結婚のきっかけが妊娠というカップルは今時珍しいことではありません。ただ、通常のケースと違い、妊娠から始まる結婚準備のスケジュールは常に妊婦の体調と相談する必要があります。それまで当たり前にできていたちょっとの無理が効かなくなる人も少なくないようです。
一方、母になる準備を始めた新婦を新郎がいたわることで、夫婦の絆もより深まるでしょう。ここでは主に、安定期といわれる「妊娠6ヶ月頃」に挙式をすることを想定したスケジュールをご紹介します。また、産後の挙式を考えている場合のポイントにも触れました。
周囲のサポートも活用しながら進める、マタニティウェディングのスケジュールの例をこちらにご紹介します。
マタニティウェディング(おめでた婚・授かり婚)のスケジュール
1.【妊娠発覚~】まずは両親に結婚の挨拶しよう
妊娠に気づいたら、まずは、産婦人科にかかりましょう。6週間ごろ、おなかの赤ちゃんの心音が確認できれば、まずは安心です。個人差はありますが、この時期からつわりが始まり、これまで通りの生活ができなくなることもあります。仕事のペースを落として、妊婦のリズムに慣れることも母子の安全のためには欠かせません。
パートナーに妊娠を告げ結婚が決まったら、まずはお互いの両親への挨拶をします。マタニティウェディングはもう珍しくないとは言っても、旧来の日本文化では好ましく思わない人もいます。相手の両親に認めてもらえるようなしっかりした挨拶を準備しましょう。
「できちゃったから結婚します」という報告の仕方は、男性側女性側の両親どちらにとっても印象が良くないかもしれません。結婚したい意志を宣言してから、同時に妊娠もしていて、夫婦になって子どもを大切に育てていく心づもりがあるというアプローチの方が理解を得やすいでしょう。
胎児の心音と出産予定日が確認されると、医師から自治体で母子手帳をもらうように言われます。入籍をする前に母子手帳をもらう場合は、手帳に記される新婦の名前は旧姓になってしまいます。入籍の時期も考えて両親への挨拶をしましょう。
この時期にしておきたいコト
- 親への挨拶
- 婚姻届の提出など結婚に関する各種手続きを行う
- 職場に結婚・妊娠の報告する(必要に応じて)
2.【妊娠3か月ごろ】結婚式のプランニングはお医者さんとも相談を
妊娠中はつわりや、医師による体調管理によって、思うように動けなくなることもしばしば。元気に当日を迎えられるよう、無理のない結婚式を計画しなくてはなりません。ゲストの人数や会場の規模、アクセスなど、全てマタニティウェディングを意識して決定します。
ただし、妊娠経過は人によって違うため、その都度かかりつけの産婦人科に相談することも必要です。3か月ごろはまだ、切迫流産の危険もある時期。打ち合わせへ行くのも大変な妊婦もいます。体調を優先して、自宅から通いやすい会場を選ぶことも考えられるでしょう。プランナーや担当者が自宅や近くまで訪問してくれる式場もあります。問い合わせてみましょう。
また、妊娠経過・体調により、結婚式の日程を延期したり、場合によっては中止せざるをえないことがないとは言えません。キャンセル料金がいつから、どのくらいかかるか、確認を忘れないようにしましょう。式場によっては、新婦の体調による日程変更の相談に乗ってくれる場合もあります。いざという時のキャンセル料金などはあらかじめチェックしておくと安心ですね。
マタニティウェディングを得意とする式場や会場なら、妊婦ならではの要望に理解あるプランナーも見つかり心強い味方に。妊娠のことは産婦人科医、マタニティウェディングのことはプランナーと、専門家を頼りに自分たちの式を作っていきましょう。
新居へ移るカップルは、時期や場所を検討しましょう。子どもが増えることを想定した物件が見つかるといいですね。子育てする環境としての新居の情報を集め、具合の良い時期に引っ越しできるよう準備を始めます。
