海外挙式や親族のみの挙式などの後に、お世話になっている方や友人を呼んで開催する1.5次会。大げさな披露宴はしたくないけれど、お披露目の場は設けたい、というカップルに人気です。今回は実際に筆者が開催した1.5次会を例に挙げながら、段取りを解説してみたいと思います。
【実録】カジュアルな1.5次会を開いてみました―計画と準備することまとめ―
写真提供:目黒雅叙園
1. 1.5次会とは
1-1. 1.5次会を開いてみました
私が入籍をしたのは2017年のはじめ。あまり目立つことはしたくなかったため結婚式や披露宴の予定はなく、親きょうだいのみの食事会と、入籍日当日のフォトウェディングのみのつもりでした。
ただやはり周りの友人からは「結婚式はしないの?」という声もあり、またお互いがお世話になっている友人知人にお披露目の場を用意することも重要だと次第に考えるようになり、カジュアルなパーティを開催することに決めました。私たち夫婦の仕事の都合などもあり、実際にパーティの計画を始めたのは10月の中旬ごろになりました。
1-2. 1.5次会とは
1.5次会は、一次会にあたる結婚式・披露宴の後に行うカジュアルなパーティのことです。親族のみの結婚式・披露宴や、海外挙式を行った場合に友人を招いて披露の場を設けたいというカップルに人気があるパーティのスタイルです。二次会との違いは、一次会とは別の日程に行う点。二次会は披露宴直後または数時間後に行われますが、1.5次会は日を改めて開催されます。
1.5次会の内容は料理からプログラムまで二人の自由に決めることができます。人前式を行ったりケーキ入刀・ファーストバイトやブーケトスを行ったり、自分たちとゲストが楽しめる内容を盛り込んでみましょう。
会費制で行うことが多く、その金額は8,000~15,000円程度。招待時にご祝儀はお断りする旨を伝えておきます。落ち着いたレストランやホテルなどの格式ある会場を利用するか、カフェやダイニングバーなどを利用するか、また料理はコースにするのかビュッフェ形式にするのか、なども考えた上で会費を決めましょう。ゲストの年齢層や新郎新婦との関係性によっても会費を考慮する必要があります。
最近は専門式場でもウェディングプランと同じように1.5次会プランを用意しているところもあります。予算に応じてアレンジが可能なので、相談してみるといいでしょう。
2. 計画を立てよう
2-1. 日程・時間決め
まずは日程を決めるところから始めました。シフト制など不規則な時間帯で働くゲストのことを考えて、ゆっくりと楽しめる土曜のうち1か月以上先の日程をいくつかピックアップし、複数の会場に問い合わせました。ちなみに私たちは大安・仏滅などの日取りは気にしませんでしたが、やはり大安の日には予約が埋まりやすいようです。
当初では土曜の夕方18時頃を想定していたものの、空きがなく土曜の13時スタートに決定しました。お昼からパーティを行うことは考えていなかったのですが、その後の二次会・三次会とゆっくりできましたし、子ども連れや遠方から来てくれた友人なども無理なく帰ることができたため、結果的にはお昼スタートは正解だったと思います。
2-2. 会場決め
会場はレストランまたはカフェで、と決めていたので、グルメ情報サイトなどを見ながらいくつかよさそうなところを探しました。またブライダルカウンターに勤めている友人がいたため相談に乗ってもらいました。いくつかのレストランでは会場見学の際に試食もでき、1.5次会とはいえブライダルフェアのようにしっかりと案内をしてもらうことができてよかったです。最終的には、日程、収容人数と駅からの近さ、料理のプラン、完全分煙などの点から、二次会プランが豊富なカフェに決めました。
会場を決める際は、まず予算(会費)を一緒に考えておくとスムーズです。会費制ウェディングを式場やレストランで行う場合、ゲスト一人あたり1万円~2万円の会費をいただくことで、新郎新婦の負担がゼロになるというところも多いようです。
私たちはゲストにあまり負担をかけたくなかったため、5,000~7,000円程度の会費で食事ができるカフェを選びました。二次会プランがあるカフェやレストランは多いため、会場の選択肢は多いと思います。また、食事代は子どもの料金も聞いておきましょう。今回の会場では「10歳頃から有料(大人料金)」ということでした。子どものゲストがいる場合、正規の料金をゲストからいただくのか、新郎新婦側で負担するのか、も決めておくといいと思います。
予算に加えて、ざっくりとした招待人数も、会場を探す際に決めておく必要があります。立食・着席・半立食、さまざまな設備の有無(ビンゴゲーム、プロジェクター、マイク、お仕度室…など)といった条件から絞り込んでいきましょう。装花や司会などの依頼を受けてくれる会場もあります。私たちはゲストは50~60人、食事は半立食で探しました。
