結婚式に着物で参列するときは、「どの着物を、どの立場で、どの格で着るか」を先に押さえておくと迷いません。黒留袖・色留袖・訪問着・付け下げ・色無地の違いを写真つきで解説し、親族・友人・同僚といった立場別の選び方、避けたい装い、季節と会場の目安、着付けの準備までまとめました。
なお、着物の着方は家や地域、式場の方針によって考え方が異なります。迷ったときは、新郎新婦や同じ側の親族に事前に確認してください。
結婚式に着物で参列するときは、「どの着物を、どの立場で、どの格で着るか」を先に押さえておくと迷いません。黒留袖・色留袖・訪問着・付け下げ・色無地の違いを写真つきで解説し、親族・友人・同僚といった立場別の選び方、避けたい装い、季節と会場の目安、着付けの準備までまとめました。
なお、着物の着方は家や地域、式場の方針によって考え方が異なります。迷ったときは、新郎新婦や同じ側の親族に事前に確認してください。
まずは、結婚式にふさわしい着物の「格」と、着る立場の目安を一覧にします(出典:ゼクシィ、All About、ミツモア、2026-10-30確認)。
| 着物 | 格 | 主に着る立場 | ゲストが着るときの目安 |
|---|---|---|---|
| 黒留袖 | 既婚女性の第一礼装 | 新郎新婦の母親、媒酌人夫人、近い既婚の親族 | 友人・同僚は着ない |
| 色留袖 | 五つ紋は黒留袖と同格、三つ紋・一つ紋は準礼装 | 親族(未婚・既婚とも) | ゲストは三つ紋か一つ紋にして格を一段下げる |
| 振袖 | 未婚女性の第一礼装 | 未婚の親族・友人 | 花嫁衣裳の大振袖は避け、中振袖を軸に選ぶ |
| 訪問着 | 準礼装 | 友人・同僚(親族は家や地域による) | 未婚・既婚を問わず着られる |
| 付け下げ | 準礼装〜略礼装(紋の有無による) | 友人・同僚 | 控えめにまとめたいとき、「平服で」の式に |
| 色無地 | 一つ紋・三つ紋で準礼装 | 友人・同僚 | カジュアルな式に。帯まわりで華やかさを足す |
以下、それぞれの違いを写真つきで見ていきます。
既婚女性が慶事に着用するもっとも格式が高い着物が留袖(とめそで)です。留袖には「黒留袖」「色留袖」の2種類があり、その違いは名前のとおり黒地かそうでないかで分けられます。
黒留袖 豊穣
黒留袖といっても黒一色ではなく、腰下のあたりから裾に向かって刺繍や染めによる華やかな模様が入っているのが一般的です。背中・両胸・両袖後部に紋が入った「五つ紋」の比翼仕立てとなっており、新郎新婦の母親や媒酌人夫人、既婚の近い親族が着用する装いです。比翼仕立てとは、衿・袖口・振り・衽(おくみ。左右の前身頃についた縦に細長い布)部分が二重になっているものを指します。昔は襦袢の上に白い下着、その上から留袖を着ていましたが、簡略化されて比翼が用いられるようになりました。比翼がついていない留袖に、後から「付け比翼」を足すこともできます。
黒留袖は既婚女性の第一礼装とはいえ、友人や同僚など血縁関係がない相手の式に呼ばれた際には着ないようにしましょう。黒留袖には金銀・白を基調とした華やかで格調高い模様の帯を合わせます。
色留袖 御所解文様
華やかさと品のよさを併せ持つ色柄が魅力の色留袖は、紋の数によって格が変わります。五つ紋は黒留袖と同格、三つ紋・一つ紋は準礼装というのが一般的な考え方です。黒留袖とは異なり、新郎新婦の母親以外の参列者も着用できるため、幅広い用途がある一枚です。ゲストとして着る場合は、三つ紋か一つ紋にして格を一段下げるのが目安とされています(出典:ミツモア、2026-10-30確認)。
手持ちの色留袖にこれから紋を入れることを考えている場合、結婚式のようなフォーマルシーンに呼ばれる機会が多ければ五つ紋、たくさん着たい場合は格が高すぎない三つ紋にするのがおすすめです。レンタルの場合は、家紋の代わりに使える「通紋」のものを選べば、実家や嫁ぎ先の家紋がなくても着られます(出典:ゼクシィ、2026-10-30確認)。
こちらも金銀・白を基調とした帯を用い、二重太鼓に締めましょう。
訪問着 富貴花尽くし
