一昔前の招待客数も多く、演出や余興も豪華なハデ婚は減っているとはいっても、結婚式を挙げるカップルにとって婚約から結婚までには少なくない額が必要です。その中で、お互いにどうやって費用負担をしていくのか、親からの援助があれば受けるかなど、決めていかなくてはなりません。今回は、結婚が決まった後、切り出しにくいお金の話をするタイミングなどについて考えていきましょう。
結婚に伴う費用負担の考えかた・予算の立てかた
1. 結婚するまでに費用が掛かるタイミング
結婚までのプロセスでは、費用が発生するタイミングがいくつかあります。まずは一般的な例から考えてみましょう。
費用が掛かるタイミング
- プロポーズ…婚約指輪・婚約記念品
- 顔合わせ食事会(両家の挨拶)…手土産、会食費用
- 結納…結納金、結納品、会食費用
- 結婚式・披露宴…挙式費用、会場費用、衣装代、装飾代、お礼・お車代など
- 新婚旅行…旅行費用、お土産代など
- 新生活準備…引っ越し費用、新居購入or敷金礼金、家具購入費用
まずはこの中から、二人の結婚のイメージに合うように、必要なイベントを組み立てていきます。その際に、だいたいの予算を計算してみましょう。
二人のやりたい内容と必要な予算の概算がわかったら、出せる予算を検討して結婚までの大きな流れを決めていきます。新生活準備といった省けない費用を別にして、ポイントになるのはやはり結婚式・披露宴です。内容によって費用に大きく幅が出るものだからです。規模や、会場選びの際の前に全体から結婚式にかけられる予算をある程度固めておくことで、具体的に進める際に悩む場面も少なくなります。
結婚式・披露宴にかけられる予算が少ない場合でも、リーズナブルな挙式や披露宴をすることは可能です。最近は少人数の結婚式や写真だけの結婚式もよく見られるようになりました。予算が少ない場合でも選択肢は多いので、結婚式を挙げたいなら方法を考えることもできるでしょう。
そのほかにも、結納を省くカップルは多く、婚約指輪や記念品も低予算で購入できるものを選ぶこともできます。予算に沿って、できるだけ二人のイメージを実現できるように、工夫して考えていきましょう。
結婚式よりも、新婚旅行や新居を優先したいカップルは、フレキシブルに判断をしてふたりの望む形で結婚費用を配分していきましょう。
2. 費用負担はどうきめる?
かつては家の権威などによって結婚に際して持参金が用意されていた時代もありました。家同士で結婚の約束を交わす結納では、男性の用意する額の半分を女性が用意するという地域もあります。しかし、そういった風習も最近は廃れ、結納自体行わないことも多くなっています。
現代は、かつての日本の風習で男性が女性を(時には反対のこともある)もらうという家同士の結びつきを表した結納が減っている一方、結婚は対等なパートナーシップだという考え方が普及しています。そして、共働きカップルが増える中、費用負担の考え方も変化が見られます。
結婚式の費用負担
折半費用を半々で支払います。シンプルでわかりやすいものの、衣装代などは女性の方が多くかかってしまうので、不公平感の出ないようにしっかり話し合いましょう。ゲストの数がお互いに違う場合なども、同様です。
招待客数に応じてゲストの人数で割って分担する。招待客数に差があっても公平感が保たれる反面、キャンセルが出ると計算がややこしくなる。
項目別会場代や挙式料は折半し、衣装代は新婦が負担するなど、こだわった部分は各自が負担します。収入に差がある場合は、どちらかが多めに出すように項目を配分する、という考え方もあるようです。
実際は、上記の3つを組み合わせた方法で費用を分担している人が多いようです。
(考え方の例)
- 料理や引出物などはゲストの数に応じて割って、それ以外の費用は折半。
- 料理、引き出物などはゲストの人数で割って、衣裳は各自負担。会場代や挙式料などの共通部分は折半。
地域や家庭によって方針や考え方が違う上に、もめごとが多い部分なので、親にも相談しながら、最初に分担方法の方向性だけは決めておきましょう。
3. 資金源の考え方と予算計画の注意ポイント
- ご祝儀、親からの援助は除いて、二人合わせてどの程度出せるか。ご祝儀は金額が前もってわかるものではないので、まずはあてにしないで計画を立てるのが無難です。親からの援助も基本的にはないものと考えるのが大人。
- 資金が足りない場合は、目標の金額が貯まってから結婚式の準備をはじめることも考えましょう。
- 結婚式の会場は予約の際に内金を入れ、ほとんどの場合残額は挙式当日より前に支払います。クレジットカードが使えない場合も多いので、支払いタイミングについては前もって確認を。
- 親が費用援助を申し出てくる場合もあります。二人で考えて受けるかどうか答えを出しましょう。
- ご祝儀を当てにして予算を組むと、計算がずれてしまうこともあります。まずは二人で用意できる予算内で組み立てましょう。
こだわりたいポイントを把握し、優先順位をつける
あれもこれもと希望を盛り込むと、あっという間に予算オーバー、ということはよくある話です。予算を組み立てる際は、「二人なりの優先順位」をしっかり話し合い二人で意識を合わせておくことが大切です。下記のようなポイントについて「優先順位」を決めておきましょう。
- 婚約指輪をいいものにしたい。
- たくさんのゲストを呼んで盛大な披露宴を開きたい。
- 身内だけのアットホームな結婚式にしたい。
- 披露宴の料理にこだわっておもてなしがしたい。
- 衣装にこだわりたい。
- どうしてもやりたい演出がある。
- 様々な種類の衣装を着てたくさんの写真を撮りたい。
- 一生に一度の豪華なハネムーンに行きたい。
- 新居の家具や家電をいいものにしたい。
4. 費用の話をするタイミングは?
費用など現実的な話をするのは、ロマンチックな婚前のムードに水を差すようで話し合いを避けたいと思うことがあるかもしれません。しかし、お互いの出せる範囲を明らかにして取り組むことで、後々の不公平感も減らせるので、勇気を出して話を切り出すことで、結果的に円満に事を運ぶことができます。
話を切り出すタイミング
- 両親への挨拶の前…早い段階で話を出せば、全体像を見ながら予算を配分できます
- 結納を行う前…結納をするかどうかの話し合いの際に結婚費用の話をすると、結婚式も具体的に進められます
- 見積が出た段階…結婚式の見積もりを見ながらお互いの用意できる費用に照らし合わせて、できることできないことが見られます
もし相手から具体的な話がない場合は、男性女性問わず話を切り出すことが二人のためです。きっかけがないと話しにくい面もありますが後回しにしないで早めに話し合うタイミングをしっかり持ちましょう。
予算をしっかり立てて後々もめない話し合いを
結婚式を開く場合、内容によって数百万から数十万といったように差はありますが、大きな金額が動くもの。男女ともに仕事を持つことが多い中、経済的にも二人で協力できるとよいですね。その方法や割合はそれぞれの状況で決めていくものです。できるだけ早い段階で分担について話し合うとその後の計画はスムーズに運びます。
二人の結婚式ですが、後々の関係を考えると親の意見も無視できないかもしれません。特に、地域によっては 結納をしっかりしないといけない場合も。二人の意思が尊重されるべきですが、それぞれの家庭の習慣などを配慮する気持ちも忘れないようにしましょう。そうしたリアルな話もタイミングを見て二人でしっかり話し合っておけば、途中で問題が発生しても二人で切り抜けられるものです。二人で予算を考えながら、結婚準備を進めていきましょう。