2-3. ゲストのリストアップと招待、幹事などの依頼
日程・会場が決まったら、次はゲストの招待です。必ず来てほしい人・できれば来てほしい人・人数次第で呼ぶ人、といったカテゴリでリストアップしてきます。私たちは親族は呼ばず、仕事関係は夫側のみ、それも年齢が近く仲が良い職場だったため、ほぼ友人のみというゲスト構成でした。
会場では招待状を作ってくれるサービスがありましたが、デザインがイメージと違ったため自分たちで招待状画像を作成し、Facebookのイベントを立てて招待しました。Facebookのイベントページでは「参加・不参加・未定」を選ぶことができ、また追加のお知らせがある場合にもスピーディーに告知ができるため便利です。Facebookを利用していない友人にはLINEで詳細を送り、いつまでに返事がほしいとの旨を連絡しました。子持ちの友人が多いため、子ども連れで参加するかどうかも確認します。
住所を聞いたり返信をお願いしたりすることでお互いに手間と時間がかかってしまうため、紙の招待状は作りませんでした。ゲストとの関係性や年齢によってはSNSを利用することはおすすめできませんが、フランクな集まりになる場合には便利だと思います。
また同時に、幹事・受付・司会・乾杯の依頼も行います。幹事兼受付は新郎新婦共通の友人夫婦、司会・乾杯は夫の友人にお願いしました。
3. 会場との打ち合わせ内容
ゲストの招待と同時進行で、会場との打ち合わせを行います。私たちはカジュアルなカフェで開催したため打ち合わせはほぼメール、直接お店に行って打ち合わせをしたのは当日の1週間ほど前の1回のみでした。
3-1. プログラム
1.5次会でも通常の披露宴のように、さまざまなプログラムも盛り込むことが可能です。人前式を行ったり、余興やゲームでたっぷりと楽しんでもらったり、工夫次第でアレンジができます。
私たちがお願いしている会場は受付・お見送りの時間を含めずに2時間の貸し切りです。あまり内容を盛りだくさんにするのではなく、ゲストと会話ができる時間を大切にしたかったので、ウェルカムスピーチ・乾杯・ケーキ入刀・くじ引き(4-3章で詳述します)・締めの挨拶のみのシンプルなプログラムにしました。
BGMはおまかせにするのか持ち込みにするのか、なども打ち合わせが必要です。今回の場合は「乾杯」「ケーキ入刀」「お開き」の際のみ曲を指定し、それ以外はお店のおまかせにしていました。
受付で使うペンや会費を入れるケースなど、どんな備品を借りることができるのか、何を用意すべきかもきちんと確認しておきましょう。
3-2. フード・ドリンクの内容
会場にはいくつかの二次会用プランがありましたが、私たちは5,000円のコースをお願いしました。ビュッフェスタイルの料理とフリードリンク(乾杯用シャンパン付き)です。料理にデザートが含まれていましたが、ケーキ入刀のためにウェディングケーキは別途注文しました。
ケーキのデザインにはこだわりたかったのでいくつか資料を見せてお願いしたのですが、担当者からパティシエにうまく伝わっていなかったようで、残念ながら希望通りのデザインではありませんでした… 料理にこだわりたい方は、キッチンの責任者と直接打ち合わせすることをおすすめします。
また、今回は赤ちゃん連れのゲストもいたため、お湯の用意もお願いしていました。
4. 自分たちで用意するもの
4-1. 衣裳
晴れの姿を見てもらう1.5次会ですから、衣裳はきちんと準備したいもの。夫はスリーピースのネイビーのスーツを新調し、私はネット通販でドレスを購入しました。ドレスは二次会用ドレスでしたが、エンパイアラインで動きやすく、裾が床にギリギリつくくらい、あまり露出を増やしたくなかったのでレースのボレロ付き、を条件に探してぴったりと希望に合うものを見つけられました。日本のブランドで、縫製やシルエットが評判だったのも決め手でした。
パーティ中は動き回って友人と会話を楽しむつもりだったので、ブーケはあえて持たないことにしました。ただ写真を撮った際に少し手元が寂しく感じられたため、リストブーケやバッグ型ブーケのようなものがあると華やかになりそうです。
ブーケ・ブートニアがないぶん、新郎新婦で衣裳がちぐはぐに見えてしまわないよう、私が赤の大きなピアスをつけ、夫は赤いネクタイを締めることでトーンを揃えました。
1.5次会などのカジュアルパーティの衣裳の選び方についてはこちらの記事もぜひ参考にしてください。
とことん主役を楽しもう!二次会用ドレスは買う?レンタル?