この時期にしておきたいコト
- 結婚式・披露宴スタイル、招待客数、日取り、予算の検討開始
- 新居の条件と引越し時期の検討
- 新居についての情報収集
3.【妊娠4か月ごろまで】結婚式のゲスト招待はいち早く整えて
結婚式の日時・場所が決まったら、ゲストも決定します。マタニティウェディングで一番安心な安定期頃の挙式を考えると、どうしてもタイトなスケジュールになります。
招待状の発送から返答までの期間を十分に取れない場合、電話・メールで直接報告し出欠の確認をしましょう。家族や友人にそれぞれに担当を振り分けてゲストの出欠を確認してもらうこともできます。その上で2か月前までに招待状を送れば1か月前にはゲストが確定できます。
そして、ウェディングドレスの試着もこの時期までにしておきます。挙式時のお腹のふくらみや、むくみなども考慮したスタイルの物を選びましょう。また、お腹が膨らむ前にドレス姿で前撮りをしたいならこの時期。体調と相談しながら無理せず短時間で臨みたいですね。
この時期にしておきたいコト
- 結婚式・披露宴の招待客を決定、リスト化する
- 招待状の作成、発送
- ドレス、衣裳、小物の試着、手配
- 結婚指輪の決定、購入
4.【妊娠5か月ごろ】結婚式準備は夫のサポートが重要
ホルモンの影響で眠くなったり、食べ物の好みが変わったり、意味もなく不安を感じたり、妊娠中は変化が多くなります。そういうデリケートな時期に、何度も打ち合わせに足を運んでやりとりをしなくてはいけない場面に新婦はストレスを感じることもあります。
マタニティブルーとマリッジブルーが重なって喧嘩にならないためにも、夫になり父親になる新郎が新婦を支える意識を持つことが欠かせません。自治体や産婦人科が開催する父親教室などに積極的に参加し、妊娠や出産、育児の知識を増やし、変化の多いパートナーの状態を知ることが肝心です。
結婚準備の忙しさを軽減するためには、不要なイベントや演出をそぎ落とし、二次会を行わないなどの決断も必要。おなかの赤ちゃんの存在も胎動やお腹のふくらみで感じられる頃。妊婦の体調を優先して結婚準備を進めるために、理解ある新郎のサポートがあると二人の仲も深まります。
この時期にしておきたいコト
- 結婚式・披露宴の出欠が届き、招待客を確定させる
- 席次を決め、席次表の作成
- 遠方からの招待客の宿泊、交通の手配
- 披露宴のプログラム、演出を決定、司会者と打ち合わせ
- 会場の最終見積もりを取る
- 衣装、ドレスの最終フィッテング
- ヘアメイクや着付けの打ち合わせ、リハーサルまたは、かつら合わせ
- ブーケとブートニアの発注
- 新居の契約
- 引越しをする
5.【妊娠6か月ごろ~安定期中】結婚式当日も環境を整えて
妊娠期間を通じて、体調が良いと言われている妊娠5、6か月頃からの安定期中に挙式をするのが理想的です。6か月に入るとお腹も目立ってきますが、妊娠後期の重さと比べればまだ軽い方。この時期なら、食事もとれるという妊婦の声も聞かれます。
しかし、塩分やカロリーなど妊娠中の食事制限がある場合は、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。計画段階ではよかったものも、妊娠が進む中で不可となることもあります。安定期でも妊婦は疲れやすく、免疫力も低くなる点も要注意です。
当日までは体調管理に努め、無理のない生活リズムをキープしましょう。結婚式本番でもマタニティウェディングになれているスタッフやプランナーの助けを最大限活用し、気分が悪いときはそれとなく退席できるように打ち合わせ、控室を用意しておくと安心です。また、ヒールの低い靴を選ぶ、身体を冷やさないように気をつけましょう。