第一礼装である留袖が洋装の「イブニングドレス」ならば、準礼装の訪問着は「パーティードレス」といったところ。結婚式・披露宴だけでなく、様々な社交の場や、子どもの入学式などにも着ていくことができます。また未婚・既婚を問わず着用できるため長く楽しめるのも特徴です。
訪問着と色留袖の違い
訪問着は全体で一枚の絵のような柄行きとなっているのが特徴です。色留袖との見分け方としては、肩や袖に模様が入っていれば訪問着となります。また、付け下げとの違いでも後述しますが、訪問着は、衿と胸の柄がつながっており、柄が生地の縫い目をまたいで入っています。
振袖よりも落ち着きがありながら、留袖よりも華やかな印象になるため、友人・同僚として出席するときに選びやすい着物です。帯結びを工夫することで後ろ姿を豪華にすることもできます。ただし、華美すぎるデザインは花嫁より目立つことになりかねないので遠慮するのがマナーです。また、振袖の袖を切って訪問着にできる場合もありますが、振袖ならではの豪華な柄は訪問着としては少し派手すぎることもあり、あまりおすすめはできません。
付け下げ(本糊糸目友禅)+袋帯(菱華紋/手織り)
よそいきのワンピースのような付け下げは、訪問着より少し格が下がる準礼装〜略礼装となります。付け下げも未婚・既婚関係なく着用でき、パーティーやお茶会、観劇などにも活躍します。
付け下げと訪問着の違い
訪問着と付け下げの違いは衿と胸の柄がつながっているか、柄が生地の縫い目をまたいで入っているかどうかで見分けると簡単です。基本的に柄がつながっていれば訪問着、そうでなければ付け下げと判断できますが、訪問着のように模様が続いている「付け下げ訪問着」というのもあり、見分けが難しいこともあります。どちらかわからない場合には呉服屋さんに尋ねるといいでしょう。
また小紋柄を全体に染め上げた「付け下げ小紋」もありますが、こちらは普段着とされる「小紋」と同格とされるため結婚式・披露宴には向きません。
付け下げ(斜取金線暈かし)+袋帯(宝相称美/川島織物)
合わせる帯や小物で雰囲気が大きく変わりますので、古典柄や箔・刺繍入りの帯などを合わせてフォーマルにまとめましょう。ただ、コットンのワンピースに大ぶりのダイヤのネックレスだとちぐはぐな印象になってしまうのと同じで、シンプルな柄の付け下げに錦糸の帯を合わせたり、吉祥文様の豪華な着物に街着用の軽い名古屋帯を締めたりするのは不釣り合いです。着物は一点豪華主義ではなくトータルコーディネートが大切ですので、全体のバランスを考えて小物を合わせましょう。
色無地(細畝)+九寸織名古屋帯 (七宝繋ぎ)
レストランウェディングや1.5次会のようなかしこまらない式・パーティーには色無地の着物もおすすめです。一つまたは三つ紋入りの色無地は準礼装にあたります。色無地も未婚・既婚の区別なく着ることができます。
その名のとおり無地または地紋のみのシンプルな着物ですが、その分小物で個性を出せるおしゃれ着として人気です。洋装は飽きたし人と違うものが着たい、でも訪問着や付け下げだと周りから浮いてしまいそう、というときにもぴったり。控えめながら品があり、パーティーにさりげなく華を添えます。
同じ「着物で参列する」でも、新郎新婦の親族は招く側(ホスト側)、友人や会社関係の方は招かれる側(ゲスト側)です。ゲスト側は、主催者より格が高くならないよう気を配るのが基本とされています(出典:ミツモア、2026-10-30確認)。
未婚の方は振袖か色留袖、既婚の方は黒留袖が基本とされ、若い世代の既婚者は色留袖も選択肢になります(出典:All About、2026-10-30確認)。一方で、訪問着については「親族は基本的に避ける」とする見方と、「親族なら古典柄中心の落ち着いた色で可」とする見方があり、解説によって分かれています(出典:All About、ゼクシィ、2026-10-30確認)。年齢にかかわらず既婚者は黒留袖とする地域もありますので、同じ側の親族や新郎新婦に確認しておくと安心です。
未婚の方は振袖、既婚・未婚を問わず訪問着・付け下げ・色無地から選べます。上司にあたる方の式では、三つ紋の色無地や一つ紋・三つ紋の色留袖など、少し格を整えた装いが勧められています。招待状に「平服で」とある場合は、付け下げなどが無難です(出典:ミツモア、2026-10-30確認)。
