1. 婚姻届の証人と選び方

婚姻届の証人の条件

婚姻届には、本人たちの記入欄以外に証人の欄があり、証人の署名捺印が必要です。婚姻届では2名の証人が直筆で婚姻を証明することが求められています。20歳以上であれば資格は特になく、頼める人ならだれでもOKです。法的には、「20歳以上なら誰でも」、証人の条件はこれっきりです。

ただし、証人がいることで、当人の意思に反して勝手に婚姻届けを出されてしまうことを防ぐこともできます。そのため、「二人の結婚の意思をしっかり把握している人」が証人にふさわしいといえるでしょう。

みんなは実際に誰を証人に選んでいるのか?

マイナビウーマンの調査では、証人に「父親」を選ぶ人が62.6%、「母親」が16.4%、友人・上司などが8%でした※1。父や母といった、一番身近で自分を育ててくれたひとに依頼するケースが多いことがわかります。

理由としては、頼みやすいというのが一番。親も含めて上司など目上の人には、育ててくれたことへの感謝の気持ちでお願いするケースもあります。また、二人の間を取り持ってくれた友人夫婦などにお願いするケースも。仲人を立てる場合はそちらにお願いすることもあります。

選ぶのは避けたほうがいいケースも

証人の欄には、署名の下に住所や本籍地を書く場所があります。そのため、身元がきちんとしている人であることは必要な条件になります。事情があって本籍地がわからない場合なども、調べてもらわないと困ります。家族以外の人に頼むこともできますが、そうした手間をかけることを念頭に置きましょう。

また、遠くにいる人に依頼する場合は、大切な書類を郵送する必要があります。提出したい日が決まっている場合は余裕をもってお願いしましょう。離れた場所に住んでいる人は、急いでいるときには不向きといえるでしょう。

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※1 マイナビウーマン/婚姻届の証人、誰にお願いした? 6割の人が選んだのは......
https://woman.mynavi.jp/article/140926-34/ (外部リンク)

2. 依頼の方法とタイミング

両親

頼みやすい自分たちの両親に証人を依頼する場合も、組み合わせによって気を付けたいことがあります。まず、一方の両親二人が証人になる場合、二人の印鑑を違うものにする必要があります。実印でなくてもよいのですが、シャチハタではない印鑑を押してもらいましょう。

また、親に依頼する場合は、どのような組み合わせにしろ、両方の両親への配慮をした方がよいでしょう。一方の親だけにお願いするような場合は特に、軋轢をうまないよう丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。また、中には親自身が証人になるつもりでいる場合もあります。もし親以外の証人にするならば、誰に頼んでいるか、親にはさりげなく報告しておくといいかもしれません。

タイミングとしては、両親に依頼する場合は、結婚前の顔合わせの会や結納の際にお願いできるとスムーズです。

【両親でもいろいろな組み合せがありえる】
新郎の父、新郎の母
新郎の父、新婦の父
新郎の父、新婦の母
新郎の母、新婦の母
新婦の父、新婦の母
新婦の父、新郎の母

それぞれの友人や兄弟・姉妹

友人や兄弟など気軽に頼める立場の人に依頼することも可能です。しかし、本籍地の照合をし、間違いがあれば不受理になるということもあります。親しい中でも、大切な役所の届け出だということは説明しましょう。未婚の友人などの場合は、婚姻届について説明しておくことがポイントです。

依頼する人に対して守るべきマナー

歳も近く気軽に依頼できるといっても、書類に記入する状況をきちんと作ることが大切です。自宅や、喫茶店などで書類を書き込む時間をもらいましょう。また、親しい中であっても、お礼をした方がベター。間柄によっては、気持ちを伝えるだけでも大丈夫ですが、ささやかでも形にした方がよいマナーといえるでしょう。そして、届け出を出した後には報告をすることも忘れないようにしましょう。

上司や仲人などはなお注意を持って

上司や仲人など、二人の今後にも関係する恩人に依頼する場合は、あらかじめ結婚の挨拶をしたうえで、別の日に依頼しましょう。特別に時間を持ってもらい、正式な書類に印鑑を押してもらうための場のセッティングも重要です。アポイントを取って二人でお宅のお邪魔することが正式ですが、相手に応じて工夫が必要です。また、届け出を提出した後は、入籍の報告を必ずしましょう。基本は、二人そろって手土産をもってお宅に挨拶に行くのが一番ですが、お礼を言うための食事会もいいでしょう。その後も付き合いのある日大切な人達ですから、形式的になってもしっかりと礼を尽くすことに間違いはありません。

3. 婚姻届に記載してもらうための準備

婚姻届は正式な書類なので、間違いがあると受理されませません。また、おめでたいものですから間違えた場合も、できるだけ訂正ではなく新しく書き直した方が気持ちよく提出できるでしょう。本人たちの間違いはすぐに正せますが、証人の記載に間違いがあった場合は、再度記入をしてもらうなどお互いに手間も時間もかかってしまいます。

大切な書類なので、自分たちで記入したものを2枚用意して渡すと、万一、証人が一枚書き損じた場合にもお願いすることができます。別々の日に記入してもらう場合は、初めに書く人に2枚分書いてもらえると安心ですね。2名の証人のうち、頼みやすい方に2枚書いておいてもらいましょう。

大切な書類なので、自分たちで記入したものを2枚用意していくと、万一証人が一枚書き損じた場合にもすぐ書き直してもらえます。別々の日に記入してもらう場合は、初めに書く人に2枚分書いてもらえるとより安心ですね。2名の証人のうち、頼みやすい方に2枚書いておいてもらいましょう。

準備万端するポイントは下記のとおりです。

婚姻届を出す二人が準備

  • 婚姻届を2枚書いて用意する
  • 証人に書いてもらう個所にポストイットを張る
  • 見本を用意する(下記、法務省見本のPDFを印刷するなど※2)
  • 捨印(訂正があった場合に同意するための押印を欄外にすること)をお願いする
記事
※2 法務省の婚姻届見本から。(2018年9月28日現在)
http://www.moj.go.jp/content/001295263.pdf (外部リンク)

また、証人としてサインをもらう日が決まったら、あらかじめ下記のことを伝えて証人に用意して置いてもらいましょう。

証人がする準備

  • シャチハタではない印鑑(両親の場合はそれぞれ違う印鑑)
  • 証人の本籍地を確認(丁目や番地などの記載にも注意)

届け出を出す際には、本人同士か、どちらか一方で行くのがほとんど。証人は同行していないので万一、間違いがあった場合は、日を改めて提出することにもなりかねません。依頼する側としてもできるかぎり間違いが起こらないように事前準備を欠かさないようにしましょう!

まとめ

婚姻届の承認欄には2名の証人による署名と押印が必要です。また、住所と本籍地も正確に記載しなくては、受理されない事態に。二人の結婚の意思を理解してくれていて、しっかりした人に依頼するのがいいですね。多くの人が身近な存在の両親にお願いしていますが、どちらも父母が揃っている場合は4人の中でどういった組み合わせで依頼するかも考えましょう。そして、依頼する人が決まったら、実際に署名する場を整えます。その際にも、証人になってくれる人の立場に立って、やりやすいように準備してあげられるとよいですね。書き損じにも備えて、予備の婚姻届も用意しましょう。大切な書類なので、準備万端に臨めるといいですね!