2018年8月現在、結婚できる年齢(婚姻年齢)は男性は18歳以上、女性は16歳以上(民法第731条「婚姻適齢年齢」)となっています。しかし、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる民法改正案にともなって、女性が結婚できる年齢が18歳に引き上げられます。2022年4月からの施行予定です。
未成年の結婚や出産についてはこちらの記事もご参照ください。
男女ともに婚姻年齢18歳以上に民法改正 2022年4月
男女平等に向けた国際的な動きの中で
現在、結婚の年齢(婚姻年齢)は、男性は18歳以上、女性は16歳以上と民法で定められています。これは1947年(昭和22年)に、「男性よりも女性のほうが心身ともに早く成熟する」という考えや、経済力や教育など当時の社会背景をふまえて決められたものです。しかしこの条文については、以前から国際機関が「男女不平等な規定ではないか」と指摘していて、2003年には国連の女子差別撤廃委員会から男女で統一するようにと勧告を受けていました。この「女子差別撤廃条約」に日本は1985年に締結しましたが、この「男女の婚姻年齢の規定に差があること」以外に男女差別的ではないかと指摘されていたもののうち、「婚外子相続差別の撤廃」「女性の再婚禁止期間の短縮」はすでに法律の改正がなされていますが、選択的夫婦別姓制度導入のみまだ残っています。
男女ともに18歳~、親の同意も不要に
2018年(平成30年)6月13日、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる改正民法が可決されました。この成人年齢引き下げ(20歳→18歳)にともなって、女性の婚姻年齢が16歳→18歳に引き上げられ、男女の婚姻年齢が18歳に統一されます。2022年4月施行予定です。アメリカ、フランス、オーストラリア、韓国など多くの先進国では婚姻年齢に男女の差はなく、多くの国で18歳以上とされていて、日本でも男女の婚姻年齢の条件が初めて同じになることになります。
また、現在は未成年であれば結婚するには親の同意が必要なので、20歳以下である18歳、19歳の男性と16歳~19歳の女性は親の同意がないと結婚することができません。しかし改正後は、18歳以上は成人なので18歳以上の男女は親の同意なく結婚できるようになります。
懸念されることは?
厚生労働省の人口動態調査によると、2015年(平成27年)に婚姻届を提出した女性約63万人のうち16、17歳は1357人で全体に対する割合としては低いといえることや、平均初婚年齢は夫30.7歳、妻29.1歳と年々上昇し続けていて「晩婚化」が進んでいるため、女性の婚姻年齢が引き上げられても大きな影響はないといわれています。しかし一方で、以下のようにこの民法改正によってたとえ少数でも置き去りになる女性や子どもが出ないよう求める声もあります。
「2016年(平成28年)の人口動態調査で、16歳と17歳の母親から生まれた子は2007人でこのうち非嫡出子は785人。現行法では、保護者の同意を得て結婚すれば、成人として親権を得ることができますが、この改正民法施行後はこの子どもたちは非嫡出子になってしまいます。数の上では少ないとはいえ、16、17歳で妊娠・出産する女性が結婚できなくなり、非嫡出子が増える可能性があります。子どもに不利益が生じないよう、きちんと議論することが必要です。」
https://mainichi.jp/articles/20180606/ddm/012/040/046000c (外部リンク)