。友人のテーブルは一人一人ではなく、テーブル全体に声をかけても○。自分側の親族はゲストではなくホストなので必ず行かなければならないわけではありませんので、時間に余裕があれば行くようにしましょう。スピーチや余興などが始まったら自分の席に戻りましょう。
挨拶の際の言葉がけ
事前に自分の子どもから、簡単にゲストの情報(名前、関係、近況など)を聞いておきましょう。上司や恩師、目上の方に対しては、 「私は、新郎(新婦)の○○の父でございます。本日はご列席賜りありがとうございます」 「いつもお世話になっております。」 「これからもよろしくお願いします。」 「今後ともご指導ください。」
友人・同僚に対しては、 「○○の父でございます。今日は来てくれてありがとう。」 「これからもよろしくね。」 といった簡単なあいさつで構いません。
受付係や二次会の幹事をやってくれる人には 「○○係ありがとうござます。大変助かりました。」 と声をかけます。もし自分の子どもから預かっている受付係のお礼などがあればこのタイミングで渡します。
親の挨拶まわりのポイントまとめ
- 親の挨拶まわりは、必ずしなければならないものではない。
- する or しないは、料理の様式、家や地域の慣習、親子それぞれの考え方にもよる。
- プランナーや会場スタッフにも予め相談しておき、両家でやり方を合わせるのが重要。
- 親が挨拶まわりをすることになった場合は、父親と母親が揃って行動する。
- 挨拶まわりの披露宴中のタイミングは、プランナー・会場スタッフに相談しておく。
- 子どもに「必ず挨拶して欲しい人」を聞いておくとスムーズ。
- 子どもに簡単なゲストの情報(名前、関係、近況など)を聞いておく。
- 友人のテーブルは1人1人でなくテーブル全体に声をかけるのでもOK。
- 自分側の親族は必ず行かなければならないものではない。
- 挨拶の相手については両家で方針をあわせておく。
- お酒の飲めない人に無理に勧めてはいけない。その場合はソフトドリンクを勧める。
ゲスト側としても「新郎新婦の親」は気になりますし、挨拶に来てもらえれば迷惑に思う人は誰もいません。昔からの友人であれば久しぶりに「おじさん・おばさん」に会えてうれしい、と喜んでくれるでしょう。披露宴中は他の演出など気を回さなければならないこと多いので、「すべてもれなく挨拶をしなくては!」と負担に思わず、直接「出席してくれたことに対するお礼」を自然に伝えるといいでしょう。