できるだけ、周囲の力を借り、スタッフへの心づけなどは両親や兄弟などにお願いしても良いですね。サポートしてもらったときは、妊婦だから当たり前という態度ではなく、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
この時期にしておきたいコト
直前準備- 披露宴での挨拶や手紙の準備
- 挙式当日の本人や招待客の車の手配
- 結婚式・披露宴の会場へ料金の支払い
- 関係者に電話で挨拶
- 控え室で、親族、主賓、媒酌人、招待客を出迎え、挨拶をする
- スタッフへ心づけ、主賓などに車代を渡す
- 会場に残金を払い精算
6.【妊娠8か月ごろ~周産期】二人で過ごす思い出作りも大切に
妊娠8か月以降、お腹はさらに大きく・重くなり、挙式にはあまり向きません。腰に負担がかかり移動が辛く、胃が圧迫され食べるのも一苦労の人が多くなります。
そして、この時期は新しい命の誕生が楽しみな一方、少ない二人だけの生活を楽しむラストチャンス。二人で近場に出かけたり、のんびり散歩をしたり、体調の良い時には夫婦水入らずの思い出を作りましょう。
仕事をしてきた妊婦も産休に入り、二人で過ごす時間も増えます。産後数カ月は慣れない育児に追われてしまったり、里帰りで会えなくなったり夫婦で向き合う時間はどうしても少なくなってしまいます。授かり婚の場合、結婚してから出産までの期間は貴重な二人だけで過ごす時間です。
出来上がった結婚式のアルバムやビデオを見て思い出を話すのも良いでしょう。直前でも予約可能な二人だけのフォト婚やマタニティフォトもいいかもしれません。
同時に、生まれてくる赤ちゃんのための家の環境を整えておきましょう。結婚式という区切りを経て、晴れて夫婦となった二人が新しい生活に向かっていく時期になります。
この時期にしておきたいコト
- 追加料金が発生した場合の支払い
- 写真、ビデオの焼き増しの依頼
- 内祝いの品を贈る
7.【出産後に結婚式をする場合】少なくとも産後6か月は身体を休めて
結婚前に子どもを授かった場合、マタニティウェディングにするか産後の結婚式にするか迷うカップルもいるでしょう。出産して落ち着いてから結婚式を挙げるのも良いですね。家族が増えた状態をブライダルフォトで残るのも素敵です。
その際は、少なくとも産後6か月は待った方が産後の母体の回復も得られますし、育児にもペースがつきやすくなります。子どもが歩き始める(個人差も大きいですが10~12ヶ月ぐらい)と、四六時中目も手も離せなくなることから、産後8カ月くらいで式を挙げる人が多いようです。
授乳のタイミングや、式の最中の子守をどうするかなどを考慮しなくてはいけないので、やはり周囲の協力を仰ぐことがポイントです。妊娠中に挙式するメリットもあれば、産後子どもと一緒に挙式するメリットもあります。二人と両親で話し合ってどうするのか決めておきましょう。会場選びなど、できることは妊娠中安定期に行っておくと、忙しい産後すぐの時期は育児に集中できます。
8. マタニティウェディングでは無理しないスケジュールを
マタニティウェディングの計画は、妊娠経過を見ながら臨機応変に行いましょう。こちらにそのポイントと気を付けておきたいコトをまとめました。先に妊娠したから結婚式は諦めようというだけでなく、無理のない範囲で、最大限の希望がかなえられる方法を二人で探すのもいいのでは?
- 妊婦健診で主治医・助産師に相談しながら進める
- マタニティウェディングになれたプランナーを見つける
- 自宅から近く通いやすい会場を選ぶ
- 新郎は精神的体力的にキツイ新婦を理解してサポートする
- 周囲にサポートお願いしたら感謝の気持ちを忘れない
- 妊娠初期と後期は挙式を避ける
- 具合が悪いときは無理しない
- キャンセル料は事前に確認
- 披露宴にイベントを詰め込まない
- 二次会は無理のない範囲で、行わなくても可
- 写真だけの結婚式や少人数結婚式も考えてみる