未婚の20代女性なら、振袖も人気で大変おすすめです。ただし、袖が長い大振袖は花嫁衣裳とされるため避け、中振袖を軸に選ぶのが一般的です。小振袖は格式の高い式には向かないとされています。また、既婚の友人が振袖を着る場合は本来は避けるものとされていますが、新郎新婦が問題ないと言えば可とする見方もあります(出典:All About、ミツモア、2026-10-30確認)。格式を重んじる式や、しきたりに厳しい親族が多い式では、友人でも振袖は避けたほうが無難です。
着物は一つひとつの格だけでなく、全体の組み合わせで印象が決まります。避けたいポイントを整理します。
(出典:ゼクシィ、ミツモア、2026-10-30確認)
着物は季節によって仕立てが変わります。暦の上での目安は、袷(裏地あり)が10月〜5月、単衣(裏地なし)が6月と9月、薄物(透け感のある夏物)が7月・8月です(出典:髙島屋のコラム、2026-10-30確認)。近年は、暦にとらわれず気温や体調に合わせて単衣を選ぶ「和装クールビズ」の考え方も紹介されています。ただし、結婚式のような改まった場では、迷ったら暦に沿った仕立てを選び、着付けの方や呉服店に相談するのが編集部としてのおすすめです。
ホテルや格式の高いレストランでの式は礼装(準礼装)が基本で、カジュアルな店であれば格を下げてもよいとされています。二次会やカジュアルなパーティーなら略礼装でよく、付け下げや江戸小紋、気軽な店なら名古屋帯も選択肢です。披露宴は挙式のあとに続くため、衣装はそのままで問題ありません(出典:ミツモア、2026-10-30確認)。
着物での参列は、当日の着付けとヘアセットの手配が必要です。会場まで来てもらえる出張着付けを利用する場合、費用の目安は着付けと出張費込みで5,000〜15,000円前後とされています。留袖や訪問着は小紋などより高めになることがあり、遠方の着付け師は出張費が加わる場合があります(出典:ミツモア、2026-10-30確認)。
着物・帯・小物一式は宅配便で会場に送っておくと、当日の持ち運びが楽になります。着付けが終わったあとの片付け方(たたみ方・保管)も、事前に確認しておきましょう。
髪型は、ミディアム〜ロングならうなじがすっきり見えるアップが合います。ショートの場合は、トップにボリュームを出すとバランスよくまとまります。メイクは、着物に負けないよう、ファンデーションをやや明るめにし、口紅は赤みのある色を選ぶとよいとされています(出典:ゼクシィ、ミツモア、2026-10-30確認)。
Q. 友人の結婚式に黒留袖を着てもよいですか?
A. 黒留袖は新郎新婦の母親や近い親族が着る装いで、友人・同僚は避けるのが一般的です。三つ紋か一つ紋の色留袖、訪問着、付け下げなどから選びましょう。
Q. 既婚でも振袖を着てよいですか?
A. 振袖は本来、未婚女性の第一礼装です。既婚の友人は、新郎新婦が問題ないと言えば可とする見方もありますが、格式を重んじる式では避けたほうが無難です。
Q. 親族として訪問着を着ても大丈夫ですか?
A. 解説によって見方が分かれます。親族の場合は、同じ側の親族や新郎新婦に事前に確認するのが確実です。
Q. 招待状に「平服で」とあったら、どの着物にしますか?
A. 付け下げなどが無難とされています。小紋・紬・浴衣は結婚式には向きません。
Q. 挙式から披露宴まで、着替えは必要ですか?
A. 披露宴は挙式のあとに続くため、衣装は基本的にそのままで問題ありません。
Q. 季節によって着物は変えるべきですか?
A. 暦の上では、10月〜5月が袷、6月・9月が単衣、7月・8月が薄物です。改まった式では暦に沿うのが無難ですが、気温に合わせた単衣の考え方もあります。
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着物の着方は、家や地域、式場の方針によって異なります。最終的には新郎新婦や同じ側の親族にご確認ください。

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