4-2. 当日のヘアメイク
会場で手配をしてもらうことができない場合、自分でヘアメイクをお願いすることになります。自宅でしてもらう・サロンでしてもらう・会場のお仕度室に出張してもらうなどのパターンがあります。
私の場合には会場近くの美容室を友人に紹介してもらい、そこでヘアメイクとドレスへのお着換えをお願いしました。前もってヘアカラーとカットをしに行き、ドレスの写真を見せたりヘアメイクの希望のイメージを伝えたりすることで、当日安心しておまかせすることができました。
1.5次会の衣裳をレンタルする場合は、レンタルショップのフィッティングルームでお仕度できる場合もあるようです。
4-3. お礼やお車代、景品、プチギフトなど
幹事や司会などをしてくれた友人へのお礼、遠方から来てくれたゲストへのお車代も用意しましょう。今回は幹事兼受付と司会は会費をいただかず、あわせて後日お礼の品(5000円程度)を贈りました。乾杯の挨拶をしてくれた友人にはお礼の品のみ、遠方のゲストへは往復新幹線代にあたる1万円をお車代として当日渡しました。
会費を無料にする場合や、お車代を渡す場合などは、ゲストを招待するとき・幹事などをお願いするときに同時に伝えておくと親切です。
くじ引きによるプレゼントを予定していたので、そのための景品も用意しました。当たりは6つで、高級牛肉、家電、食器、お酒、インテリア雑貨、お菓子とバラバラのジャンルにしました。ゲストの雰囲気によっては、値段の張るものを少数用意するよりも、なるべくたくさんのゲストに行きわたるように数百円~など廉価なものをたくさん用意するのもいいかもしれません。
またお見送りの際に手渡すプチギフトも購入しました。カジュアルなパーティでしたが、最後にウェディングらしさを強調するためにカラフルなドラジェを探し、ラッピングが素敵なものを選びました。
5. お金のこと
1.5次会も披露宴と同じように、どのくらい新郎新婦が自ら費用負担をするか、あるいは会費のみですべてを賄うように収めるのか、という点を考えておく必要があります。会場によっては飲食代・会場代・サービス料・新郎新婦の衣装代など諸々込みで会費で賄えるプランを用意しているところもあります。
私たちは結局ゲストからは一人6,000円の会費をいただくことにし、その中から5,000円の飲食代と15,000円(全員分)のケーキ代、プチギフト、景品を支払いました。衣裳やお礼を含めて足りない分は自分たちで出し、最終的には二人の負担金額は数万円のみで収めることができました。
6. 1.5次会を開いてみて
あまり人前に立つことが得意ではなく、そういった機会もなかったために少し緊張もしましたが、たくさんの友人がお祝いにかけつけてくれて、温かい言葉をいただくことができて、自分がどれだけ多くの人に支えられているかを実感する素敵な機会になりました。
親族の食事会やフォトウェディングとはまた違う、リラックスした笑顔の写真が増えていい記念です。披露宴に比べて、ゲストの負担が少なくて済むぶん、多くの人を呼びやすかったというのもメリットです。お世話になっている方々に改めてお礼を言ういい機会にもなり、夫婦でも「やってよかった」と楽しい思い出になりました。